【Vol.6】チームフランポネの今後の展望
チームフランポネをサポートするプロボノワーカー*が聞き役になり、フランポネのマヌー島岡(以下、マヌー)さんに質問をしていく企画。
今回は第6弾。チームフランポネの今後の展望がテーマです。
ーこれからどんなことを目指していますか?
マヌー:そうですね。大きな目標は「お笑いの力で世界平和に貢献すること」なんですが、もう少し具体的にお話しさせてください。
まず、今一番力を入れたいのは「川崎モデル」の確立です。
今、面白いことが起きているんです。私たち、実は川崎市在住なのに、活動の6割は関西なんです。なぜかというと、大阪は漫才発祥の地だから、「お笑いを使った社会貢献」という考え方に理解があるんです。実際、来年の大阪万博でも、スイスパビリオンで私たちの活動が採用される予定です。
でも、これからは川崎での活動を7割まで増やしていきたい。なぜなら、川崎には可能性があるんです。例えば、川崎市は外国人市民が全国6位で増加傾向にある。一方で、町内会や自治会の加入率は下がっている。でも、外国人住民の方々は地域との繋がりを望んでいる。ここに私たちの出番があるんです。
ー具体的に策はあるんですか?
具体的には、2つのアプローチを考えています。
1つ目は「教育分野」です。
今、私たちの「漫才で覚える英語」が大阪府の教育委員会で採用されることが決まりました。この実績を基に、川崎市でも展開していきたい。ただ、いきなり正規の授業は難しいので、まずは学童保育や児童館での実績を積み重ねていく。実際、寺子屋事業やわくわくプラザでの活動は始まっています。
2つ目は「福祉分野」です。
実は今年度で言えば、川崎市社会福祉協議会から助成金をいただいています。これを使って、障害のある方による漫才大会や、高齢者施設での漫才披露など、様々な取り組みを展開していく予定です。
そして、これらの活動を継続的に展開していくために、法人化も検討しています。今は任意団体なので、できることに限界があるんです。例えば、申請できる助成金が限られていたり、行政との業務委託契約ができなかったり。
ただし、普通の株式会社にはしたくない。私たちが目指すのは、事業収入で運営しながら、その収益を社会に還元できる形。専門的な言い方をすると「ゼブラ企業」というモデルです。黒字の事業と、社会貢献の事業を両立させる。
そして最終的には、このモデルを全国、さらには世界に広げていきたい。
ー世界への手応えはありますか?
実は来月、イギリスの大学で1週間の漫才講座をやることが決まっています。笹川財団からの助成金をいただいて実現する企画です。スイスで開催された「Japan Impact」というイベントで出演実績があります。
お笑いって、言葉の壁を超えられるんです。なぜなら、「間違い」や「勘違い」は世界共通だから。それを笑いに変える。その過程で、お互いを理解し合える。
だから私は確信しているんです。漫才には、世界平和に貢献できる力がある。大きな夢かもしれません。でも、一つ一つの活動を積み重ねていけば、必ず実現できると信じています。
ーわたしたち(読者含む)にできることはありますか?
マヌー:ありがとうございます。そうですね、様々な形で関わっていただけるんです。
まず、一番身近なところでは「参加者」として。
例えば、今度10月16日に川崎市幸区の小倉こども文化センターで漫才作成講座をやります。11月3日の神社のお祭りで発表するための準備講座です。こういったイベントは、実は見学も大歓迎なんです。
「漫才なんて難しそう」って思われるかもしれません。でも大丈夫です。私たちの講座は、誰でも60分で漫才ができるようになる。それが特徴なんです。小学生でも、外国人の方でも、障害のある方でも、必ずできるようになる。だから、ぜひ一度見に来てください。
ー参加以外の関わり方だとどうでしょう?
マヌー:はい。「つなぎ役」としても関わっていただけると嬉しいです。
実は皆さんの周りにも、私たちの活動を必要としている方がいるかもしれません。例えば:
日本語を勉強している外国人の知り合い
子どもの通う学校のPTA
地域の町内会や自治会
福祉施設や障害者支援施設
特に川崎市の場合、外国人住民が増えているのに、町内会や自治会の加入率は下がっている。でも、外国人の方々は地域との繋がりを求めているんです。そんな時、漫才づくりが良いきっかけになる。
実際、私たちの活動は、誰かの「紹介」で広がっていくことが多いんです。今、幸区の社会福祉協議会さんとやらせていただいているのも、誰かが「面白そうだから」って言ってくださったのがきっかけでした。
そして可能であれば「支援者」として。
私たちは今、任意団体として活動しています。様々な助成金もいただいていますが、まだまだ制約も多い。これを法人化して、より安定的な活動基盤を作っていきたいと考えています。
ただし、普通の営利企業にはしたくない。事業収入はあっても、それを必要な人に還元できる形にしたい。そのために、クラウドファンディングなども検討しています。金額の大小に関わらず、私たちの理念に共感してくださる方のサポートは本当にありがたいです。
でも一番大事なのは「理解者」になっていただくこと。
お笑いって、ただ笑うためだけのものじゃない。教育にも、福祉にも、地域づくりにも活かせる。そんな可能性を持っているんです。この考えに共感していただいて、時には「あそこに行ってみたら?」とアドバイスをいただいたり、時には「うちでもやってみない?」と声をかけていただいたり。
私たちの活動は、そうやって少しずつ、でも着実に広がってきました。これからも、一人でも多くの方に理解していただき、一緒に「お笑いで世界を変える」という夢に向かって歩んでいけたら。それが私たちの願いです。
ーありがとうございました。チームフランポネの理解が深まりました。プロボノワーカーとして、私たちにもできることで協力していければと思います。
マヌー:ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。