【チームエルのカルチャー】 「プレーオフィス」奇跡的な日常に潜入 - コロナ禍でオフィスを移転・増床した理由(5)
Team-L(チームエル)では、実践主義のコンサルティング集団として、採用活動から売り上げにつながる戦略・戦術の立案を通じて、企業の成長のお手伝いをしています。
チームエルについては、こちらで詳しく。
今回のシリーズは、シリコンバレーを長年取材し、iU 情報経営イノベーション専門職大学で教鞭を執る松村太郎がレポートします。Team-Lのカルチャーシリーズ「コロナ禍でオフィスを増床した理由」のこれまでのストーリーはこちらから
チームエルの代表、堀越勝格は、オフィスが働くことと会社を認知させる点、チームエルが目指すビジネスをオフィスで表現すべきである点に注目しました。そして目指したのが、「集合天才が顧客のために雑談するオフィス」。
オフィス内はワンフロアで広々としており、社員が全員集まっても十分なスペースが確保されています。そしてスペースはゾーニングされており、管理部門を中心とした固定デスク以外はフリーアドレス。しかもデスクスタイルからカフェのテーブルスタイル、バーカウンターと、多彩なワークスペースを、仕事の種類や気分で選べます。
そしてポストコロナ時代の常識となったオンラインミーティングのためのブースが用意され、それ以外の場所では音楽が流れ、会話が自由に行える雰囲気作りもなされていました。
では、そんなオフィスの日常は、どのようになっていたのでしょうか?
チームエルのオフィスにおける、たった5秒以内で起きる顧客体験
オフィスを訪れると、まずオフィスの入り口にあるウェルカムボードに目が行きます。今日オフィスを訪れる人、これはクライアントの方や取引相手の方、取材をしに訪れた筆者も含めて、名前が書かれていて、歓迎されていることが伝わってきます。
オフィスのロビーは区切られたものではなく、入った瞬間、オフィス全体が見渡せて、明るい雰囲気の心地よい空間であることがひと目でわかります。と、その瞬間、「お客様がお見えです」と言う声がかかり、オフィス中から「いらっしゃいませ」と声が響きます。
エレベーターを降りてロビーに入るまでの5秒間の出来事です。チームエルの新しいオフィスには、たった5秒で、これだけの顧客体験が備わっていたのです。気恥ずかしさを通り越して、素直に嬉しい!と感じる体験には驚かれました。
堀越は、コロナの真っ只中でオフィスを広いスペースに移転する決断をしました。集まっても密にならないだけの十分な広さを確保することと同時に、こんな狙いを話しました。
オフィスのリニューアルは、デザインや機能面に目が行きがちですが、リアルなコミュニケーションの場として社員との共有をより強く作り出すことを目指すと、違った役割が見えてきます。
チームエルの場合は、会社が何を目指しているのか、どんな顧客体験でお客様を喜ばせようとしているのか、と言うことを、日々、誰かが訪れるたびに確認し合う「目的性」が備わったのではないか、と感じました。
確かに雑談が生まれ、それが広がり、問題解決の場に
打ち合わせスペースはガラス張りで、オフィス内の明るい雰囲気を感じながら会話をする事ができます。筆者は話を会議室で聞きながら、ふと視界に入るデスクの様子、大きな植生に囲まれたテーブル、そしてバーカウンターを眺めていました。
すると、バーカウンターでコーヒーを飲んでいた社員に、若手社員が話しかけて、会話が始まりました。その会話が5分経っても、10分経っても終わらないので、これは雑談というよりは、もはや相談に突入しているのではないか、と察しました。
会議室にいる堀越に聞いてみると、その二人は担当セクションが異なる人同士だといいます。つまり、自分の直接の上司ではない人に、若手の社員が相談を持ちかけているのです。そうした担当外の社員同士のコミュニケーションが、オープンな会話ができるオフィスで実際に生まれている様子を目の当たりにする事ができました。
ちょっとしたコーヒーブレイクをとっていた社員も、じっくり時間を使って相談に乗り、知恵を貸している様子も印象的です。たまたま時間が空いていたのかもしれませんが、時間に追われていては、そうした相談を受ける余裕はなかったでしょう。自分の仕事を効率的に生産性高くこなしていなければ、急な相談に対応できないのです。
さらに、驚きの光景は広がりを見せます。最初2人だった会話が、いつの間にか、3人になり、そして4人になっていったのです。
最初に相談を受けた社員と同じように飲み物を取りに来た他の社員が会話に加わり、今度はその社員が、別の社員を呼んできて、雑談を交わしているかに見えた2人の会話が、4人による問題解決の場に発展していきました。
堀越が「お客様に喜んでいただくことに全力を尽くす」ために考えたオフィスで、まさに社員がセクションや年齢の垣根を超えて、しかも自然発生的に問題解決の輪が出来上がっていました。
(続く)
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