イオンの「しおラーメン」と「塩ラーメン」
私はラーメンが好きだ。
でも、そのラーメンに今、私は悩まされている。
原因は、前回の記事が「終わるべきところで終われなかった」ことにある。
そして今、私の目の前には二つの「袋入りラーメン」がある。
一つめはこちら。
イオンPBの証である「ベストプライス byトップバリュー」のロゴが輝いているイオンの「塩ラーメン」。
二つめがこちら。
「THE all-time NOODLES」というロゴがついた「しおラーメン」。
どちらも「塩味のラーメン」だが、二つの画像を見た人はおそらく、こう思うだろう。
「塩ラーメン」はイオンのPB商品、そして「しおラーメン」はどこかの商品だ、と。だが、私は前回の記事で、この「しおラーメン」をイオンのPB商品として紹介した。
それはなぜか?
「しおラーメン」の裏面には販売元が「イオン株式会社」と明記され、お問い合わせ先は「イオンDS商品お客さまサービス係」だったからだ。
販売元も、お問い合わせ先も「イオン」と銘打っていることから、私は「イオン商品」だと判断したのである。
とはいえ、「しおラーメン」にはイオンPBブランドの証ともいえる「トップバリュー」とか「ベストプライス」のロゴが入っていない。
もし私の勘違いで「しおラーメン」が実はイオンのPBでなかったとしたら、前回の記事は大幅な修正、あるいは取り下げなければならなくなる。
なので、今回改めて「しおラーメン」について、あれやこれやとネットで調べてみたのだが、結局明確な答えが出なかったため、私は覚悟を決め「しおラーメン」のお問い合わせ先である「イオンDSお客さまセンター係」に電話した。
それによって以下のことがわかった。
まず、
「しおラーメン」がイオンのPB商品であるかどうか、だが、イオンPBで間違いなかった。ちょっとホッとした。
そして次に、私はこんな質問をした。
「しおラーメン」のお問い合わせ先と「塩ラーメン」のお問い合わせ先が違う。それはなぜか、と。
するとここで驚きの事実が判明した───
「しおラーメン」はイオンのPB商品で間違いないのだけれど、厳密にはイオンのディスカウントストア向け商品だそう。そのためお問い合わせ先も違うのだ。
しおラーメンのお問い合わせ先にあったイオンDS商品のDSというのはディスカウントストアの略だったのだ。が・・・そこで思ったのが、
「イオンにディスカウントストアなんて、あったっけ?」である。
早速、調べてみた。
すると・・・・・ある!!
「ザ・ビッグ」や「ビッグ・エー」などがイオンのディスカウントストアだった。
言われてみれば、「ザ・ビッグ」も「ビッグ・エー」も何となく見たことがある気がする。ただ、私の住んでいるエリア&私の行動範囲には店舗がないため馴染みがなかったのだ。
「イオンモール」の存在感が凄すぎて、イオンといえばイオンモールみたいに思っていたけれど、私が思っていた以上にイオンは大きかった。
ちなみに「しおラーメン」はDS商品ではあるけれど、必ずしもディスカウントストアだけに置いてあるわけではないようだ。「しおラーメン」のページで「取り扱い企業」を確認すると、「イオンスタイル」や「まいばすけっと」、「ダイエー」でも取り扱いがある。
ついに「しおラーメン」の謎は解けた・・・が、ここまできたら最後にやらなければならないことがある。それは───
「しおラーメン」と「塩ラーメン」の違い、だ。
まず「値段」が違う。
5食入り「しおラーメン」は税込224円。
5食入り「塩ラーメン」は税込321円。
その差額は97円、約100円である。
つまり一袋につき約20円、しおラーメンは、かなり安い。
次に「製造所」が違う。
「しおラーメン」は株式会社つばめ食品という三重県の会社。
「塩ラーメン」は日清食品株式会社、カップヌードルで有名なあの日清である。
そして最後に───
どちらの商品が美味しいか?
あくまで私の個人的な感想だが、今後イオンのお店でみなさんが「しおラーメン」と「塩ラーメン」のどちらを買うかで悩んだ時のために記しておく。
「しおラーメン」については前回の記事に書いた通り、セロリ風味のラーメンである。なので、セロリ好きな人や「なんだかヘルシーな気がする」「ちょっとクセのある」ラーメンが食べたい人には是非オススメしたい。
そして「塩ラーメン」。
味は「サッポロ一番 塩ラーメン」に近い。麺はもちもちした太麺。「しおラーメン」は細かったので麺は全然違う。
なお、塩ラーメンには「粉末スープ」のほかに「チキン風味の特製オイル」がついているのだけれど、もしかしたらこのオイルはいらないかも、と私は食べながら思った。
ただ───
改めて言うが、「しおラーメン」と「塩ラーメン」のどちらが美味しいかは、結局「好み」でしかない。
みんながマズいと言っても、自分が美味しいと思えばそれでいいではないか。人によって味覚が違うのは当たり前なのだから。
みんなが美味しいと言っているから「美味しい」
みんなが不味いと言っていたら「不味い」
そんな悲しい忖度をしていたら、人生あまりに味気ない。
自分の味覚を信じ、自分の感覚のままに生きるのが絶対にいい。
もし、イオンの「しおラーメン」が普通に美味しかったら、間違いなく私は「しおラーメン」に興味を持つことはなかった。
しおラーメンが不味かった(あくまで私的には)おかげで、私は「しおラーメン」についてリサーチすることになり、そしてその後、再びお店に行った時に、もし「しおラーメン」と「塩ラーメン」が並んでいなかったら、こうしてこの記事を書くことも、さまざまな情報を得ることもなかった。
自分の味覚や感覚に合わない、そんなちょっとした違和感や小さな好奇心が、思わぬ発見に繋がることがある。
ニュートンやエジソンやコペルニクスのような大発見ではないけれど、日々の小さな気づきは人生のちょっとしたスパイスになる。
知ったところで何の役にも立たない知識であったとしても、それはきっと「話のタネ」になり、そのタネがいつかどこかで芽吹くかもしれない。この記事を書いていて、ふとそんなことを思った。
noteというのは「人によっては取るに足らないタネ」や「人によってはくだらないタネ」が溢れる場所だ。でも、そんなタネに「スキ」という水を与え、そして「フォロー」というたくさんの肥料を届けてくれる人がいたら、もしかしたら大きく成長し、素敵な花を咲かせるかもしれない。
これでようやく、私の「しおラーメン」と「塩ラーメン」を巡る旅は終わった。
ホッとした私は、しばらく袋麺のことばかり考えていたことで、うっかりカップ麺の存在を忘れていたことを思い出した。
袋麺にかかりっきりでカップ麺をほったらかしにしていたことが気になり、「久しぶりにカップ麺でも食べようかな」と思って、カップ麺を収納している引き出しを開けてみた。
カップ麺は案外賞味期限がそれほど長くはないので、ちょっと油断するとすぐに賞味期限が切れていたりする。なので、時々チェックしなければならない。
私は、引き出しを開けて、奥にあるいくつかのカップ麺を出したのだが───
・・・ん?
なんなんだ、このデジャブ感。
これって、まさか・・・
「しおラーメン」だった。
いや、厳密には「しおラーメン」のカップ版である。
なんと、私は数か月前に「しおラーメン」に会っていたのだ。なのに、うっかり引き出しの奥にしまい込んでしまったばかりに、激マズ、いや、私の口には合わない「しおラーメンの袋入り」を買ってしまっていたのだ。
「私はもう一度、この激マズ、いや口に合わないラーメンを食べなければならないのか・・・」
前回の記事の終盤、確かに私は言った。
「もう一度、イオンのしおラーメンを食べてみようと思う」と。
しかも
「セロリの風味に海外の風景を思い浮かべながら食べる『しおラーメン』、もしかしたらまた違った味わいを感じられるかもしれない」などと、歯の浮くようなカッコいいことも言っている。でも・・・
それってアレじゃん?
社交辞令っていうか、大人としての対応っていうか。嘘ではないけど、ここでこう言っておけばすべては美しく、そして丸く収まる、みたいな。
いや、もしかしたら、食べてまた何か新しい発見があるかも・・・いや、さすがにもうないだろう。
きっと、私が激マズ、激マズと連呼したことで「しおラーメン」が怒って、私に嫌がらせをしようとしているのだろう。
泣きそうになりながらも、私は涙をこらえる。泣いたらますます、しょっぱくなるから。
私はラーメンが好きだ。
美味しいラーメン屋さんに行くために一時間以上電車に揺られたり、開店の数時間前からお店に並ぶほどではないけれど、15分ぐらいなら電車に揺られてもいいと思っているし、15分程度なら行列に並ぶ。贔屓ひいきにしているラーメン屋さんだってある。けど・・・
私は思った。
しばらく塩ラーメンはいい、と。
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