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ツールありきの「たまたま採用」から脱却する5つの観点

こんにちは。
TEAM FORWARDの竹田です。

多くの企業にとって採用結果が「たまたま」の域を出ないのには、
明確に2つの理由があると考えています。

【たまたま採用の理由①】


採用に失敗する理由=ボトルネック要素」
が多すぎる

ことです。
ざっと思いつくものを箇条書きしてみるだけでも、
採用成功の為にやるべきことはこれだけありました。

採用プロセス別 やるべきこと

厳密にはもっといろいろありそうな気もしますが、
少なくとも、本来的にはこれらが成立して初めて採用成功となります。
しかし、実際にはここまで細かく考えて採用活動をしている方はほとんどいないのが実態だと思います。
すると、膨大な転職希望者の中で、たまたま全てのプロセスを通過した人が採用になるので、結果は良かったけど、採用出来た理由は良く分からない、という再現性の無い採用活動になります。
逆も然りで、「年々採用が出来なくなっている」という結果は分かっていても、その理由は分からないというケースが非常に多いです。そして、その理由の多くを「採用手法が合わなかった」で片づけてしまうと、“たまたま採用出来た人”と出会えるまで時間と費用を使い続けることになります。しかし、上記のとおり、採用手法の選定は全体のごく一部。本当の原因はプロセス全体を見ないと分かりません。
例えば、私がこれまで担当させて頂いた企業では、
・部門の欲しい人材がコロコロ変わる(採用基準の問題)
・応募があっても1週間近く返信をしていない(リソースと責任範囲の問題)
・面接官が一方的に持論を語り続ける面接(応募者把握/動機づけの問題)
・面接後は内定通知書を送付して返事を待つだけ(期待と口説きの問題)
など、プロセスを細かく見れば見るほど、様々な問題があり、これらが同時に複数存在していることのほうが多いです。
「採用できない理由理由=ボトルネック」が多すぎて、何を改善すべきなのかを特定するのが非常に難しい。だから、"とりあえず新しい手法を試してみる"を繰り返すことになりがちなのです。

【たまたま採用の理由②】


母集団形成までと、それ以降では採用担当に求められる能力が大きく異なる
上の一覧表をご覧頂くと、
応募獲得までに必要なのは、設計・分析など論理的思考力が中心です。採用マーケターという職種の方達が活躍されているのも、マーケティングのスキルと相性が良いからでしょう。
しかし、母集団形成から先は、応募者の価値観把握や、能力の判断、動機づけなど、求められる能力には圧倒的にコミュニケーション要素が増えてきます。この投稿では便宜的に母集団形成という言葉を使用していますが、私は普段、このワードをあまり使いません。1to1のコミュニケーションを軽視するニュアンスを感じるからです。
論理的思考力とコミュニケーション力、特性の異なる両者を兼ね備えるのは簡単ではありません。どちらか一方に弱点が発生しがちです。

【中小企業もここまでやる必要があるのか】

毎年何十人も採用するような大企業でもあるまいし、うちみたいな中小企業がそこまでやらなくても…
こんなお声を頂くこともありますが、私は中小企業だからこそ必要だと考えています。多くの中小企業は一般の人に知られておらず、何もしなければ「数ある企業の中で敢えてその企業を選ぶ理由」が無いのが実態です。企業優位の時代には、求人を出せば採用は出来ました。選ぶ理由はなくても、多くの企業に行き渡る需給バランスになっていたのです。しかし、今や大企業が必死になって高校周りをし、スカウトメールを送り、積極的に面接して優秀人材を見出そうとしている時代です。「たまたま採用」に期待出来る時代は終わり、中小企業こそ採用戦略が必要な段階が既に来ていると感じます。
戦略というと難しく聞こえてしまいますが、出来ていないことを一つ一つ丁寧に点検し、改善する、というシンプルなことです。そして、完璧を目指す必要はありません。というよりも、採用成功に影響する因子が多いので、一発で完璧は難しいのです。70点くらいでスタートし、定期的に結果の検証をし、また70点くらいで次の課題に取り組むつもりで、長い目で見てじっくり取り組むのが改善のコツです。

【採用担当に誰をアサインするべきなのか】

いよいよ採用改善に向けて動き出すと、ぶつかりやすい壁が「採用担当者不足」です。これまでスポット的に出来る人がやってきたものの、きちんとやるべきことをやろうとすると人材が足りないのです。ここで陥りがちなのが、「人数」だけに意識が行ってしまうことです。人数だけでなく、「何が出来る人に、どんな仕事をしてもらうのか」も重要な観点です。
採用活動に必要な能力を一般的な職種に当てはめると、事務・営業・企画の3つの要素が含まれています。

年々「採用できる体制」になっていくのは、企画に強い方が担当をされていますし、転職フェアで何人もの転職希望者に魅力づけするのはやはり営業職出身の方が多かったりします。事務要素は、当たり前のように見えますが、実は応募者対応の抜け漏れや雑な対応が志望度を下げているということは良くあります。多忙な中でも確実な仕事が出来ることは重要なスキルです。

理屈は分かるけれど、そんな余裕はない・・・

これが実際のところだと思います。少しずつでも社内に体制を作れれば良いですが、難しい場合は外部人材の活用も一つの手段です。
昨今、副業人材やパラレルワーカーの増加により、社外人材としてお手伝いしてくれる採用のプロフェッショナルも増えています。
採用活動を全て依頼すると費用は高額になってしまいますが、自社の苦手なところだけを任せるようにすれば、費用対効果も十分期待出来ます。外部人材は都心部に集中している為、オンラインで対応可能な領域であれば活用の範囲は広がるでしょう。
それから、普段お付き合いのある人材会社(転職エージェントや求人広告会社など)の中で信頼できる方を見つけ、困ったら相談できる関係を作っておくこともお勧めです。流れが速い世界なので、最新、かつ、その地域の情報を大量に持っている方に壁打ち相手をしてもらうのは、改善に近づく良い方法ではないでしょうか。


最近よく思うのが、「採用の仕組みづくりは川の流れを作るのと同じ」だということです。上流に小さな石があればそこで流れは止まってしまいますし、その石を取り除いても、下流で思わぬ方向に流れていってしまうこともあります。上流から下流まで一緒に歩いて見て、きちんと流れていく仕組みづくりが肝要であると感じます。
弊社では、企業ごとにしっかりお話を伺い、
上記のようなことを一般論ではなく、1社1社にフィットする形を一緒に創り上げさせて頂きます。もしご興味があれば、お気軽にご連絡ください。

本日もお読み頂き、ありがとうございました。