海外のホテル事情。無いもの尽くし。
ワクワクしながらホテルにチェックイン。
お部屋に入ってみて…
海外のホテルと日本のホテルの違いを添乗員目線からチェック
日本のビジネスホテルにあるのに、海外のホテルには無いもの
私たちが国内旅行でホテルに泊まり、当然のように「ある」と思っているのに海外のホテルでは「無い」ものってたくさんあるのです!
バスタブ(お風呂)
日本のホテルではお風呂があるのが普通。
しかし海外では風呂桶に浸かるという文化が無い国も多いのです。
つまりシャワーしか無いお部屋が普通だったりします。熱いお湯(お風呂&シャワー)
驚かれるかもしれませんが、ホテルのお風呂やシャワーに入ろうとしたのに熱いお湯が出ない、出てもなんだかチョロチョロとしか出ない…
これも海外ホテルでよくあることです。
日本の給湯とシステムが異なることが原因です。
大体は、ボイラーで沸かしたタンクのお湯がそれぞれの部屋へ給湯されるため、同じ時間帯に多くのお客様がお湯を使われるとタンクが空になり、ボイラーが追いつかず、どんどんと冷たい水しか出なくなるのです。
日本人の感覚ではしばらくお湯を出しておけば、徐々に熱くなるだろうと考えがちですが、海外では出せば出すほど冷たくなっていきますのでお気をつけください。
お湯が出ないと感じたら、2〜3時間おいてボイラーのお湯が十分にタンクに溜まるのを待ちましょう。スリッパ
スリッパというのは、実は日本特有のカルチャーです。
海外では家の中でも靴を履いたまま生活をしています。
日本では玄関で靴を脱いで家の中に入るのが普通ですが、海外ではそうで無いのです。
逆にイタリアなどでは、人前で靴を脱ぐというのは失礼だと感じることも多く(足は臭いものという概念)乗り物などに乗って靴を脱ぎたがる日本人を見て驚かれることもあります。
当然ですがスリッパは海外の一般的なホテルでは用意されていないものです。
リゾート地やスパ併設のホテルなど一部のホテルでは準備されているところも最近は増えましたが、まだまだ一般的ではないと考えてください。
しかし日本人にしてみたら、ホテルのお部屋に入ってまで靴を履いたままじゃリラックスできないですよね。
トラベルスリッパ、携帯スリッパというものが売られておりますので(百均のトラベルコーナーでも見つかると思います)準備されることをお勧めします。パジャマ、浴衣
浴衣は海外には無い、とわかっている方が多いとは思いますが、この令和の時代においても、たまにお客様より「浴衣セットが部屋にない」とお叱りを受けることもあります。
日本の旅館では選べる浴衣のサービスがあったり、お手頃なビジネスホテルでもルームウエアやパジャマのサービスがあるのが当然だったりしますが、海外ではこのようなサービスがあるのは一部の高級リゾートホテルやスパ併設のホテルくらいです。
荷物が多くなって困るとおっしゃる方は、パジャマとルームウエアを兼用できるようなTシャツにショートパンツやレギンスといったものを準備されると良いかもしれません。アメニティ
バスルームにあるアメニティ。シャンプーやコンディショナー、ボディソープや髭剃り、シャワーキャップなど…
日本のホテルではすべてがほぼ揃っておりますが、さて海外では?
良いところで小さな固形石鹸かハンドソープ。以上。
ということも多いです。
ですので、ハンドソープ以外の洗面具は全て持参が鉄則です。
歯ブラシ、歯磨きチューブもコップも無い、というのも普通です。
女性の方はメイク落としやヘアブラシなども忘れず準備してください。湯沸かしポット
日本のホテルに当然のようにあるサービスのお茶と湯沸かしポット。
これも海外ではほとんどお部屋にありません。
海外で緑茶を飲みたい、カップ麺を食べたいと言った時に本当に困ります。
ホテル内にレストランやバーがあるならば、そこでお湯をもらう(買う)ことも可能です。
北米やリゾートホテルでは一部置いてあるホテルもありますが、これも基本的には日本特有のカルチャーなので無いと考えておきましょう。ドライヤー
最近は滅多にドライヤーの無いホテルに遭遇することは無くなってきていますが、やはりヨーロッパの小さなホテルなどではドライヤーはフロントで貸し出しだったりもします。
大体は壁に掃除機のような形のドライヤーが設置されていることが多いのですが、私たちがイメージする大風量のドライヤーとは異なり、微風というか…ハンドタオル
日本のホテルに泊まって驚くことの一つは、シングルルームなのにタオルが何枚もサイズ違いで置いてあること。
ヨーロッパのホテルは基本的にバスタオル1枚だけポンと置いてあるだけ。
フェイスタオルどころかハンドタオルなんてほぼありません。
高級ホテルならば揃っているのでしょうが、ツアーが使う3つ星ホテルではほぼ無いので、バスタオル以外のタオルは持参するのが無難です。
私はヘアドライ用のタオルとフェイスタオル(最近は百均で売っている使い捨てのフェイシャルペーパータオル)は必ず持って行ってます。ティッシュ
意外なことに、お部屋になくて驚くのがティッシュペーパー!
そういえば、ヨーロッパの人たちって外で鼻をかむ時でさえティッシュなど使わずハンカチを使うのです。
無いと本当に困ってしまうティッシュペーパーは、余分にポケットティッシュなどを準備しておくことでやり過ごせます。
それでも困った時はトイレットペーパーを代用するしかないかな…ウォシュレット&あったかい便座
海外旅行に出て、まず最初に感じるのが日本のおトイレの素晴らしさ。
特に冬場の冷えた便座は厳しいものです。
ウォシュレットも日本では公衆トイレでも付いていて当然ですが、海外ではまず見かけません。
最近になって新型の飛行機の便座にウォシュレットが装備されていて、あまりに驚いて声を上げてしまいました。
イタリアのホテルなどは、ウォシュレットの代わりにビデという便器の兄弟のようなものが並んでいます。
どうしてもお尻を洗わないとスッキリしないという方はビデを使ってみるのも良いかもしれませんね。目覚まし時計
最近はほとんどのツーリストがスマートホンを持参されているからか、ホテルの部屋から目覚まし時計が消えています。
たまに見かけますが、電池が切れていたり電源がつかなかったりのほぼオブジェ状態。
スマートホンのバッテリー切れが怖い方は、百均などで目覚まし時計を持参されることをお勧めします。室内電話
目覚まし時計と同じく、スマートホンユーザーが増えている現在、室内電話もオブジェとなっているホテルが多くなっています。
モーニングコールをお願いしても鳴らないこともあるので当てになりません。
部屋から部屋へ電話をしても繋がらなかったり、鳴らなかったり。
何か困ったときは直接フロントへ行ったり、ホテルスタッフをつかまえて相談するのがベターです。(タオル交換などは電話でお願いしてもなかなか持ってきてくれなかったりもしますので、私は直接フロントへ行って交換をお願いしちゃいます。そのほうが何倍も早いのが海外のホテル…)
チェーン系の大型ホテルだと、お部屋にホテルの専用 スマートホンが置かれていて、そこからフロントに電話をしたり、ルームサービスを頼めるようになっていたりと、これまた驚くこともあります。シーリングライト
海外のホテルの特徴の一つが「間接照明」です。
彼らの考えとしてはホテルは「旅の疲れを癒す、くつろぐ場所」という位置付け。
なのでオフィスで使うような天井からのシーリングライト(白色蛍光灯)でお部屋を明るく照らすことはしません。
薄暗い程度の間接照明が通常です。
少し古いホテルだと、この一つ一つの照明のスイッチを入れて点灯させないとならないので、ちょっと面倒な上、薄暗い…
よくお客様から「電灯がつきません!」と言われますが、もともと天井に電灯が無いというと驚かれる方がほとんどです。
荷物整理や足元の暗さが気になるような場合、小さめの懐中電灯などを持ってきていると良いと思います。
あとは、時差を調整するためにも、早めに眠って朝日と共に起きれば部屋の暗さも気にはならなくなるでしょう。(少し強引ですが…)
さて、日本のホテルにはあって、海外のホテルには無いもの。
参考になったでしょうか。
海外旅行は「知らぬ世界を体験」するものです。
日本にはあって当然のものでも、海外ではその「当然」が普通ではないということを経験してみてください。
時として、私たちの日本での「普通」の生活がいかに快適で便利なのか、気づくきっかけになることでしょう。
海外旅行に出なければ知ることのなかった、貴重な体験です。