小説「10count」第1章「ボクシングかぁ」

第1章:ボクシングかぁ

何かもめたのか、何故こうなっているのか夕暮れの線路したで1人で5人を相手に大立ち回りをしている影がある。


「俺と喧嘩したかったんだろ。しっかり相手してくれよ。」


「なんでこいつ1人でこの人数相手にできんだよ」


「口だけなら誰でも言えんだよ。しっかり言葉に責任もってかかってこいよ。人数いてもこんなもんか?」


「俺らが悪かったよ、もぅ勘弁してくれ」


5人は謝りその場から一目散に逃げていった。


「つまんね、謝るんなら最初から言うなよ」


何やら喧嘩をうられたからかったのか少年はボソッと呟き家へとむかった。その翌日


「また、アイツ喧嘩してたらしいよ。」


「短気すぎるよね。少し言われた位ほっとけばいいのにね。」


ボソボソと周りから昨日の喧嘩の事を噂されて変な注目を浴びている。


「なんで喧嘩うってきたから、相手しただけで俺が悪者みたくなんだよ」


そう少年が思った時に後ろから声をかけられた。


「大地(大地歩)また喧嘩したのか。お前なぁ自分からふっかけた訳じゃないかもしれないけど、喧嘩をしたら結局同じなんだって何回言ったらわかるのよ」


後ろから歩いてきたスラリとしているが、少し気の強そうな女性がいた。

「なんだ橋(橋先生)さんかぁ、うるせぇな、じゃぁどうすればいいんだよ。」


女性は大地のクラスの担任の橋だった。


「そんなの知らないわよ。とりあえずうちの学校にはボクシング部があるからそこでその有り余る力を発散させるなり頭を使いなさい。使う程ないかも知れないけど」


橋は大地に部活でその力を使ったらどうなのかという提案をして先にクラスに向かった。

「ボクシングかぁ、格闘技…別に嫌いでも無いけど喧嘩と何が違うんだよ」


大地は橋に言われたからか、その後ボクシング部の練習場へ向かっていた。


「どーもすんませーん、えらい人居ますかぁ」


大地はダルそうにボクシングの部のドアを開けると

「なんだ、お前ヤンキーがなんのようだ」


汗をTシャツいっぱいにかいている生徒に急になんのようだと言わんばかりに声をかけられる


「別にようなんか無いけどとりあえず見に来ただけ。てか汗くさいなぁここ」


大地がそういうとボクシング部の生徒は怒りをむき出しに言い返した。


「テメェボクシング部バカにしに来たのか。」


「いや、別にどうでも良いよそんな事。今度なんか試合ないの?」


ボクシング部の生徒の怒りを全く気にもせず、自分の用件だけを伝えている。


「なんで部外者にそんな事話さないといけないんだ」


「格闘技やってる奴は強いんだろ?ここはそうでもなさそうだけど。だから手っ取り早く試合したらわかるかと思って」


大地は聞かれた事に淡々と言葉を返している。


「格闘技なめてんのか!お前みたいなのがいるから格闘家がバカにされるんだ!」


ボクシング部の生徒が怒りをむき出しにしていると後ろから、落ちついた別の声が現れる。


「そんなにやってみたいならやらせてやれば良いじゃないか」


「加山先生!」


男はボクシング部の顧問の加山という男性だった。


「良いぞ来週の土曜日にちょうど他校との一年生同士の練習試合があるからだしてやる。」


加山は来週のボクシング部の試合の話しを大地に伝えた。


「いいんですか!」


ボクシング部の生徒は鳩が豆鉄砲を食らったかのように驚いて加山に言葉を言い返した。


「ちょうど1人少なかったし良いんじゃないか。こういう奴はまずしっかり身体で教えこまないと納得しないだろうしな。」


「俺は嫌です」


「わかってるよ。俺もホントは嫌だもん」


「じゃぁなんで?」


「ボクシングを喧嘩と同じだと勘違いした奴に付きまとわれたくないからなぁ」


「わかりました。」


ボクシング部の生徒と加山がそぅ、話し終えると大地も話しが終わったようだと思い、言葉を残してその場を去ろうとする。


「あのー話し終わりましたかぁ?なら来週の土曜日また来ますね。」


背中を見せて帰ろうとする大地にボクシング部の生徒が声をかけた。

「練習はしないのか!」


「なんで?俺より弱い人達に習わないといけないんですか?」


大地はその声がけに反応すると、ボクシング部生徒はまた、気を荒げて言葉を言い返し練習に戻って行った。

「勝手にしろ!」


加山は落ち着いてはいるが、他人事のように大地に声をかけた。


「ハイハイわかったわかった。来週なぁ楽しみに待ってるぞぉ」


「先生はものわかり良くて助かります。では。」


大地はそう言ってボクシング部を後にした。


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