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自分の字を取り戻したい

2、3年前、突然利き手親指の第一関節が痛くなり、本来の握り方で鉛筆を持てなくなった時期があった。

その頃は毎日何時間も絵を描いていたので、手指の酷使が原因っぽかった。
それならしばらく描くのをやめればよかったのだけど、ご依頼を受けて描いていた絵があったのでやめるわけにはいかず、いつもとは違う握り方で凌いでいた。当然、文字を書くときも同じように。

手持ちの塗り薬を塗っているうち、たしか1ヶ月弱ほどで治ったように思うのだけど、それ以降、自分本来の鉛筆の持ち方が分からなくなってしまって今に至っている。

絵を描く際には多少違う握り方で鉛筆を持ってもあまり影響はなかったけど、字はそういう訳にはいかず、以前と同じ鉛筆の持ち方を見失ったことで以前と同じ字が書けなくなってしまった。
なので、鉛筆の持ち方も字も、どちらもものすごい迷子中。

巷では美文字ブーム?的なものが起きているらしく、昔以上に美文字レッスンを謳う書籍をたくさん見かける。
でも、私は気取った美文字になりたいわけではなく、自分の文字を取り戻したいだけなので、これらのお手本では残念ながら役に立たない(気がしている)。

昔は字を褒められることが多く、「お習字習ってたの?」とよく訊かれたけど、学校の授業以外ではやったことはなくて。
たぶん、字を書くこと自体が好きだったので、それで自然と読みやすく整った字をかけるようになったんだと自己分析。

ちょっと丸っこくて、でもさっぱりとしていて読みやすかった自分の字、結構気に入っていたんだよなぁ。
走り書きでもちゃんと“私の字然”とした雰囲気があって、電話中に取ったメモをそのまま人に渡しても特別恥ずかしくはなかった。

でも今は、あとから見返したときに「え?ウソでしょ?」ってくらい酷い字で、自分が書いたことを認めたくないくらい嫌い。

どうしたら昔(と言ってもほんの数年前)の自分の字を取り戻せるのか…。

とりあえず、ひたすら書いて慣れる(思い出す)しかないのかなと、地道に練習することにした。

今のところ、ボールペンより鉛筆で書く方が昔の字っぽく書けるみたいなので、しばらくは鉛筆中心でやろうかな。



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