化学実験のノリで行ったアロマ講座の先生が素敵すぎたお話
「薬草蒸留体験と保湿クリーム作り&ケアのワークショップ」
皆さんは上のタイトルを見てどんなワークショップを思い浮かべますか?
アロマのお話かな?蒸留ってちょっと難しそう……できるのかな?と考える方が多いのかな、と思います。
さて、私。
蒸留?薬草?松の葉を使って?そんで化粧品作るの?
めっちゃ面白そう!!!!!(生物化学の理系の血が騒ぐ音)
澄み渡る青空のもと自然を感じるには最高の日。
今回は三重県多気町にあるVISON内の本草研究所RINNEにてワークショップに参加してきたお話です。
(アロマの知識が〜とかより、いつも通りエッセイを書いています。)
VISONは「自然と共に生き・生かされていく、美しい循環をめざす場所」を掲げ、今年の春にOPENした地域活性を目的とした複合施設です。
今回のワークショップが開かれた本草研究所RINNEがある本草エリアでは古来から伝わる「本草学」を提案し、美と健康を発信したり、薬草湯で癒しを届けたりしているエリアになっています。
さて時間になり、講師の方に案内していただき、ワークショップのお部屋へ。
少人数に加えて裏手から入る感じがたまらなく良いな、なんて思っていれば早速お話始まります。そこで気づく。これ、化学の授業じゃない。アロマの講座だ(遅い)
結構な場違いな場所に来てしまった気がする。私はアロマというものは全く分からないし、何なら匂いはダメな方。そう焦るもお金は払ってるし、このまま帰るわけにもいかない。
しかし、ワークショップの講師の鷺島広子先生(以下、広子先生と呼ばせていただきます)がすごかったのです。
薬草蒸留
まずは蒸留で使う松の葉をチョキチョキしながら自己紹介。
なのですが、話が飛ぶ飛ぶ。いや知識がある人からしたら関係あるのかもしれないのかもしれませんが、だとしてもフジロックのお話は唐突すぎます。
フジロックに出店してワークショップをした時のテントの設営のお話や、毎回来てくださるお子さんの成長のお話だったりと内容は様々ですが、とにかく話が飛んでいました笑
(すいません、この辺フジロックの記憶しかないです)
そして私が一番楽しみにしていた蒸留の準備へ。蒸留は写真のように、水を沸騰させて発生した蒸気を冷やして水滴にすることです。今回は常圧蒸留で自然に集まるのを待ちます。
集めた蒸留水は浮いている油の部分を精油、成分が溶けきった水をハーブウォーターとして使用するそうです。自ら作り出すというのは何事においても大変である。
時間がかかる蒸留のセットをしてワークショップ開始から20分くらい経った頃。広子先生が蒸留の説明をしてくださった後、発したのが「まだ自己紹介終わってないから」の一言でした。衝撃。このワークショップ2時間よ?ってなりました。でもこのあたりから私はとってもワクワクしていました。
記憶に残る体験の数々
またすごく印象的だった出来事がことあるごとに色んな匂いを嗅がせてもらえたり、自分の舌で味わったりできたことです。
匂いを嗅ぐことはアロマの講座なのだから当たり前なのかもしれませんが、なにせ化学実験のノリで参加した身なので、体験できることはすごくありがたかったです。知識だけを言われてもだいたい記憶には残りません。でも匂いや味はものすごく鮮明に残っています。
赤い花びらはローゼルというローズヒップティーに入っているお花。こちらはかじってみて、と言われたのですが、この時のなんともいえない酸っぱいようなちょっと渋いような味は忘れません。なんか口の中酸っぱくなってきた……
それから松の葉のお茶を出していただきました。こちらも絶妙に薄い、でも無味ではなく松の香りが鼻から抜けるという、おもしろい味がしました。説明が難しいのですが、やはりこちらも口の中がその味になってくる不思議……
そして広子先生が考えのもとにしている療法に関する話をしていたところからインドのお話に。このインドのお話もすごく面白くて自由で素敵でした。
保湿クリーム&化粧水作り
そしていよいよ保湿クリーム作りへ。
ここでまたもや広子先生が衝撃的な一言を発します。
「このワークショップ、何時までなんだろう」
自由すぎる。
シアバターと油分を教えてもらった比率で混ぜ合わせます。冬用の保湿クリームだったら、と季節によって変わってくるらしく、少し化学みたいで楽しくなる私。ここでのポイントは空気をたくさん含ませることで、うまくいくとたくさん量ができます。
↑混ぜる前
↓混ぜた後
最後に今回蒸留した松の葉の蒸留水を使用して化粧水作り。
↑実際の松の蒸留水
↑油分を足して分離した状態
化学的な乳化剤を使用していない自然のもののみでできている証
作ったクリームと化粧水は自分で体験したものを家に持ち帰えることができます。今回のワークショップを使うたびに思い出せるし、素敵な空間を瓶に詰めて持ち帰ることができる唯一無二のお土産です。
ワークショップで感じた自由さと尊敬
開放的な、時間を全く気にしない自然な空間。
私の今回のワークショップの感想を一言でまとめるとしたらこの一言です。この一言だけだとちょっと語弊が生じる気がしなくもないけれど、一番しっくりくるのはこの言葉です。
私は何回か”話が飛ぶ”と書きました。でも今思い出してみると当たり前かもしれませんが、全然関係ないことはないし、とっても楽しい思い出として残っているのです。
これってすごいことだと私は感じていて。
今日初めて会った人に対してどんな話が好きか、どんな反応をしているかをしっかり見ているからこそできることだと私は思います。
特に今回の私みたいにアロマの話だと思わずにきた人間(そんないないと思う)には、とてもありがたかったです。多分ひたすらアロマの話されてたら途中でギブアップしていたかもしれない。尊敬です。
また時間に対しても私はどうしても気にしてしまうし、追われることが多いです。自分以外の人がいる空間では特に気にします。なので広子先生が「このワークショップ、何時までなんだろう」と言われた時、本当に衝撃的でした。
何を考えているんだとかそういうことではなくて、「この方は今この瞬間、今この空間を楽しんでいて、何時までに終わらせなければとかは考えてなくて。だからこの空間はこんなにも開放的で自由で楽しくて自然なのだ」と感じました。簡単にできることではないし、何事にも自由でいたい私はここでも尊敬の念を抱きました。本当にすごすぎる。
もちろんいつ何時だって自由な空間を作っていいわけではないと思います。けれど、自由な空間を楽しむ時まで時間に追われることを自らに課してしまっているような気がするのは私だけでしょうか?
せめて自然に触れていて、それこそVISONのような自然に囲まれた空間にいる時はゆっくりとただ過ぎゆくままに、自分の感情のままに行動をしていきたい。
また帰ってきたい。そんな素敵な場所がまた一つ増えた、素敵な出会いでした。ありがとうございました!
皆さんのInstagramはこちら
講師→鷺島広子先生
アシスタント→片山恵理さんの会社 薫風
主催者→大島さちえさん
ワークショップ開催場所→本草研究所RINNE
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