米国 6月消費者信頼感指数
6月の消費者信頼感は98.7に低下しました。
1年前の2021年6月の128.9とは大きな差となっています。信頼感の低下が今夏のサービス支出の急増を阻むとは想定されませんが、今秋の個人消費の縮小は避けられないと懸念する声が高まっています。
6月の消費者信頼感指数は98.7と予想以上に落ち込み、2021年2月以来の低い結果となり、消費者心理の変曲点にいるようにも見えます。
労働市場は依然として歴史的に堅調ですが、ここ数年は労働力の売り手市場でしたが、その勢いが失速しただけでなく、逆に動き始めている兆しが見えてきています。
例えば、「仕事がある」と答えた消費者の割合は、3月時点では56.7%で、過去の記録で最も高い水準でしたが、しかし、現在では、「仕事がある」と感じる消費者の割合は減少しています。
51.3%は依然として歴史的な高水準ですが、3カ月連続で減少し、過去1年間のどの時期よりも低くなっています。また、「あまり仕事がない」とする消費者の割合は37.1%と過去1年で最も高い水準に上昇しましたが、「仕事を得るのが難しい」とする消費者は11.6%に過ぎません。
失業率の急激な上昇は不況を連想させます。
現在、失業率は50年来の低水準で推移していますが、失業率は今後1年間上昇に転じることが想定され、消費者心理の悪化と関連しています。
消費者信頼感の低下は、主に消費者の期待感に関連しており、前月比7.3ポイント低下の66.4と、1年半以上ぶりの大きな低下となり、期待感の数値としては9年ぶりの低さなりました。消費者の現状に対する印象は、先月もほぼ一定でした。
インフレが猛威を振るい、消費者の購買力を圧迫しているため、消費者は当面、支出の資金をバランスシートに依存する傾向が強まると思われます。
この夏、旅行や対面式サービスに参加したいという欲求は、物価高騰に対する懸念より強くなると想定されますが、心理的には重くのしかかります。
貯蓄に頼ったり、クレジットを利用して支出を賄うことは持続可能な資金源ではなく、消費者は自分の財政状態、ガソリン価格の上昇、労働市場の見通し悪化に目を向け、今後の状況への懸念を強めているのかもしれません。
消費者心理の悪化は特に驚くことではなく、消費者心理のもう一つの指標であるミシガン大学の消費者消費者マインドは、消費者心理をさらに悲観的に描いており、インフレに対する懸念が強まる中、6月の消費者心理は過去最低水準に落ち込んでいます。
消費者マインドと消費者信頼感調査の目的は同じですが、前者がインフレと金利に焦点を当て、消費者信頼感は労働市場の状況に焦点を当てるなど、アプローチの仕方が異なります。
こうした違いが指数の相違に繋がりますが、どちらも消費者の楽観主義は悪化の方向性を示しています。
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