【薬膳編】五行学説9 『脾』をひもとく
夏だから
何とも暑い日が続いています。
つい、のどごしのよい麺類とか
冷たい飲み物とか多くなってませんか?
いやいや、夏バテを起こさないように
しっかり食べなくちゃと、やたら、焼き肉やら天ぷらとか
おなかに負担をかけて次の日からだ重~とかなってる感じ?
そもそも、この暑さと湿気のある時期は
『脾』に負担のかかる時節でもあるのです。
つまり、便秘や下痢、食あたり、夏かぜによる胃腸障害
むくみやイライラ、手足のだるさ、下腹部の冷えなどの
症状が出やすくなります。
子どもの頃、「おなかを出してねるな!」「腹巻しなさい」
「雷がなったらおへそをとられるから隠しなさい」なんて
いわれた経験ありますよね。
昔から「夏はおなかを冷やすな」と言うことを言い伝えていたのでしょう。
長夏の臓腑『脾』
五主(影響のある体の部分)・・・肌肉(筋肉の部分)
五華(色が艶のでるところ)・・・唇
五竅(関連する穴) ・・・口 (味覚と関係)
五液(関連する体液) ・・・涎(口腔を潤す)
五志(感情) ・・・思(思慮・思考)
五腑 ・・・胃
生理機能
①運化作用・・・水穀と水液の運化を司る
飲食物の消化と吸収のことで、飲食物の消化と吸収は胃と小腸で行われ
「水穀の精微」となるが、脾の運化作用がなくては
栄養が行き渡らない。水液も、脾が吸収し運輸し、肺と腎と共同で体内の
水液代謝を行う
*水穀・・・飲食物のこと
*精微・・・消化吸収することで生じる精気物質、栄養素で気血津液の もとになる
②昇清作用 ・・・ 脾の運化機能は精微物質を心や肺、脳に昇らせ運輸する
*胃には、食べ物を受け入れて納める・・・・受納機能
初歩的な消化作業 ・・・・|腐熟機能《ふじゅくきのう》
③統血作用 ・・・ 血の脈外への漏出を防ぎ、運行させる
「脾は気血生化の源」
④生血作用 ・・・ 血を生成する
「脾」と「胃」の違い
脾は燥を好み、湿を嫌う。胃は、湿を好み、燥を嫌う。
脾は昇ってよし、胃は降りてよし。
運化の失調とは
水穀の運化の失調・・消化吸収の障害 ⇒ 下痢
⇩
気血生化不足 ⇒ 気虚(つかれやすく、気力不足)
血虚(血が足りない)
水液の運化の失調・・水湿の停滞 ⇒ 浮腫(むくみ)
⇩
湿・痰を形成「脾は生痰の源」
体にとって不必要な水分は湿、この湿が凝縮すると痰になる
痰が絡むという症状がある場合、津液の停滞が問題となっているので、
脾の運化、つまりは、水液の循環に支障があると中医学では考えるので
食べ過ぎていないか、飲み過ぎていないか、冷やしていないかなど
脾胃の状態をみていくことが多くなります。
思う
考えすぎも脾胃にはよくありません
試験前や、プレゼンの時など「胃が痛い」なんてよくいいますね。
ストレスも胃炎の原因になって、食欲不振になる場合も。
そう考えると、脾胃の症状が見えてくるのではないでしょうか
体も血液も水分も、「食べる」「消化吸収する」ことで
わたしたちを生かしてくれています。
すごいことですよね。