天然痘と種痘法💉🦠
今月は緒方洪庵先生の誕生月ですね。
そこで、B.B団Twitterの名言バナー更新と共に天然痘と種痘法についてご紹介。
サル痘ワクチンとしても注目が集まる天然痘ワクチンですが、いつの時代でも正しい医学の知識を全ての人が共有できることが感染症対策では肝要。
現在流行している感染症
今月に入り感染症ニュースが慌ただしいですが、本文に進む前に少し現状整理。✏️
新型コロナウイルスに関しては7/11に政府による第7波の発表がありました。現在、国内の新型コロナ感染者数は7/31時点で約1279万人、重症者数は427人、死亡者数は約3万人と報道されています。
👉日本国内の感染者数(NHKまとめ)
またサル痘に関しては7/26に都内で感染が国内で初めて確認され、7/28には都内で2人目の感染が確認されています。なんとWHOによると天然痘のワクチンが85%の予防効果を発揮するのだとか。ワクチン整備が進められています。
👉 サル痘 厚労省が薬やワクチン整備 WHOは緊急事態を宣言
📝種痘法
1796年に英人医師ジェンナーによって考案された天然痘ワクチン。それ以前にも西アジアや中国では人痘法などリスクのある治療が行われていました。
日本には1849年独人医師モーニッケが持ち込んだ牛痘苗が根付き全国へ普及。
👉参考(江戸時代の摂取方法と道具)
洋の東西で見る種痘法の描かれ方🖼
📍James Gillrayの風刺画(1802年)
📍 牛痘児と疱瘡神『種痘之図』
日本の種痘はヒーローとして描かれていますが、当初は西洋と同じく、接種すれば牛になると恐れられていました。
📝天然痘
全身に膿疱を生じる平均致死率20~50%の感染症。古来より世界中で発生。記録に残る最古の発症死亡者はエジプト王朝のラムセス五世。
日本では6世紀半ば仏教普及の時期に最初のエピデミックが発生。政治抗争も左右しました。
なお1980年天然痘根絶宣言後の現代も露国と米国がウイルスを所有🦠
👉参考(人獣共通感染症)
緒方洪庵と種痘法
天然痘治療に貢献したことで名高い緒方洪庵。
1849年に京都で痘苗を入手。その後大阪に「除痘館」を開き牛痘種痘法による切痘を行います。
「牛になる」等の迷信から種痘法の普及は困難を極めますが、接種を普及させる為に私財を投じ、治療費を取らず、患者に実験台になってもらうなどして活動を黙々と続けます。
地道な活動が功を得て1858年には幕府公認のお墨付きを得ます。またもぐりの牛痘種痘法者を排除する為に、牛痘種痘が免許制となりました。
知力・学力の高さだけでなく徳の高さまで供え、病気に立ち向かう姿勢は、本当に医者の鏡ですね。
終わりに
実はこの記事はTwitterで流して終わりの予定でした。しかし、文字数制限の関係で引用ツイートの回数がフォロワーの方に迷惑になるほど多くなったため、noteに記事をしたためることにしました。
緒方洪庵が1838年大阪に創設した蘭学塾「適々斎塾(適塾)」は、大阪大学のルーツの1つ。何でも学生の履修管理システムの名前koanになっているのだとか。
天然痘と種痘法について学び、少し得した気分になっている今日この頃です。
2022.08.01
Slyserin🐍
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