マレーシア航空からダイバートした分の足代を取り戻した話
概要
今年のゴールデンウィーク前後に、コロナ禍を経て4年ぶりに妻とインドネシアに行ってきた。帰りの飛行機は成田に戻るはずが悪天候の影響でダイバート(行先変更)し、まさかの関空に降ろされてしまう。さらにマレーシア航空のスタッフがいないため首都圏から関空に到着するまでの間はずっと機内で待機したあげくいつ飛ぶかわからない飛行機で成田に戻るか陸路で帰るかの選択肢を迫られる。帰りの交通費を請求し7ヶ月の交渉と入金待ちを経て一部取り戻したお話。
まずは、悪天候や残りの燃料を考慮しつつ無事に運行をしてくれたスタッフの方々に敬意と感謝を込めた上で本編に参ります。
払い戻しを求めた理由
インドネシアからの帰り、悪天候で成田からダイバートし関西空港に給油のため立ち寄り、東京に戻るかどうかのところでマレーシア航空のスタッフが勤務時間を超過してしまい、降機・入国・荷物受け取りに必要な手続きが不可能となりました。半日ほど機内で待ったのちにようやく飛行機を降りられ、飛ぶか飛ばないかわからない同じ便で成田まで帰るか、陸路で帰るかの2択を迫られました。有事の際の提携先なのかJALスタッフの支援があったものの、マレーシア航空からは関空から首都圏までの交通費の補償に関して明確な回答が得られず、後日カスタマーサポートに連絡するよう指示されました。(LCCでもないのにどんな対応や、、)しかし、払い戻し無しとの話しがなかったため、ここで交渉の余地ありと判断し、たたかいの決意を固めます。
払い戻しまでのプロセス
①最初に空港で配られた案内通り、電話で問い合わせたものの英語でのやり取りでは不利だと判断し、別の手段を模索。
②Messengerアプリで問い合わせたところ、レスポンスは割と早かったもののウェブサイトの問い合わせフォームに案内される。
③その後、2回のウェブサイトからの問い合わせを経て、2週間後にメールでのやり取りが始まり、たらいまわしにされてようやく交渉段階に入る。
④メールにてやりとりしていた担当者が退職し別の担当者と交渉。(返信履歴がしっかり残っており、スムーズに引き継ぎしてくれたのでよかった。)
交渉の内容
マレーシア航空側の主張:
悪天候のダイバートは不可抗力であり、通常は払い戻しを行わないとの主張。
こちらの主張:
飛行機はダイバートされたものの、関空から成田への再飛行が決定されてからの勤務時間超過によるキャンセル扱いであり、マレーシア航空の責任だというもの。乗務員からは払い戻し不可という説明はなく交渉の余地があると考えている点。(翻訳はDeepLにやってもらった)
結果
関空から新横浜までの2人分の交通費として約65,000円請求し、4ヶ月後に約半額の31,000円の払い戻しの決定の連絡をいただいた。払い戻し手続きとして、署名やパスポートのコピー、航空券のスキャンなどの手続きが必要で、国際送金はドイツの銀行を経由してゆうちょ銀行口座に行われた。振込の確認は12月中旬で、飛行機の行き先変更をしてから合計で7ヶ月かかった。途中で音信不通になるリスクもあったので半分返ってきたなら及第点。
飛行機に200人以上は乗っていたと思いますがほとんどの外国人は20時間ほどそのまま飛行機に乗っていて目的地の成田まで戻ったのでは無いかと思います。途中で降りた人は日本人が多く、ここまでの交渉と忍耐で払い戻しを得た人は1人もいないんじゃないかというレベルでした。
金額云々よりも対応と説明に筋が通っているかいないか、納得できるかどうかということが個人的なポイントとなりました。
本業の折衝や調整に比べたら航空会社とのやりとりはかわいいものだと感じるほどには鍛えられているのかと思います。交渉のコツは無期待、無感情で淡々と論理的にお話を続けることかもしれません。
これにて年を越さずに航空会社とのお話は成仏できたような気がします。