3学期の教室は、教師の力量を写す
「学級経営が上手になりたい」
教師なら、誰もがもつ願いです。
3学期も残りわずかとなってきました。
実は、今の時期が教師の学級経営の力を付ける上で、とっても重要な時期なんです。
この時期を掴めば力がつく。
間違いなく黄金の時期だといえます。
今日は、どうすればこの時期を力にできるのかをご紹介します。
はじめに
「3学期のクラスの様子は、自分の指導力を表している」
ぼくが尊敬する先生からの教えです。
要するに、
3学期の子どもたちの良いところも悪いところも、少なからず担任の影響があってそうなっているということです。
3学期にもなると、学級でのルールは完成されています。
子どもたちにとって、教室での唯一の大人である教師の影響力は大きいものです。
今の子どもたちの行動というのは、少なからず担任が称賛したり、あるいは見逃したりして残ってきているものだと言えます。
つまり、3学期の今のクラスの様子は、あなたの教師としての力量を表しているのです。
そして、これはあなたにとって、とても大きなチャンスです。
なぜなら、今の学級の足りない部分、つまり自分が支援しきれなかったところを、4月からの新学級で改善していくことができるからです。
学級経営が上手な先生は、毎年自分の不足していた部分を見つめ、次の学級で改善していくことを繰り返して、今に至っています。
学級経営が上手になりたいなら、今のクラスの様子をよく見て、自分が気になるところをしっかりと覚えておくことが大切です。
エンジョイ学級の場合
ぼくは今年、6年担任でした。
とても素直な子どもたちで、きっと小さい頃から多くの人の愛情を受けて育ってきたのだろうと思われる子たちです。
3学期のエンジョイ学級を見ていて気になる様子がありました。
先日のこと。
子どもたちの発案で学級レクをすることになりました。3つのグループに分かれ、それぞれで出し物をすることになり、グループごとに企画を進めていました。
クラスの中でも「こうしたい」という思いが強いAさんがいました。
彼女のグループはドッジボールを企画しているようです。
Aさんは、「当日、動きやすい服装で来てもらわないといけない」と気付いたようでした。
ところが、それを他グループの子に率先して伝えることができず、近くの子に「ねえ、動きやすい服来てきてもらったほうがいいよね?」と言うにとどまっていました。
結局、Aさんは他グループの子には言えず、自分が気付いたにも関わらず他の子に伝えてもらっていました。
このことから分かるエンジョイ学級の欠点は、
「こうしたい」という思いがあっても、それを進んで言いだしづらい環境だということです。
原因
なぜ、こうなってしまったのか。
1年を振り返ると、考えられる原因が2点ありました。
1つ目は、基本的な連絡をTeamsでしていたこと。
係や委員会などの連絡を主にTeamsで行っていました。
Teamsを使うことで、欠席者にも連絡ができたり、連絡したことがいつでも振り返れるという良さがありました。
しかし一方で、自分の言葉を相手に直接伝えることに慣れていないという状況になってしまっていました。
2つ目は、気付いたことをぼくが次々と言ってしまっていたこと。
今年は、学級での気になる様子をぼくが子どもたちに投げかけることが多くありました。
考えが深まったり成長が見られた場面もあったのですが、教師と子どもの関係ばかりになってしまい、子どもと子どもの繋がりが強くなるチャンスを失ってしまっていました。
こう考えることで、
ぼくの指導力が不足していた点は、ICTの便利さに頼りすぎたことと教師主導で進めてしまうことだと分かります。
この反省をどう活かすか
答えは簡単です。
この反省を4月からの新しい学級で生かしていくのです。
ぼくの場合だったら、
1.基本的な連絡は直接伝えることにし、伝えたことは後で確認できるようにTeamsに載せることにする。
2.学級での様子をみて気付いたことがあっても、一旦子どもに任せる。自分の気付きや思いを他の子に伝えようとした子がいれば、そこを称賛する。
と、このように反省を活かすことができそうです。
そうすることで、来年度は自分の思いを進んで言い合える学級にしたいと考えています。
おわりに
教師としての力って、非常に分かりづらいものです。
特に、学級経営力はあまり他人から評価されることがない分、裸の王様になりがちです。
ですが、今目の前にある3学期の子どもたちの様子は、あなたの教師としての力を表してくれています。
ここをしっかりと見て、受け止めることで学級経営の力は更に上がっていくことでしょう。
さあ、長かった1年もあと2週間ほどです。
自分の未来にとって、かけがえのない情報が今の学級にはあります。
よく見て、自分に問いかけて、また4月からの新学級に生かしていきましょう。
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