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#小説
此方の勇者は前を見る。
さんざん流した涙のあとで。
シンと世界に佇んでいたのは、
世界に二人だけだった。
お互いのいる場所は、
城でも草原でも塔でもなく、
海が寄り離れる小さな小島の先。
呆れたと笑いながら、
眼を鋭くして対峙する互いは、
もはや宿屋で抱きしめ、
泣き撫であった二人ではなくて。
雰囲気をみて、
敵なのだと気付いたのは早かった。
ただ、心がどうにも錆び付いて。
誰か、わかってくれる人はいない
さんざん流した涙のあとで。
シンと世界に佇んでいたのは、
世界に二人だけだった。
お互いのいる場所は、
城でも草原でも塔でもなく、
海が寄り離れる小さな小島の先。
呆れたと笑いながら、
眼を鋭くして対峙する互いは、
もはや宿屋で抱きしめ、
泣き撫であった二人ではなくて。
雰囲気をみて、
敵なのだと気付いたのは早かった。
ただ、心がどうにも錆び付いて。
誰か、わかってくれる人はいない