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"真空管ソーラーは冬でも使える?" は、本当か?
太陽熱ソーラーの専門店、Team朝日エコです。
良く間違えられますが、「電気を作る」太陽光発電パネルではありません。「お湯」を作る「太陽熱利用給湯システム」の専門業者です。
今回の記事は、
「真空管タイプの太陽熱ソーラーは、給湯器無しで冬に使えるか?」 です。
沸かない時のフォローはどうするか?
結論だけ言うと、"給湯器は必要です"
【給湯器は、必要】です。
「質問があります。」と、立て続けに、2件の問合せを頂いたお客様からの「声」が、キッカケでした。
給湯システム."太陽熱ソーラー"の種類?
太陽熱ソーラーは、以下の大きく三つのカテゴリーがあります。
【1】最も一般的で、スタンダードなのは、●自然循環の太陽熱ソーラーです。
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【2】冬でも凍結しない不凍液を熱媒体として「熱変換」で、沸かすタイプの
●強制循環タイプ太陽熱ソーラーは、パネルのみ屋根に設置し、貯湯タンクは、地面に置きます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128078031/picture_pc_af74938b1826bb8b111282b1421c889b.png?width=1200)
太陽熱ソーラーは凍結はしません。
【3】保温効果が高いのは、
●真空管タイプの太陽熱ソーラーです。
●熱媒体として不凍液で熱変換して沸かすタイプもあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128078175/picture_pc_068e2e38282a87d7af759b0f5fe5484a.png)
イラストイメージ、不凍液タイプも
この度の記事では、それぞれの細かい説明は割愛しますが、これらが "太陽熱ソーラー" の大まかなカテゴリー分けです。
当社は、それぞれのアイテムの取り扱いをしています。
太陽熱ソーラー専門店です。
真空管タイプの太陽熱ソーラーとは?
良く沸くと言われる「真空管の太陽熱ソーラー」は、「冬場でも使えると言われたので施工した。」と、昨年末に設置、今まさに使用中のお客様からお電話で質問を頂きました。
「冬場に使えると思って設置したのに、全然ダメだ。」と、、
真空管タイプの太陽熱ソーラーだと冬場も使えるのでしょうか?
結論から言います。
風呂場で使う温度までの上昇は可能か?と言えば、現実は、とても厳しいという事です。
もちろん、使える時もあります。
真空管ソーラーは、魔法瓶の原理で、保温効果高く、一般的にはよく沸く機種と言われています。
「高い保温効果!冬でも使える?」は本当か?
特に、太陽の力が弱くなる冬場の昇温と保温効果を強みとしてアピールされています。
日照が良い日が数日続けばですが、冬場はそうとも限りません。
なので、「真空管タイプの太陽熱ソーラー」であっても、現実、冬場は期待通りの沸きには至らない日は多くあります。
沸かない時、風呂へは無理!
先日、
岡山県久米南町の方、
広島県の湯来町の方から、
たて続けに、同じ様な相談がありました。
「真空管の太陽熱ソーラーは、冬場でも沸くので、温度の不足分を補う、ボイラーなどの "給湯設備" は要らない。」
との知人からのアドバイスを受け、太陽熱ソーラーを各所(風呂、洗面所、台所など)へ直接配管を敷設されたそうです。
給湯設備は設置せずです。
ところが、「良く沸く」とアドバイスを受けた「真空管太陽熱ソーラー」ですが、今の時期(冬場)は、さっぱりダメだとの事。
不足の温度を補う "給湯設備" を設置していないので、
娘さんから、「お風呂に入れない!」と怒られたと、ブーイング!の嵐!
業者の方からの、そこまでの説明は無かったそうです。
まさか、入浴出来ないなんて、悲しすぎます。
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業者さんは、説明する時に、日常生活に支障をきたす、冬場の入浴が難しいとのアドバイスは、何故しなかったのでしょうか?
施工業者さんは、どうお考えだったのでしょうか?
沸かない!やっぱり給湯設備は必要?
それで、「太陽熱ソーラーを生かせる接続可能なソーラー対応給湯設備」についての相談を受けたという事です。
多くの湯が必要となる「冬」こそ"沸き"が必要!
多くの湯量を必要としない「夏」には、ムチャクチャ沸いて、大量の湯を余らし、
身体が冷える「冬」こそ、たくさんの湯が欲しいのに沸きが少ない??
当たり前ですが、お湯廻りは年間通じて快適温度で、安定して使えるのがスタンダードですよね。
真空管の太陽熱ソーラーを "水" から沸かす場合は、一般的な太陽熱ソーラーと遜色無い沸き具合です。
また、一般的な太陽熱ソーラーも、今は昔より保温効果はアップしていますし、真空管ソーラーは、それよりも更に高いです。
残った湯温度からスタート
ところが、前日の湯が残っている場合の真空管ソーラーは、保温効果が一般的な太陽熱ソーラーより高いので、その残り湯の温度をスタートとして再び太陽で沸かします。
なので、冷たい水から沸かすよりも、更に熱くなります。
太陽熱ソーラーの使用頻度が低い場合は、多くの残った前日の湯を再び沸かすので、沸騰する温度(100℃前後まで沸くことも?)に達する事もある様です。(※夏場)
沸き過ぎリスクとは?
沸くこと自体は、歓迎される事と思いきや、100℃近くに沸くのは、実は "リスク" です。
ソーラー設備を故障させてしまう事があるからです。
前日に沸いた多くの湯を残してしまう、使用頻度が低い場合は、あまりお勧めはしていません。
広島県湯来町の方は、セカンドハウスとして生活されるそうです。
生活するのは、週二回なので、夏場の故障リスクは高いと言えます。
沸き過ぎ問題とは?
100℃近くにまでの温度上昇の場合は、太陽熱ソーラーが沸く時に発生する膨張水を逃す "安全弁" の故障リスクが高まります。
毎日使う事が可能ならば?ですが、週二回ほどと、使用量が少なく、多くの湯を残す場合、
故障リスクは高いと言う事です。
給湯器へ接続する場合?
太陽熱ソーラーの湯の沸きが不足する時のフォローとして、最近は、給湯器への接続を望まれるお客様はとても多くなりつつあります。
例えば、熱く沸いた湯を "ガス給湯器" へ入れるのは、故障リスクがあるので、そのまま入れる事は出来ません。部材やユニット接続などの対策が必要です。
また、90℃越えの湯を、ボイラーに通すと "エラー発生リスク" が拭いきれないので、夏はリモコンの電源を、"OFF" にして使ってもらっているケースはあります。
水で温度を下げるミキシング弁?
その様な、面倒臭さを避けるためには、沸いたお湯を水で薄めて、温度を下げるために、"ミキシング弁" や "ソーラー接続ユニット" を取り付けて給湯設備に接続する方法もあります。
せっかく沸いたのに湯温を下げて給湯器へ接続
温度を下げれば、"ガス給湯器" や "灯油ボイラー" への接続が可能になります。
なので、
給湯器へ接続する場合、"ミキシング弁" や "ソーラー設置ユニット" 等を取付ける施工が推奨されてます。
しかし、お客様からは、せっかく太陽で沸いた湯を、わざわざ水で薄めるなんて、、?
それを再び沸かすなんて、、?
太陽エネルギーとしての意味が無いし、
エネルギーを捨てる様なもので、もったいないとのご意見も頂きます。
その通りだと思います。
せっかく沸いた「お湯」なので、それを有効に使って節約したいですよね。
水で薄めて湯温を下げて、度再び燃料を使って沸かすなんてナンセンスだとのご意見も、もっともかも知れません。
どちらを選ぶべきか?
夏場は、真空管太陽熱ソーラーの沸き具合と比較して、一般的な太陽熱ソーラーも負けてはいません。かなり多くの水で薄めて温度調整して利用するので、どちらも、夏場は問題無くたっぷり湯が使えます。
むしろ、余らす事の方が多いかも知れません。
しかし、給湯器へ接続して使う事を想定した場合は、沸き過ぎる真空管の太陽熱ソーラーは、対策をしないとリスクが高いと言う事です。
水を太陽てお湯にする場合は、一般的な自然循環の太陽熱ソーラーと真空管ソーラーの冬場の沸き具合、いわゆる温度差は、僅か10℃ほどです。どちらも、不足の温度を補う給湯設備が必要なのは間違いありません。
故障リスクや、せっかく沸いた湯を水で薄めない事を念頭に考える場合、どちらを選ぶべきか?との問いに対しては、
直接シャワーカランで使う場合や、風呂のみに落として使う事がメインの場合は、真空管タイプの太陽熱ソーラー。
真空管タイプの太陽熱ソーラーを給湯器せ接続する場合は、沸きすぎる湯を給湯器へ入れるリスク対策な費用がプラスで必要なので、そのコストを考えると、トータルでの費用は高く上がります。
なので、給湯器に接続して使う場合は、一般的な自然循環タイプの太陽熱ソーラーか、強制循環型のソーラーの様な気がしています。
皆さんは、どうお考えでしょうか?
※追伸
●真空管タイプでも、
●強制循環タイプでも、
●一般的な自然循環タイプでも、
接続可能な給湯器はあります。
※地下水利用の場合は難しい場合があります。要相談です。
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