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リレー小説 No.8 『溺れて死んだら魚になろう』

Team:Clutch のk子です。
この度リレー小説 No.8 の記事担当となりました。
小説の紹介と所感を書いていこうと思います。

▼これまでのリレー小説はこちら

テーマ「溺れて死んだら魚になろう」
執筆時期: 2020/09/24~2020/12/13

タイトル『かくして、その人は魚になった』

今日はホースか…。最近は水に関連するものが多いかな。男はそれをみて、そう思った。
将来を誓った相手は、日によって形を変えてしまう者だった。男の日課はまず探すこと、難しくない、見れば何となくわかるし、触れば、仄かに温かくなるから。
ある時、相手が病気になった。医者は、患者がカバンなので匙を投げてしまった。
むしろ自身が気をおかしくしてしまったのだと医者は判断したに違いない。
滔々と真面目くさって、手元のカバンを治療してくれと、診察してくれと。どうかしている。
そんなこともあり、男は恥ずかしくなって彼女に「治したくはないのか」と聞いたことがある。
結局満足な返事はなく、その時の彼女は「なりたいものがあるから」と言って口を噤むだけだった。
数日経っても彼女の返事は相変わらずだった。
変わったことと言えば彼女の枕元に大きめの花瓶に花が置かれるようになったことだろうか。
誰の手によって花が飾られているのか男は全く把握していない。気が付いたら置かれていた。
日によっては花が花瓶に生けられてることはなく代わりに水がいっぱいに溜めこまれている日もあった。
そうして、時が幾日かの今日を繰り返して、男は初めて日課を放棄した。
代わりに、海へと繰り出して、ただただ時が後ろへと流れるに身を任せた。
男にもなりたいものがある、なりたかったものもある。
未来を見据えた時、けれど今、男の傍らに形あるものは残っていなかった。了


■所感

この小説のテーマをだしたのが私だったりするのですが、
みんな難産だったなあ...という記憶がぼんやりとありますw
私自身、毎回特にこれ!といったテーマは思いついておらず、、
適当にぽっとでで出たテーマでやるもの楽しいかもな~とテーマを決めているというのもあります。
思い付きからどんなふうに物語が進んでいくのかが毎回楽しみだったり...
ちなみにこのテーマをだしたときは、ちょうど天野月さんの「聲」という曲を聞いていてそこから思いついたテーマでした。

物語の冒頭から水を連想させるようになっていて、タイトルにうまくあわせていってくれたな...と思います。
話だけ読むと少し意味がわからなくも、タイトルとテーマと内容を全て合わせて、ああ...そういうことか...となんとなく繋がっていることは伝わるのかな...と思いました。

個人的反省点としては、次回のテーマ担当になったときは
文章のようなテーマをだすのは控えよう!ってことですかね。
(挑戦的に攻めたいときなどはまただすかもしれないですが...w)

それでも、普段とは違ったテーマの出し方から作品ができあがったのは良かったかなと思います!

以上です!
ご覧いただきありがとうございます!次回もお楽しみに!

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