努力なのか才能なのか
まずはこの動画を見てください。息子が小学校3年生の時に左右交互に腿が水平になるまで腿上げををしている動画なのですが、全く腿が上がっていないのがわかると思います。これでも本人は腿を水平に上げているつもりなのです。
TBS『炎の体育会TV』やフジテレビ『ミライモンスター』などで、サッカー選手を目指す少年として取り上げていただいたりしている息子ですが、元々はご覧の通り体育で5段階の1か2くらいの運動神経でした。いまだに25m泳げないし跳び箱も中学生になって跳べるようになりました。サッカーは3歳からずっとやっているのでこの動画の頃にはサッカーではそれなりに目立っていましたが、やった事のない動きをやらせてみるとこの動画のように、脳でイメージしているのと実際の身体の動きが相当解離している状態でした。
息子より後からサッカーを始めた子達の中で運動神経の良い子達は、不器用な息子が長い年月をかけてできるようになったモノを物凄いスピードでマスターしており、このまま流れに任せていたら100%彼らに追い抜かれていく未来が見えていました。一方で、息子は非凡な記憶力を持っており勉強がかなり得意だったので、普通の親であれば、サッカーは程々に楽しんで勉強を頑張る様に促すのがセオリーだったと思いますが、我が家は、得意だからやらせるのではなく、好きな事を頑張るのを応援したい方針だったので、プロサッカー選手になりたいという息子の夢をどうやったら叶えられるか一生懸命考えました。
まずは脳のイメージと実際の身体の動きを一致させないといけないと思い、色々調べてコーディネーショントレーニングという練習法で運動神経を改善する努力を始めました。本当に少しずつ、少しずつ脳のイメージ通りに身体が動かせるようになっていきました。今でも本当に運動神経の良い選手と比べると習得スピードは遅いですが、だいぶ改善されて、下記の動画のようなリフティングができるまでになりました。
これ以外にも様々な努力をしました。記憶力が良くて知的好奇心が強かった息子の能力をサッカーにどう活かすか考えて、サッカーを始めた3歳からサンフレッチェ広島の年間シーズンパスを購入して、グラウンドのど真ん中の一番上の最も俯瞰的にサッカーが見られる場所から10年間プロのサッカーを見せてきました。これによって息子はサッカーへの理解を深め、息子の持ち味である視野の広さを手に入れました。また、近くの席に座っている古くからのファンの方達と仲良くしてもらって、それが縁で選手とも仲良くさせてもらう事ができました。プロサッカー選手が身近にいる事で、よりサッカー選手への想いが強くなり、漠然とした夢からリアルな夢へと成長していった大きな要因になりました。
語学も取り組んできた事の一つです。サッカーは関係なく、元々僕が英語を話せるので、子どもが生まれた時からずっと英語で話しかけたら英語がマスターできるのか実験的に始めた事ですが、息子も娘も英語を身に付ける事ができました。スペイン人のコーチがスペインから来てサッカーを教えてくれる高額のサッカーキャンプに息子が行きたがった時に、サッカーだけの為に4日間で10万円は僕の稼ぎでは出せないけど、半分はスペインプチ留学と思えば出せると考えて、息子にスペイン語のサッカー用語や日常会話のフレーズ等をまとめたリストを渡して、これを9割以上覚えたらお金を出してあげると言いました。息子は200単語100フレーズくらいの量をわずか半日覚えてしまいました。
同じようにイタリア人コーチが来るキャンプも同じようにして、イタリア語を覚えてもらいました。
その後、スペインに遠征に行ったり、スペイン人コーチのサッカーキャンプに数回行ったり、小6の時にはアルゼンチンに5週間独りでサッカー留学に行った事でスペイン語はかなり流暢になりました。
不器用で人の何倍も時間がかかってしまう息子なので、周りの子達が勉強をしている間にサッカーをする事で不器用なハンデを乗り越えようと、学校の授業を一生懸命聞いてちゃんと理解できていれば、家では一切勉強せずにサッカーをしても良いと伝えて、実際に小学校のテストの平均点は99点で、中学に入ったら流石に周りも勉強していますし内容も難しくなっているので満点は取れませんが、それでも一切勉強をせずにクラスで5位くらいの成績をキープし続けています。
また、3年以上前からプロのアスリートを見ているパーソナルトレーナーに身体の使い方を学んでおり、怪我をしないで持っている能力を最大限引き出せる身体づくりのサポートをしてもらいながら、息子自身もその知識を学んでいます。万が一息子が大怪我をしてサッカー選手の夢を諦める事になったとしても、サッカーの知識、多言語、身体の知識などがあれば、なんらかの形でサッカーと関わって生きていける事ができると思います。
息子は中学生になってから、毎日できるだけ10時間寝るように頑張っています。身体をできるだけ大きく丈夫に育てる為です。ストレッチは10年以上、体幹トレーニングなどはもう7年間くらい毎日の日課として続けています。チームの練習がある時でも毎日必ず自分でボールを蹴って自主練をしています。僕が時間が作れる時には1対1の対戦相手になったり、ロングキックの目標になったり、常に今伸ばしたいものは何か、その為にはどんな練習をすれば良いのか考えて努力を続けています。
この続ける能力は、不器用で毎回習得にかなりの時間をかけないと身に付かない息子だから、いつしか時間がかかる事を最初から受け入れて長時間集中&毎日の継続ができるようになり、不器用である事が産んだ副産物だと思っています。それとやっぱりサッカーが好きだという事、その情熱をコツコツと大きくしてきたのが良かったのだと思います。
何が言いたいかと言えば、運動神経が悪いからとサッカーを諦めさせて勉強をメインでやらせなくても、長所を活かして大好きな事をやる道もあるのだという事です。
「ダディが僕に『お前は勉強が得意なんだから勉強を頑張れ』と言わず、『サッカーが好きならサッカーでベストを尽くせ』と言ってくれて、サポートしてくれているのは本当に感謝している」と息子は言います。
多くの親御さんがお子さんの将来の事を考えて色々な子育てをされていると思いますが「この子には〇〇の才能はない」と思っても、本当にそうなのかよく考えてみて欲しいです。好きな事に全力で挑戦できるのは人生においてとても幸せな事です。息子はまだ14歳でプロサッカー選手になれるかどうかはわかりませんが(勿論僕は信じて応援しています)、なれたら成功なれなければ失敗ではなく、大好きな事に全力で打ち込める日々が既に成功だと僕たち親子は考えていますし、その事によって息子が得られている経験は夢が叶っても破れても必ず次のステージに繋がっていくものです。
息子のインスタ:https://www.instagram.com/shintaro20060602/
息子のYouTubeチャンネル
僕は子育てやおうち英語についてSNS等で発信をしており、時々「たまたま子どもが才能があっただけ」「子育て理論に再現性がない」と書かれたりするので、今回、息子に断って息子が元々の運動神経が悪い事が一目でわかる動画を使わせてもらって、これまでに僕達が取り組んできた事の一部をシェアさせてもらいました。
ちなみに娘はアートを真剣にやっていて(娘のインスタ:https://www.instagram.com/julia20081119/)、既にオーストラリア、ドイツ、そして国内と10人以上にお金をいただいて作品を納品しています。
二人の子どもに違ったアプローチをして育てていますが、それぞれがやりたい事を尊重して、その為に何をすべきかを共に考えて、固定概念や一般論に流されず自分達で判断して決定している事は、たとえ対象が誰になってもできる再現性のあるやり方だと思っています。
好きな事だけでは生きていけないとよく聞きますが、好きな事に本当に全力で取り組んでいる人がどれだけいるでしょうか?
できるだけ多くの子ども達が毎日楽しく自分にワクワクしながら人生を歩める事を願っています。
※僕は全ての子どもが息子のように目標にストイックに生きるべきだと言っているのではなく、親が「この子は〇〇の才能が無い」とそれを止めさせたりする時に、本当にそれは才能が無いという事なのか考えてみて欲しいという事です。もしかしたら何をすべきか理解していないからかもしれないし、頑張るという概念がまだ無いのかもしれません。また、好きなものを諦めるという行為は親であっても他人が決めていいものかという問題提起でもあります。
Thank you for reading^^ 気に入ってもらえたらSNS等でシェアしていただけると嬉しいです♬ これからも英語教育に限らず日本の子供達が楽しく日々過ごして世界に羽ばたける環境づくりに全力で取り組んでいきますので、応援よろしくお願いしますm(__)m