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美大予備校講師の仕事は辛い・・実際辞めて感じたこと
私は、美大生時代から美大受験者向けの、国内最大手の予備校で学生講師をやっていました。
この企業はデジタル系クリエティブの専門学校グループ会社であったため、出向という形でアナログな鉛筆デッサンの指導や、生徒さんの制作作品を品評したりと何かと教える立場に都度関わりをもっていました。
その後、制作ディレクタではなく、私自身が物を作る本当の仕事探しのために、無謀にも新卒から2年でフリーランスとなり、22歳~47際現在まで、ピンでクリエティブ系の仕事をしてきました。
美大講師のきつくて大変なところ
最大手企業での学生講師や専門学校での講師(鉛筆デッサン・基礎デザイン・3DCG等)に関しては、生徒さん全員がお客様であり、数百人もの生徒さんに、数分しか指導する事が出来ない場合があります。
美大に落ち続けてひねくれた2浪の生徒さんもいて、あからさまに「お前に教わりたくねーんだよ!」とでも言わんばかりに、聞いているふりして聞いてない生徒や、この子を進歩させるには2年かかるなという具合に問題児がいる訳です。
弟子ではなく、生徒さんであり、お客様なので、嫌がられても教えない訳にはいかず、何を言っても響かないのが、かなり辛い訳です。
そのため対策としては「何か困っている事ある?」等と、メンタルな所から入って心を開いてあげるのが第一課題で辛かったです。
短い時間で個人のニーズにこたえるのが大変
個人的な講師としては、マンツーマンのパソコンで絵を描く勉強がしたい個人の人にAdobeのIllustlatorというアプリケーションを使ってティーシャツの作り方を教えてあげた時がありました。
その際に、私のスキルにはない作業でもあったため、最善を尽くして、薔薇の花の輪郭を描いて、印刷データに仕上げるまでの講師をしたのですが、
生徒さんにとって難しかったのは当然ですが、私の力不足で勉強にならなかったがらお金を返して欲しいとまでいわれる始末な時もありました。
全く知らない人の元へ行きあらゆる学びたい要求に応える必要があるので、まずはひととしの信頼と、習いたい事を最短で教えないといけない事に絶対応えるのが、辛かったです。
美大講師をやめることを決めた瞬間
仕事を辞めたいと思ったのはサラリーマン時代に講師としとグループ会社への出向をしても追加手当て等がまったく無かった時です。
本来のポジションのやらなくてはいけない仕事が単純に遅れるだけなので、名誉講師的であって努力が報われない時に「私は何をしているのだろう?」と思い三度辞めたい気持ちが来たら辞めようと決めて、仕事に取り組みました。
会社が年俸制だったため残業手当てもなく、土日出社してもタダ働きでしかありませんでした。
講師の仕事は楽しいのですが、ボランティア精神でとりくまなければならないので、せめて手当を寸志程度にくれれば気持ち良く働けたのにと思いました。
メインの仕事とグループ会社のサブの仕事を毎日こなしていたのですが、思い切って2週刊の有給休暇と夏休みをとりました。
ストレス発散と海外旅行の楽しさで、毎日の辛さから解放され、久々に楽しい毎日でした。
アメリカの漁港が、映画のフォレストガンプという古い作品の舞台だった所に行きました。
その時に、通りかかったクラムチャウダー専門店の露天で、ひたすら大きな鍋に入ったクラムチャウダーを大きなヘラでかき回している店員さんを見てやりたいことを思い出しまいた。
「あっ、この店員さんは凄く楽しみながらクラムチャウダーを作ってお客さんに楽しんでもらって顔も幸せそうだな~」と思い、こういう仕事もあるし、仕事は色々な形があるんだなという閃きで「日本に帰ったら会社を辞めよう」という気持ちが固まりました。
その後の昇給の面談をしたところ、月3,000円アップと言われ「この会社終わっているな!?」となり、辞めた次第です。
いわゆる脱サラと言われた転職です。
今後サラリーマンをやりながら美大講師をしたい人へ
仕事に関して、養うべき人達がいたら、自由に転職したり、むちゃな生活も出来ませんし安定したサラリーマン講師を、辛くても辞めない方が良いと思います。
よほど良い話があれば別ですが、場所場所において、それぞれ違いがあれど辛い事も絶対あります。
それが無い所は逆に怖いもので、会社という隠れ蓑をかぶり、仕事をしないでお給料だけをもらっている社員が必ずいるものです。
ピンでやっていても、石の上にも三年とは良く言った物でして、一人前になるスタートラインに立つのに三年はかかります。
辛くても三年くらいは勉強というつもりで頑張ってみてもらいたいです。
仕事をする事は大概の場合、人と人との関わり合いの元に、初めて仕事というサービスの提供する訳です。
美大の予備校講師を選ぶなら雇い主である会社のネームバリューと安定した収入とコネを存分に使うのも手です。
とびかかってくる火の粉は、予め回り込んで根回しをして火事にならない様にするのが得策です。
脳ある鷹は爪を隠すものとは良く言ったものなので、人生の長期戦を生き延びる予定を建てる航海図を描くと良いかと思います。