ガチョウのいる暮らしとそれを体験できるまち
「くわぁ」長閑な声をあげながらガチョウが歩いている。
水辺はキラキラと輝き、風が心地よい。
遠くでも近くでも鳥や虫の声が聞こえる。
暑さを感じる時には木陰に入ればひんやりと涼しく。
寒さを感じる時にはひだまりでほんわりと暖かく。
人々はみなそれぞれのペースで働き、憩い、思い思いの時間を過ごしている。
視線の先には植物がある。
どの家にも必ず家よりも大きな木が生えている。
地面はどこもたいてい草が生えていて、ガチョウがせっせと草を食み、手入れをしている。ガチョウがせっせと手入れして食べていて何も心配がない。それは畑も花壇も同じ。
人だけではない生命の営みを感じられる。
ガチョウを飼っていない家の住人もガチョウをこよなく愛している。まちの中には水路がめぐり、住人は水路を大事にしている。
ガチョウが遊ぶ池にはトンボやホタルといった昆虫が集まる。
ここはガチョウを愛する人々が集まってできたまち。
だからガチョウの賑やかな鳴き声に目くじらを立てる人はいない。
だれもがあー〇△さんちのガーコがないている、そういえば今日はお客さんがくるっていってたな。
◇〇さんちのがっちゃんの声だ、おかしいな今日はでかけるって言ってたけどな。と、ガチョウの声でどのうちのどの子かがわかり、ガチョウはまちの番犬ならぬガチョウ番鳥をつとめている。
カフェではお客様の足元をつつき、かわいらしくパンをねだる。
ガチョウのいるレストラン(フォアグラは出さない)
ガチョウのいる宿
ガチョウのいるパン屋
ガチョウの羽で作るアクセサリーやインテリア
ガチョウの絵
ガチョウの置物
ガチョウの音楽
ガチョウの物語
ガチョウがいるだけで風景は童話的、絵画的となり、その背景となる建物もどこかノスタルジックな印象を持つ仕上がり。
日中は様々にガチョウやその風景、物語のような世界観に会いにやってくる人々でにぎわい、夕方からは宿泊客と住人だけ。時折ガチョウの声が響く以外はひっそりとした穏やかな静けさが訪れる。
私が住みたいと妄想している「ガチョウとの暮らしを楽しめるまち」のおはなし。
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