夏休み明けが不安な人へ
このタイトルに興味を持っていただいて、中身を読んでいるということは、きっと一学期、本当にきついなかでなんとか夏休みに飛び込んだんですよね。まさに苦しい中でダイブした。だから、夏休みが1日1日終わっていくことに不安を感じていた。そしていよいよとなってもうどうしていいかわからないほどに不安が大きくなっている。わかります。
というのも、学級が安定しないまま夏休みを迎えると、夏休みが明けるその不安はどんどん大きくなっていくんですよね。これを言ってしまうと余計に不安を大きくしてしまいそうですが、嘘はつけないので言いますが、残念なことに高確率でその不安は的中してしまうことが多いです。二学期は私の周りでも本当に学級崩壊が多くなります。
私が思うに、一学期は教員に対してにんじんがしっかりぶら下がってるんですよね。ボーナスと夏休みというにんじんが。
特に夏休みが大きい。ここまでこれたら何とか夏休みが。あと少しだ。あと少しで。夏休みというゴールテープが見えてくる。
きついときにこの支えは大きかったはず。ところが二学期は一学期よりも長いのにこの大きなにんじんがない。そして一学期に誤魔化してきたことが誤魔化しきれなくなっていく。その結果学級はしんどくなっていきます。それがどこかでわかっているから、不安だから夏休み明けが不安なんですよね。
でもね。私は逆に夏休み明けはむしろチャンスだと思っています。
もう一回4月をやりなおすチャンスです。子ども達は急な変化を嫌います。昨日までは怒られないこと、許されていたことを担任から注意されたら「なんで?」となります。この不満がさらに荒れに繋がり学級崩壊は加速していく。負の連鎖になってしまう。
4月が大事と言われる所以はここですね。『黄金の3日間』嫌というほど聞いてきたこの言葉。まぁ賛否ある言葉ですけどね。私の解釈は、学級開きは大事だよって解釈です。この黄金の3日間、学級開きのやり直しが唯一許されているのが私は夏休み明けだと思っています。しんどくなっていたこと、いい加減になっていたこともここで、もう一度やりなおしができる。
一学期、弱かった部分。いい加減になっていたけど目をつぶっていた部分。そこにメスを入れることができる。補強ができる。
9月に話をすること
①話を聞くことの大切さver.2
②叱る基準
③いじめについて
④人の邪魔をしないこと
⑤嘘をつくことについて
⑥仲良し集団について
⑦子ども同士の注意について
⑧給食のルール
⑨一学期の自主学習の振り返り
⑩二学期の行事予定(一覧表を貼る)
おおまかにはこんな感じでほとんど4月とほぼ同じ話をします
私は、二学期のはじめに正直に子ども達に話をします。一学期、一緒に過ごしてきて思っていたこと。ここがいい加減になっていたこと。ここでのポイントは、子ども達を責めるのではなく、私も、担任としていい加減にしてきてしまったということです。押し付けてはいけません。一緒にこうしていかないか。こんな学級にするためにこうしていかないかと提案をするイメージです。(時間はかかりますが、こちらのルールを押し付けるより問題点をどうしていくかみんなで話し合った方が効果は大きいです。学級の実態にもよりますけどね。)
特に私が抑えるのがこれは何回も言っていますが、人の邪魔をしないということです。
私が思うに、学級経営の基本はここです。一人一人が他の人の邪魔をしないこと。スタートはここからなんです。
例えば『しっかり話を聴こう!』よく聞く目標ですが、これって実はめちゃくちゃレベルが高い。私はね、正直学級の中の誰かが話を聞いてなくてもいいと思ってる。もちろん聞けるように支援はしますよ仕事ですからね。だけど、支援や指導をしたその上でその子がそれでも聞かない選択をしたのならそれはもう自由だと思ってる。
例えば私が話をしている時に寝ていたり、本を読んでいたり聞く態度が悪いからと言って、全体の時間を使ってしつこくは指導しません。
しかし、隣の子に喋りかけていたり、他の人が話が聞きにくくなるような行為をしていた場合は別です。
これは他の人の聞く権利を奪っている。邪魔している。これは絶対に許しません。毅然とした態度で指導します。それは許さないよと。これを徹底します。だいじなことは徹底すること。これぐらいいいかを作らないこと。最初のほころびを作らないこと。(もちろん特別支援が必要な子には指導だけでは意味がないので配慮、支援はしますよ。学級にも説明してね)
これぐらいいいかを担任が見せると子ども達は本当に良く担任のことを見ているので一気にこれぐらいはいいかに流れます。流れ出してからやばい!と思ってあわてて注意すると、「なんでわたしだけ?」「なんでおれだけ?」「昨日は注意しなかったのになんで?」となるわけです。
だからこそ、ここは許さないということは細かいことにするべきではないのです。細かいことに対してこれぐらいいいかが許されないとお互いにしんどくなるからです。
『人の邪魔をしない』というのは実に明確でわかりやすい指導の基準だと私は思っています。
これは人の邪魔をしていなければ何をしていてもいい、放置をしておくってことではないですよ。支援はしていくのです。それが仕事ですからね。だけど、急いではしない。本人と話し合い、家族と話し合い、人の邪魔をしていないと支援がゆったりできるんですよ。
子どもは勉強をする権利を持っています。だけど、どんな権利もそうだけど使うかどうかは自分次第なんですよね。権利だから使え!使え!と言われたら人間って不思議なもので嫌になってしまう。権利だからさ、使うかどうかはあなた次第だよと言われた方が使う気になるんですよね。
で、大事なのは人の権利を奪う権利はないんだよってことなんです。そこは絶対だめだよね。そこは先生は許さないよと。これをきっちり説明すると子どもって結構わかってくれる。すると、注意されても納得があるんですよね。この納得が荒れを防いでくれるんです。
この他にも二学期におすすめなのは、レク。これも何度も言ってますが、しんどい時に教員がするべきことは厳しくすることだけではありません。楽しい空間をコーディネートすること。笑いを学級で共有することです。夏休みにレクをできるだけ集めておくとよいと思います。
他にも二学期に意識していることはありますが、それはまたの機会にでも。
夏休みが明けるのはこわいし嫌ですよね!
私もです。何度経験しても同じ気持ちになる。こんな気持ちになるなら出会わなければ良かったとさえ。
でもまた、夏休みに逢いたくなるんです。罪なやつですよ本当に。
まぁ愚痴はTwitterにでも吐き捨てて、学校ではそれぞれができることを全力でやったりましょ!!!
これを読んでもまだ夏休みが終わるのが嫌な人。大丈夫私もです