どうして学校の勉強を頑張らないといけないのか子どもを納得させる方法
親になって子育てについて考え始め、子どもに勉強をさせるべきだと思ってはみても、自分が勉強嫌いだったので、どうやって子どもに勉強の大切さを伝えたら良いかわからないという親御さんも多いと思います。
ここでは「どうして学校の勉強を頑張らないといけないのか子どもを納得させる方法」について書いていきたいと思います。
勉強を好きにさせられたら理想的
逆説的になってしまいますが、頑張らないといけないという義務として勉強と向き合うよりも、勉強する事が楽しいと感じて自ら前向きに勉強できる方が一番伸びると思います。
子どもが赤ちゃんの頃からであれば、一番自然に学ぶ事を好きに育てる事ができます。赤ちゃんは生後3ヵ月くらいから目が見えるようになり、そこから目にしたモノに興味を持ち始めます。赤ちゃんが目にしたモノに対して親がリアクションをしていきます。例えば赤ちゃんがボールに興味を示したら、親がボールを指さして「ボール」と言います。毎回それをやっていくと赤ちゃんはそれを「ボール」と認識します。これが学習です。
本来人間は知識を得ると喜びを感じるようにできています。勉強嫌いになってしまった人は成長の過程で、下記のような勉強を嫌いになる理由と出会ってしまって嫌いになっていきます。
・親に勉強を押し付けられ嫌になった
・好奇心を持って親に色々質問しても応えてもらえずに好奇心を持つ事を止めてしまった
・親にお前はバカなんだからと言われた
・一生懸命勉強したのに親に褒めてもらえなかった
・先取り学習をしている友達にバカにされた
という事は、親が勉強を押し付けずに、子どもの好奇心に応えてあげて、子どもをバカと呼ばず、子どもの頑張りを認めてあげて、先取り学習をしている友達にバカにされないようにしたら、勉強を嫌いになる確率は減りますよね。自分自身で勉強を嫌いになる理由を色々と考えてみて、それらを子どもに対してやらないというのは親が一番最初にできる事だと思います。忘れてしまいそうなら、紙に書いてスケジュール帖に貼っておくとか日常的に目に触れるようにしておくと良いでしょう。
話を「ボール」と認識した赤ちゃんの話に戻します。次に赤ちゃんの前でボールを軽く投げます。最初に「ボール」と言ってボールを手に持って、投げる瞬間に「投げる」と言います。それを繰り返しやります。そうすると「投げる」の意味を理解できます。同じように蹴る時に「ボール。蹴る」と言えば「蹴る」も覚えるでしょう。赤ちゃんは喋れませんが、心の奥底では「そうかそうか、これはボールというもので、こうすると投げるで、ああすると蹴ると言うんだな。もっと色々知りたいなー!」と感じている筈です。
毎回親が何かを教えてくれているというのがわかれば、「クレヨン」「描く」でも、「ご飯」「食べる」でも何でも同じパターンで覚えていきます。
赤ちゃんではなくもう少し大きくなった3,4歳の子に勉強の楽しさを教えるには、指人形くらいのサイズの子どもが好きなキャラクターの人形を使って「バーチャルかくれんぼ」をしてみましょう。部屋の中に人形を隠して子どもに探させます。最初は超簡単な所に隠して見つけさせて成功体験をさせます。次に子どもに隠させます。最初はすぐに見つけても見つけていないふりをして「いないなあ。隠すの上手だねえ。ヒント教えてよ」とお願いして説明させます。中には隠してある場所を言ってしまう子もいると思います。そういう時には「それじゃ答えじゃん。ヒントは、例えば『〇〇の近くだよ』みたいに、答えを言わずに答えの場所がわかりやすくなるように教えてあげる事だよ」と教えてあげます。そして次に親が隠す番の時に、ちょっと難しい場所に隠して、ヒントを出してヒントを出す見本を見せてあげます。
隠れていた人形を探し当てた喜びと、算数の問題が解けた時の喜びは同じです。自分が知らなかった物を知る事が楽しいという経験を沢山積ませる事が、学ぶ事は楽しいと感じる事に繋がっていくのです。
このように、普段の生活や遊びの中から知る喜びを紹介していくのが、親が幼少期の子どもにすべき事だと思います。こういう毎日を過ごしていれば、学ぶ事が当たり前の思考回路になっているので、小学校に通うようになっても勉強を楽しめますし、小学校入学前にも既に色々な物に興味を持つ筈ですので、それに親が応えている間に、簡単な算数や、平仮名片仮名などは自然に身に付いていくと思います。
嘘でも良いから親は勉強好きに見えるように努力する
本音は「勉強なんて面倒だなあ」と思っていても良いですが、子どもの前では学ぶ事は楽しいと思っている親を演じましょう。子どもは小さければ小さい程、親との時間が長く、親との生活の中から物事の見方が形成されていきます。親が勉強嫌いなのに子どもは大好きなんて奇跡は滅多に起こりません。
勉強好きに見せる方法ですが、例えば子どもが「ねえ、この虫なに?」と公園で聞いてきて、それが何か知らなかったとして「うーん、ママもわからないから写真撮って調べてみよう」と言って写真を撮ります。そして帰宅後パソコンやスマホで調べます。蝶々っぽいなら [ 蝶々 白い羽根 ]とか特徴を検索してみます。その辺の公園にいる虫レベルなら、おそらく頑張れば正解に辿り着ける筈です。そして正解がわかったら「やったー!知らない事がわかるって楽しいね」と子どもに笑いかけます。そうすると、子どもは「ママはわからない事を知るのが好きなんだ。僕もそうなろう」という気になっていきます。子どもは無意識のうちに自然と親の影響を受けているのです。
親も最初は子どもの為に嫌々でも、毎回やっていると思考が習慣化されて、いつの間にか知る事が楽しくなっていきます。勉強嫌いな大人でも勉強が好きになる事ができるのです。
実はこれは僕の体験談です(笑) 息子が生まれる前は勉強なんて面倒だと思っていましたが、息子に寄り添って色々調べて行くうちに知識を得る事が快感になり、中学1年生の最初の授業で塾に行っている子に合わせて授業を進められて一生懸命に聞いても全く理解できず先生に教えて欲しいと言ったら「なんで君一人の為に時間を使わないといけないんだ。皆塾に行ってるんだから君も行けばいい」と言われて勉強が嫌いになる以前の自分を思い出し、「ああ、知らない事を知るってこういう楽しさだったよな」と思い出す事ができました。以来知りたいと思った事はすぐに調べたり本を買って学んだりしています。
勉強は自分を守る為に必要だと教える
小学生くらいになると、理詰めで説明すれば響く子も出てきます。これは個人差がかなりあるので、何歳から理解できるようになるかはその子次第ですし、早くわかるようになった子が優秀でそうでない子は優秀では無いという事では全くありません。我が子がわかるような言い方で話してみて、わかったら良いし、わからなければ違う言い方をしてみるか、もう少し時期をおいてまた言ってみるかしてみたら良いと思います。
僕は我が子にある程度勉強して最低限の知識を持っていないと簡単に騙されるから、勉強はしておいた方が良いと伝えています。
「わかりやすい例で言うとさ、算数がわからないと1万円札10枚と千円札95枚だったら、算数を勉強してない人だと札束になってる方が良いと思ってしまって交換しちゃったりするんだよ。数字の価値を知ってたらバカだなあと思うかもしれないけど、知らなければ札束の方が凄そうだなというイメージで決めて損しちゃうわけ」
「理科を勉強しておくとさ、例えばキャップ付きの缶コーヒーのアルミ缶あるじゃん。あれに洗剤とかを入れて蓋をすると爆発する事があるんだよ。水酸化ナトリウム水溶液とアルミが混ざると水素が発生にしてそれが爆発するんだよ。あとは吸ったら具合が悪くなる毒ガスが発生する組み合わせとかもあって、そういうのを知ってたら危険な事から自分を守る事ができる」
勉強は色々な事に繋がっていくと教える
勉強しないと損をするというだけでなく、勉強をしていると色々な得があるという事も教えましょう。
「国語を勉強すると、日本語がそれなりにちゃんと使えるようになるよね。将来例えば自分の会社を作って何かがやりたいとなった時に、一人じゃできないから誰かに協力してもらいたい。何とかして力になって欲しい人に自分の想いを理解してもらいたいという時に、国語力が高ければ、自分の想いとそのビジネスがなぜ良いと思うのかを上手に説明できるから協力してもらえる可能性が高くなる。それを世界中でできるようにするのが英語。英語は世界中の人が勉強しているから、英語が使えたら世界中のほとんどの国で何とか生活できる」
「社会は、地理なんかは色々な世界の事を知る事で、世の中には色々な文化があってそれぞれに一生懸命生きている事がわかるから、例えば豚肉を食べない国とかあるけど、そういうのも前もって知っておくと驚かないで彼らの文化を受け入れられる。歴史はこれまでにどんな事があって、人々はどんな工夫をして生活を良くしようとしてきて、またどんな失敗をしてきたかを学ぶ事で、自分達もより良い人生を送る為にすべき事を考えられるし、過去の失敗を見て自分たちは同じ失敗をしないように努力する事ができる。公民は政治や法律などを学ぶ事によって、日本のルールの中でどうやって自分の目標を実現するか考える事ができる。ルールを知らずにサッカーやったら自分のゴールにゴール決めちゃうかもしれないだろ」
自分のやりたい事をする為に勉強を真剣にする
僕の息子はサッカー、娘はアートが大好きです。小学校、中学校で学ぶ事は生きていくのに最低限必要な知識だから、もし学校の授業だけでわからないなら、塾に行かないといけなくなるし、家で追加で勉強しないといけないから、サッカーやアートをできるだけ沢山やりたければ、学校の授業だけでわかるように頑張りなさいと伝えてきました。その結果、息子も娘も成績はかなり良いので、家ではそれぞれ自由にサッカーとアートに没頭しています。
いざという時に我儘を聞いてもらう為に勉強をしておく
小学校、中学校は義務教育とされ、生きていく為に必要なことを学び、友達や先生との生活の中で社会性を養う場とされています。つまり、しっかりと積極的に授業を聞いて内容を理解し、友達と仲良く思いやりを持ち、先生とも友好な関係でいられる事を良いとされます。
僕は我が子に「例えば、外国から友達が来たから何日か一緒に旅行に行きたいから学校休みますとか、サッカーをしに外国に行くから今月休みますとか、そういう事がやりたくなった時に、もし普段の学校生活をちゃんとしてなかったら、やるべき事もやってないのに勝手な事をしてと止められるけど、いつも真剣に授業を聞いて成績も良くて友達とも仲良くしている子だったら良い機会だから是非どうぞって言ってもらえる確率が上がるから、そういう我儘を言う為に勉強はできるだけちゃんとやっておいた方が良い」と言ってきました。
実際に、外国人の友達が遊びに来たから一緒に観光に行くので休みますというのは10回くらいありました。息子は小6の時にサッカーをしにアルゼンチンに5週間行って学校を休みましたし、娘は小5の時に僕とオーストラリアに6週間旅行に行って学校を休みました。いずれも先生方は「中々できる事じゃないからどうぞ良い経験をしてきてください」と快く行かせてくれました。
そして今、中3の息子は9月から来年度からプレーする相生学院のサッカー部の寮で生活をして、高校生の中でサッカーをしています。この学校はプロを目指す選手が集まっている通信制の学校で、朝勉強をして11時から練習で、その後は自主練をしたり自由な時間があるスケジュールなので、淡路市の中学に転校してしまうと練習ができないので、横浜の中学校に籍を置きながら不登校の状態になって行かせてもらっています。校長先生や担任の先生、学年主任の先生達に相談して、息子の夢を叶える為に応援してもらえる事になりました。この事は淡路市の教育委員会にもしっかり伝えており、所属している中学校で問題なければこちらも問題ありませんという事で、筋を通して夢の為に我儘をさせてもらっています。毎週娘が息子の担任の先生から1週間分の各教科のプリントを預かってきて、それを僕が息子の寮に送り、息子はそれを1週間以内にやって送り返すという形で学習のサポートまでしていただいています。理解のある学校で本当に幸運でしたが、息子が常日頃から真剣に授業に取り組み、学校の前の公園で毎日自主練をしている事を知っていたから応援してもらえたと思っています。
まとめ
ここまで色々な角度から、子どもに勉強を前向きにさせる為のアプローチを書いてきました。これらの全てを試してみれば、ほとんどの子は勉強好き、もしくは勉強に対して前向きになると思います。
中学生、高校生などで、既に勉強を完全に諦めて「俺バカだし」と思っているような子に対しては以前noteに書いたのでこちらを参考にしてみてください。
人間、好きなモノの知識なら自ら進んで求めます。好きな歌手の歌はすぐ覚えるし、好きなチームの選手名やプロフィールもすぐ覚えるでしょう。大好きな漫画は何度も繰り返し読んで、何巻の何ページに何が描いてあるかまで言える人も沢山います。それらの知る喜びというのは、勉強の知識を得た喜びと本質的には同じものなのです。同じにならないのはどこかで何かがあったからだと思います。
勉強ってそんなにつまらないものでも無いですよ。
遊んでいるつもりで学べたら最高だと思います。
Thank you for reading^^ 気に入ってもらえたらSNS等でシェアしていただけると嬉しいです♬ これからも英語教育に限らず日本の子供達が楽しく日々過ごして世界に羽ばたける環境づくりに全力で取り組んでいきますので、応援よろしくお願いしますm(__)m