機械学習が、スポーツをもっと面白くする。
2013年NBAファイナル第6戦、後が無いヒートは4Q残り20秒で、レブロン・ジェームスが3Pシュートを放つも外れる。リバウンドをクリス・ボッシュが奪い、レイ・アレンにパス。アレンは鮮やかに3Pを決めスコアは95対95、試合は延長戦へ。。
↓歴史的プレイの動画はこちら
さて質問です。この状況でのレイ・アレンの3Pシュートの成功率は何%だったでしょう?
答えは「9%!」
でも決めた、レイ・アレンがスゴイ!
近いうちに、AIやマシン・ラーニングがその答えを瞬時に画面上で教えてくれるかもしれません。リサーチャーであるラジブ・マヒシュワラン氏とその仲間たちは、「時空パターン認識」という判断軸を生み出すことで、大量の動画データをAIに学習させることに成功しました。まるでバスケ初心者が、だんだん複雑なプレイを覚えるように。。
step1:機械にパス・シュート・ドリブルを教えた
step2:機械にポストアップ・ピックアンドロール・アイソレーションを教えた
特にピックアンドロールは、ボールを持っているオフェンスをマークしているディフェンスに対してスクリーンを仕掛け、道を作る・選択肢を増やすという二人のプレイヤーによるコンビネーションプレイ。想像するだけでもアルゴリズム化(コンピューターにやってもらう処理の手順、これはニンゲンが考える)が非常に難しいのがわかります。なぜなら、流れるようなトリッキーな動きをするバスケットボールのプレイにおいては「ピックアンドロール、かと思いきや」みたいなプレイや「ピックアンドロールの途中、瞬時の判断で違うプレイに切り替えました」なんてことは常に起こりえます(これはどのスポーツにも言えます)。つまり、予測不能な曖昧さがあったわけです(だからディフェンスがフェイントに引っかかるわけですが)。
↓ピックアンドロールってこんなプレイです!複雑!
※ちなみに「スペイン・ピックアンドロール」なんていう、3人目がスクリーンを仕掛けるなんてプレイもございます。
数値化で、スポーツの見方が変わる
シュートする場所、リングとの角度、ディフェンスの位置とその距離、シューターが立っている角度。。。多くの情報を集約し、シュートの成功率の予測モデルを作る。
機械はコーチを越えられるか?ニンゲン以上に知り得るか?今やその答えは「YES!」である。
今までは、単に成功数/シュート数でシュート成功率を換算していたかもしれません。機械学習を使えば、例えばシュート成功率49%のNBAプレイヤーがいるとして、その成功率をさらなる因子に分解することができます。
●難しいシュートを成功させる技術の高い選手なのか?
●シュートの技術は低くても、入るチャンスの高いシュートを打てる嗅覚のある選手なのか?
各選手の各瞬間におけるシュート成功率やリバウンドを取る確率が分かれば、スポーツ観戦に新たな楽しみ方が加味されるとマヒシュワラン氏は語っています。
1プレイごとのシュートやリバウンドの成功率を瞬時に予測しながら観戦できる醍醐味を観客に与えられる。そしてその成功率の高低が何に起因するかも逆算して分析し、チームや選手のスキルアップに役立てることができる。ドラフトやトレードの場面でも重要な要素になってくるかもしれません。
↓講演で見せてくれたイメージ。ゲームみたいですね。
↓DARIAさんのこの状況でのシュート成功率は36%〜37%
↓リバウンドの落下地点予測
また、試合中各選手の動きを専門家が追跡する必要はなくなりますし、動作を解析する負荷も専門家である必要がなくなるため、誰もが簡単に分析できるようになります。このTEDの講演は2015年ですが、その時点ですでに多くのNBAチームが、このような機械学習の手法をチーム内に取り入れているとのこと。2020年の現在であれば、さらにその精度や普及度はUPしているのでは?と思います。既にサッカーでは、似たようなアプリがあったような。。
バスケが可能なら、私たちの日常だって
バスケットボールなどのスポーツで活用できれば、我々の日常生活にも展開できるはず、とマヒシュワラン氏は未来を見ています。
私たちがオフィス内でどのように動くか?どこが交流ポイントか?
駅や商業施設での群衆の動き方
観光地でのトラベラーの導線
などなど、建築物や街づくりを行う際に役立っていくはず。動く点を的確に捉え進化させることで、よりスマートで快適な暮らしを実現できるのでは?と氏は結論づけています。私たち一人ひとりの動きを定量化、つまりパターン化したり意味を見出せるようにすることの素晴らしさ。スポーツで培った技術がこうやって社会をより良くしていく、そんな未来を垣間見るTED talkでした!
↓肝心なTED talkはコチラ
◆スポチュニティ株式会社
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概要:「Sports×Opportunity」を理念に、「若者がチャレンジできる機会を与える」「若者に夢を与えるスポーツ団体を応援する」「スポーツで地方を元気にする」ことを通して平等な機会・夢を育む環境づくりを目指す、スポーツに特化したクラウドファンディングを提供するベンチャー企業。創業メンバーはグロービス経営大学院で学んだ同級生で、メンバーの大半がMBA生という変わった組織。
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