音漏れ車の真実?|エッセイ
久しぶりに彼女の運転でドライブをした
ということは、私は久しぶりの助手席である。
旅のお供は彼女作成スマイルアップメドレー(旧ジャニーズ)である。今はKinKi Kidsが流れている。
YouTubeプレイリスト内の曲が順々に流れる
データ使い放題プランはこういう時強いのである
最初こそ色々話していたものの自然と無言になっていく
(仲が悪いとか、気まずいとかではなく、むしろ気がしれているからこその無言だと思ってほしい。)
あたりまえだが、こうなると人は次第に眠くなる。
いくら国民的アイドルのバク上げ曲でも、こういう時は心地よい子守唄と化すのは永遠に謎だ。
運転してもらっている身で、助手席でいびきをかくのは非常に失礼なので、必死に眠気に抗っていた。
こういう時ほど自分の世界が眠気でできている時はないだろう。
すると突然車内に歓声が鳴り響き、私は一気に目が覚めた
「びっくりした〜!」
と彼女は音量を下げている。
「動画によって元の音量が違うから、急に大きくなるんよ。でも眠いときとかめっちゃいいんよね〜、すぐ目が覚める」
ばれていると思えた。
でも確信がなかった。
「眠かったら寝ててもいいよ」
やっぱりばれていた。
ふとよく近所を走る爆音車を思い出した。
恥ずかしげもなく、朝だろうと夜だろうと関係なく曲を流すあの車。
あれはもしかしたら眠気防止なのでは?
運転手は人よりも眠気にさらされやすい性質で、でも運転中は起きなきゃいけない葛藤の末にあみ出したものなのでは?と思った。
そうするといつもうるさいあの爆音にも、
「お疲れ様です」
と優しい言葉をかけられそうな気がした。
ナビを見ると到着まであと一時間半
私の闘いはまだまだこれからであった。
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