雨の日の友達|エッセイ
昨日「雨」って聞いていて良かった
お昼休憩に同僚が言ってたのを覚えていた
今朝はそれを思い出して傘を持ち、
念にはと、足首丈のレインシューズを履いたのだ
退勤は20:30ごろ、雨はまだぽつぽつ降っていた
そう、まだ
出て10歩ほど歩いたか
私を待っていたかのように土砂降りへ
最悪かと思いきや、今日の私にとっては最高だった
夜の20:30は誰もいない
雨の音と、車の走る音だけが聞こえる
そう、これは紛れもなく熱唱チャンスである
持ってきていたブルートゥースイヤホンは運がいいのか悪いのか充電切れ
仕方なく携帯から直接音楽を流した
胸ポケットにスピーカを上向きで携帯を差し込むと音がよく聞こえ、かぶさる傘が音を余計に膨張させる
晴れの日は決してできない
この夜の雨は好奇な目で見られる心配すらもなくし、私を開放的にさせた
歩きながら
歌詞を見ながら
信号待ちでも
渡っているときでも。
歌う 歌う 歌う
雨音のバックミュージック
水たまりの足はパーカッション
蹴り上げて、傘を回して。
ヘッドライドはミラーボールか、
はたまた私を照らすスポットライトか
こんなに気持ちの良い雨は初めてだった
ずっと雨の中にいたい
ずっと降ってほしい
車もずっと走ってて欲しい
雨に溶け込む私が世界であって、世界が私のようだった
明日も雨だといいな
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