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転職が難しい、ハードルが高いと感じている人にお勧め

 近年の転職市場は、総務省が発表した「労働力調査(詳細集計)の2023年平均結果」によると、転職者数は328万人(前年対比で25万人増加)です。転職希望者数も1007万人(前年対比で39万人増加)と7年連続の増加で、1000万人台を超えています。転職者は男性が151万人(前年対比12万人増加)、女性が177万人(前年対比14万人増加)で、女性の方が多くなっています。

統計局ホームページ/労働力調査(詳細集計) 年平均結果 (stat.go.jp)

「ゼロストレス転職」は退職学の研究家である佐野創太氏による書籍です。

 この書籍は、転職のハードルを下げる手助けをしてくれるものだと感じました。私は偶然、書店でみかけて手に取って冒頭を読み、内容に非常に興味を持ち全部読んでみたいと思いました。
書籍を読んで特に私が印象に残った3つのことについて、触れてみます。

1.自己分析

 転職活動というと自己PRからスタートする人も多いのではないでしょうか。私自身も就職活動や転職活動を行ったときは自己PRを作るところからはじめました。しかし「自己PRは作るのが難しい。」と感じている人は多いです。

 筆者は、書籍の中で「強みは、見つけるというよりも「出会い直す」という発想が必要です。」と述べています。つまり発想を変えて他者に見つけてもらうことが必要であるということです。この部分について、私自身も共感しました。

 自分で見つけるものと思い込んでいた考え方が変わり、他者の自分に対して発する言葉や、何気ない一言に注意するようになりました。強みがわからないという人はぜひ参考にしてみるべきだと思います。

2.企業分析

 転職活動において、どの企業を受けるかは大事な要素の一つです。どうやって優良企業を探すかは、誰もが気になるテーマです。実際に働いている知り合いに聞く、転職サイトの口コミを見るなどが主流だと思います。しかし実際に働いている人に聞くのは、限度がありますし、転職サイトの口コミは信ぴょう性に欠ける場合も多いです。

 筆者が、書籍で紹介しているのは、経済産業省が公表している「グローバルニッチトップ企業100選」を確認することです。
2020年版グローバルニッチトップ企業100選(METI/経済産業省)


 ニッチとは参入している企業が少数の隙間産業のことです。経済産業省が公表しているグローバルニッチトップ企業は、この分野で高いシェアを持ち、経営を行っている中堅企業を指しています。

 転職活動や就職活動をしていると名の知れた大企業だけを受けようとしている人は大勢います。確かに親の目など世間体を気にすると大企業だけを受ける気持ちはわかります。しかし現実的な就職活動や転職活動を行う中で、大企業のみ受けていたのでは成功するとは限りません。確実に転職を成功させたいと考えるのであれば、経済産業省が公表しているデータも利用し、活動するのがよいと考えます。

グローバルニッチ企業は独自の商品やサービスを持っているため、唯一無二の地位が固まり、モンスター企業になりにくいと筆者は述べています。つまりモンスター企業にならないような好循環があり、顧客の支持が集まりやすく商品やサービスに磨きがかかるということです。

 転職活動や就職活動をするときは、自身の視野を広げて企業を探してみることが大切だと感じました。大企業よりも待遇のよい会社はたくさんあります。実際に私の周りにも大企業、中堅企業に勤めている友人がいますが、手当や貸与品などの待遇は大企業に劣っていません。

3.応募書類

 転職するときの応募書類といえば、履歴書と職務経歴書がセットです。ちなみに履歴書と職務経歴書は何のために必要か考えたことがあるでしょうか。筆者は、書籍の中で特に再現性が大切であると説いています。これまでの経験の中で入社後も発揮できる能力は何かという問いに応える必要があります。その証拠として提示する資料が、履歴書、職務経歴書です。

 企業が何を求めているかを知れば、応募書類は書きやすいと感じました。なぜなら書くべきことが自ずと決まるからです。企業が求めていることを知らずに的外れなことを書いても当然、評価されないことが改めてわかりました。
 すごい実績より再現性を意識し、応募書類を仕上げれば、企業の採用担当者にささるものが出来上がるのではないでしょうか。いかに優秀かをアピールするものと考えていた私にとっては、目線が変わりました。この部分は、非常に役立つと思います。転職しない場合でも日々の仕事の中でこの仕事のこの経験は、他社でも役立つという意識が持てました。

4.最後に 


 転職が身近になってきた近年、自分の仕事について見直す機会もあることと思います。今すぐ転職はしないけれども転職のことが気になるという人、転職しようと思って今から行動しようとしている人、さらに新卒で就職活動をはじめようとしている人には、ぜひ一度手に取って読んでみてほしい本です。


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