真夏には 店が火事場で シシカバブ
東京地方、週末は暑い日が続きました。
持ち帰り専門の天ぷら屋が一番忙しい時期は今。梅雨なんです。
雨降る季節なのに?という人もいらっしゃると思いますが、梅雨の時期は気温だけでなくて湿度が高いので、のど越しの良いそうめんを食べる人が多く、そうめんは茹でるけど、他に何もしたくない人が天ぷらを買いに来られる。
今年は梅雨に入っても、あまりお客さんが増えずに「あれっ」と思ったのですが、この二日間は忙しく仕事を終えて、休日の日曜日を迎えることができました。
天ぷら屋の夏は、すごいんです、室温が。
外が38℃の日は、調理場は当然もっと暑い。
もっと暑い上に、火を抱え込むように鍋の前にいるので、悲劇を超え喜劇的な暑さです。
25年以上、そんなことをしていると、少しずつどうすれば身体が持つか分かってきます。
若い頃はエアコンを使うのは「負け」だと思って使わなかったのですが、今では仕事中以外は使います。
昼休みや就寝時。
いつもぎりぎりの弱冷房運転をしているような温度が一番楽なので、少しずつ温度を下げていきます。
ゆっくり体と室内を冷ましていきます。
(熱された室内の壁やベッドの温度を下げないと、空気だけ冷えていても駄目なんです)
そして、一度身体を冷まし切った朝や昼休みの後、エアコンをかけない暑い仕事場に行くと、ゆっくり動き出して、ノロノロ仕事を始めます。
少しずつ汗が出てきます。身体が日々の高熱に慣れてくると、不思議なもので、必要な分だけの汗をかけるようになるのです。(慣れるまでは汗をかきすぎる)
見事に、身体全体が自分の汗で薄くコーティングされるのです。
こうすると、身体が楽になり、動き出せます。
暑い季節のピーク時は、火の前にいるとまるで、自分がシシカバブで焙られている肉みたいに思えます。低温調理でずっと遠赤外線を浴びている感じ。
うちの店は、路面店で店頭が開放されているので冷気が外に出てしまいエアコンをかけないのですが、エアコンをかけたとしても、身体の一部しか冷えないので、逆に体調を崩しやすく、業務用冷蔵庫の排熱部分を冷やさないといけない時以外はかけません。
去年気づいたのですが、夏は外からの光も強いので、日中は店内のほとんどの照明を消して営業するようにしました。
すると、それだけでも、体感気温が下がるんです。
頭寒足熱がいい、なんていいますが、調理場は逆で、足元のコンクリの近くの方が温度が低くて、暑い空気が頭上に溜まるので、バランスがとても悪いのです。
なので、照明から受ける熱(LEDであっても)を減らすだけでも確実に楽になります。
とまあ、涙ぐましい努力は書き出したらキリがない。
そんな夏の楽しみは、仕事が終わって、寝る前に自転車に乗ること。
うちの近所は、都電や東北本線などが通っていて、そういう線路沿いって、風が流れるんですよね。
夜にゆっくり自転車をこいで、心身の冷却をすると、なんか自律神経が生き返る気がするんです。
今日も、一週間を終えて、久しぶりに自転車で夜、30分ほど走りました。
明日の休日は、嫁さんが一日いないので、ほとんど家事や店の用事などで終わってしまいます。
ちょうど暑い日だから、自転車にあまり乗れなくてもいいか、と思いつつも、日曜日に自転車にゆっくり乗れるっていうのは、幸せなことなんだなあと思いながら、ゆっくり土曜日の夜のサイクリングを楽しみました。
サイクリングの最後にコンビニでハイボールとサンドイッチを買って、最後の仕上げ。
それでは、みなさん、よい日曜日をお送りください。