#26 日々是好日:今日という日を自分のものにする
日々是好日:今日という日を自分のものにする
「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」――どんな日でも、それが良い日だという禅の言葉。けれど、そう思えない日もありますよね。嫌なことがあったり、失敗したり、心がざわつく。そんな日は「好日」だなんて到底思えない。私も、そう感じたことがたくさんあります。
でも、ふと思うんです。「いい日」は誰かが決めるものじゃなくて、自分が作るものなんじゃないかと。
一瞬でいい
何か特別なことをする必要なんてないんです。たとえば、朝の一杯の温かいお茶。その湯気のゆらめきをただ眺める時間。それだけでも、心がほっとします。ほんの数秒、「ああ、今この瞬間を感じている」と思えると、不思議と気持ちが変わるんです。
私はこれを「一然(いちぜん)」と呼んでいます。「一つの然(自然)」、つまり、何かを自然体で、無理なく丁寧に行うこと。小さな行動でも、それを意識することで、たとえ慌ただしい日でも「好日」に近づける。
好日は自分の中にある
忙しい日常では、「なんでこんなにうまくいかないんだ」と、イライラしたり落ち込んだりすることもありますよね。だけど、そんな中でたった一瞬でも「自分で自分を許す時間」を持つと、不思議と少しだけ楽になります。
お茶を点てる時間がそうでした。湯の音を聞きながら茶筅を振る。そのたった数分間が、心を穏やかにしてくれるんです。「完璧じゃなくていい。今日の自分を、そのまま受け入れよう」と思える瞬間が生まれるんです。
あなたの「日々是好日」はどこにある?
日々是好日は、「完璧な日」を求める言葉じゃありません。「どんな日も、自分で好日にできる」という力強いメッセージです。
失敗した日も、疲れ切った日も、それを否定する必要はありません。その中で、「一杯のお茶を楽しむ」「一瞬の風を感じる」「空を見上げる」――そんな小さな行動が、あなたの今日を「好日」に変えるきっかけになります。
さあ、今日のあなたの「一然」は何ですか?
小さな一歩が、きっと大きな心の変化につながります。