1年目を終えつつある君たちへ
Xを見ていると、「もうすぐ1年が終わるのに、全然仕事できるようにならない。つらい」というような内容の今年度初任者のつぶやきをいくつか見つけました。
自分が若い時などは、「教員は10年やって一人前」みたいな風潮だったと思いますが、最近は現場がひっ迫しているせいで即戦力化へのプレッシャーがすごいのでしょうか?
1年目なんてそんなもんだよ、気にすんなよと言ってあげたいですが、思い詰めている若者には気休めにもならないかもしれないので、伝え方を考えてみます。
大学院での学びの中で、私が思いついた説。
「教育、学習周りのことは料理関連のことで例えると大体説得力が増す説」
これに基づいて、1年目の失敗や伸びの少なさなんて気にする必要ないよ、切り替えていこうよということを伝えていきたいと思います。
例えば、レストランで働き始めた厨房スタッフが、1年でプロの料理人として独り立ちできるでしょうか?
難しいだろうということは想像できますよね。
まだお客に出す料理を一人で作り上げることだって不安だと思います。
教員も同じです。
1年で立派な教員になんてなれません。教員にとっては授業内容や子供の学力の伸長などが、料理人にとっての料理に当たるでしょうか。
料理人と教員が違うのは、まだ実力が十分でなくっても、お客(子供)に料理(授業)を提供しなくてはならないということです。
料理の味(授業の質)を今すぐ良くすることはできません。腕を磨くことが大事です。自分で研究すること、数をこなして経験を積むことが必要です。だから、1年で自分の指導についての成長が感じられなくても、悲観せず、研究しましょう。数をこなしましょう。
しかし、お客(子供)は目の前にいて、自分の作った料理を食べ(授業を受け)ます。料理の味に自信がない料理人は、何で勝負するべきでしょうか?
せめて、栄養バランスをよくしよう(基礎基本を身に付けさせよう)、お客の好みに近い料理を提供しよう(子供の実態にあわせよう)とか考えるはずですよね。あるいは入店時の挨拶をしっかりしようとか、きれいな店内で迎えようとか。
料理の味(授業の質)には自信がなくても、そういった部分は4月より成長した点が自分で感じられませんか?
学校をたくさんの料理人を抱えたレストランと見ると、お客(子供)は退店までに、何人もの料理人の料理を味わうことになります。あなた一人の腕で店の評価は決まりません。まだ料理の腕には自信がなくても、あなたの行動で店の印象や雰囲気をよりよいものに変えられるかもしれません。
どうか悲観せず、自分ができるようになったことに目を向けてください。
10年で何とか一人前を目安にしてボチボチとやっていきましょう。
今年度初任者の皆さんへ。