電気と、うなぎのぼりと、天ぷらの話。
日本全国、6月から電気料金が上がります。
天ぷら屋として、いろいろ気になりますが、一番は魚介類の市場での価格の値上げです。
漁船を動かす重油も上がっていますが、陸に上がってからの、冷蔵コスト増がこれに追加されます。
さらに日本近海は、魚を取りすぎて、今の漁業では資源の回復が見込めないほど減っています。
魚が一層嗜好品になっていきます。
そして近海のいい魚は外国に買われてしまうとも聞くようになりました。
十年以上前、日本でこれからも安定的に食べられるものとして、さつま芋とスルメイカが挙がっていました。
2つともうちの店の人気商品だったのですが、スルメイカは、今ほとんど採れません。安い時の5倍になった時点で買うのを諦めました。
さつま芋も、時どきあれっ、と思う質のものが入荷したことがあり、今後大丈夫かと、少し気になります。
うちの店では魚の天ぷらの値段を次第に上げているので、買う人が少しずつ減っているのを感じます。
今は、野菜類の天ぷらや、かき揚げ類を買う人が増えました。値段の割に食べごたえがあるからでしょう。
そんな中で、一つ不幸中の幸いがあります。
一番人気だったスルメイカのかき揚げですが、これを揚げると、油が痛むんです。
こればかり注文が来て揚げると、油の色も黒くなり泣きたくなるのですが、スルメイカを揚げなくなったことで、油が痛まなくなり、油の透明感も増して、確実に美味しくなりました。
一番人気だったスルメイカがなくなり、一時はそれ目当てのお客さんが減ったのですが、油の質の向上で、わずかばかりでも次第に新しいお客さんが増えてきている気がします。
いま手軽で美味しい野菜の天ぷらが、嗜好品になる日は近いかも、それを意識していろいろ考えています。
天ぷら屋は、小麦粉と油が入らなくなったら終わりなんですが、流石にそれはまだ大丈夫であって欲しいです。
それでは、また明日からの一週間、頑張りながら、適当に酒を飲みながら生きていきます。
おやすみなさい〜