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やったらいい、やらないよりはいい

今年の1月に、前海士町の山内道雄さんの訃報が届きました。島根県海士町に2年間出向していた頃にとてもお世話になった方で、noteでも紹介しているようにたくさんの言葉を遺してくれました。

人口減少・財政破綻という危機に直面した際に、自らの給与を大幅にカットすることで身を切る改革への覚悟を示すとともに、「自立・挑戦・交流」を町政の指針に掲げ、役場職員や議会、住民と一丸になって様々な改革を行い、隠岐牛や岩牡蠣などのブランド化や島前高校の魅力化に取り組み、人口の2割以上のIターンがやってくる離島として全国から注目されるようになりました。
私にとっては、公務員としての在り方を根底から変えてくれた恩人であり、心から尊敬できる人です。

そんな山内前町長のエピソードを一つ紹介します。

それは、当時の山内町長と私と役場職員の何人かで、フェリー乗り場にてお客さんを見送る場面でした。
遠くから来てくれたお客さんを船が見えなくなるまで手を振り見送った後に、役場の中堅職員が山内町長に一分もない短い時間で、新規事業の相談を始めます。
私にはその内容を聞き取るとこはできなかったのですが、山内町長の返答はハッキリと聞こえました。
一言「やったらいい、やらないよりはいい」とだけ言って職員の話を了承したのです。
何気ない風景ですが、私の中ではとても印象に残っています。
国から出向したものとして、海士町の強さの一端に触れた気がしました。「やったらいい、やならいよりはいい」という言葉には、失敗しても構わないので恐れずに挑戦するようにとの激励と、何度失敗しても成功するまでやり続ける、停滞を許さない叱咤の両方の想いが込められているように感じました。

この言葉は今も私の中に残り続けていて、仕事で何か新しいことを始めようとして判断に迷ったときは、この言葉に背中を押してもらっています。

山内道雄前町長にはこの他にもたくさんの言葉をもらったので、以下にご紹介します。

故人の御冥福を心からお祈りするとともに、頂いた言葉を心に刻んで、教育魅力化✕地域活性化に取り組んでいきたいと思います。

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