【陣痛は、命を生み出すエネルギーそのもの】
二度の出産の経験を通して感じたこと、これから出産を迎える未来のお母さんたちに、応援の気持ちをこめて、お伝えしたいと思うことを綴ります。
前回は、「どこに意識を向けるか?」で、お産の経験が違ってくることをお伝えしました。(『不安で痛いお産から、力の湧くパワフルなお産へ』)
今回は「痛みの捉えかた」についてシェアさせてください。
いよいよ出産のタイミングが迫ってくる。
陣痛が、最初は小さな痛みで10分おきくらいだったのが、徐々に間隔も狭くなり、痛みも大きくなる。
特に初めてのお産だと、そもそも陣痛ってどれだけ痛いんだろう?と怖くなるし、分娩時は、この痛みはさらにどこまで大きくなるんだろう?本当に耐えられるのかな?と不安になると思います。
私もそうでした。
私たちは、生きている中で、心も体も含めて、いろんな場面で「痛み」を感じます。
体で感じる痛みは心に影響を与え、また、心で感じる痛みは体に影響を与えます。
そして、「痛みをどう捉えるか」によって、感じる痛みの感覚そのものも変わってきます。
陣痛による痛みを、「怖いもの、自分ではどうしようもないもの」と思うと、さらに痛く感じて、不安になって、体がこわばります。
そうすると、呼吸が落ち着いてできず、お母さんがあかちゃんに酸素を十分に送ることができないので、お母さんにとってもあかちゃんとっても、お産のプロセスはさらに大変になります。
私が二度のお産を通して実感し、また、ぜひおすすめしたいのは、
「陣痛の痛みは、命を生みだすエネルギーそのもの」
と捉えることです。
お腹の中のあかちゃんは、子宮が何度も収縮を繰り返すことで、お母さんのお腹の中から外に向かって、産道を通って押し出されていきます。
あかちゃんは、その押し出される力を全身で受け取り、頭蓋骨の形を変え、体を丸めて旋回しながら産道の出口に向かっていきます。
もし陣痛がなかったら、あかちゃんの力だけでは、産道を通ってお母さんに会いにゆくことはできません。
女性のからだは、陣痛というメカニズムによって、今まさに世界に飛び出そうとしている小さないのちの誕生を後押しするのです。
陣痛の痛みは、命を生み出すためのエネルギーそのもの。
痛みへの恐れではなく、そのエネルギーとつながったとき、本当に、体の底のほうから、ぐぐぐーーと力が湧いてくるのを感じました。
それは、自分でも驚くほどの力強さでした。
そして、そのエネルギーがあかちゃんに届いている。
私のエネルギーを受けとって、あかちゃんが、全身全霊で今、世界に生まれ出ようとしている。
それは、息子と私の、親子としての初めてのいのちの共同作業でした。
これから【TEAM家族】になってゆくお母さんとあかちゃんの物語のはじまりが、尊くすばらしいものでありますように。