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デザイン初心者は「表現する事」を知るために写真を撮るべき、という話
元WEBデザイナーが、デザインの事についてつらつらと書いていきます。今回は表現意図、表現力を養う練習としての写真撮影ついて語ります。職業訓練、スクールでデザインを学んでいる人、就活中の人に読んでいただければ幸いです。
「自分で写真を撮る」行為を通して表現意図、表現力を養う
職業訓練、社会人向けスクール等はその目的、期間の関係で「デザインの仕事」で必要とされる最低限の技術とデザイン理論、ノウハウしか学ぶことができません。
職業訓練やスクールを経てデザイナーとして実際に仕事をする中で、自身のデザインの基礎力の無さ、表現する事に対する認識の甘さを感じる人もいるのではないでしょうか。
デザインの基礎訓練として、芸大、美大の基礎カリキュラムにはデザイン関連の座学の他、デッサン、平面構成、写真撮影、レタリング、シルクスクリーン等の実習があります。人によっては中学、高校の授業や部活動、美大受験の予備校(美術研究所)のカリキュラム等で、大学入学以前からそれらの実習科目を経験していたりもします。
この中で、デッサン、平面構成ほどハードルが高くなく、実際のデザインの仕事とも関連性があり、比較的簡単に表現意図、表現力を養う事ができる、「自分で写真を撮る」練習法を筆者はお勧めします。
高いカメラ、レンズは必要無い
この練習法の目的はあくまで「表現意図、表現力を養う事」であり、「綺麗な写真を撮るための練習」ではないので、本格的な撮影機材、高いカメラやレンズをそろえる必要はありません。写真が撮れるのであればスマートフォンで十分です。
「高価なカメラ、高価なレンズを使えば写真が上手くなる」という考えは、「Photoshop、Illustratorを使えるようになればデザイナーになれる」という考えと根底部分が共通しています。
そして、どちらの考え方も、道具の性能だけに頼ってしまって本人の能力の上達に至らない、という結果になってしまいがちな事も共通しています。
デザインも写真も、その本質は道具とは別の領域にあるという事を理解しておきましょう。
押さえるべきポイントは「主題、状況、演出」
素人さんがSNS投稿のために撮る写真のように、考えもなく適当に撮っていたのでは練習になりません。ポイントを押え、自分が表現したい事、表現するためにどのような工夫をすればよいかを意識して撮影に臨みましょう。
押さえるべきポイントとしては
主題を明確にする
主題が置かれている状況がわかるような構図を考える
現場の空気感、情緒的なものを演出する
の3つが挙げられます。
状況と演出については、トリミング、レタッチで後付けの追加、修正がある程度可能ですが、現場の光源、環境、空気感、シズル感等の質感はその場所の、そのタイミングでしか撮影する事ができません。
その現場でしか得る事の出来ない、「臨場感」が得られるように工夫しましょう。
PCと他人から与えられる課題から離れて、表現とは何かを学ぶ
PCスキル、ツール操作のスキル、ネット上にあふれているデザインテクニックに終始するのではなく、もっと根本的な「表現するという事はどういうことなのか」「表現を意図するというのはどういう事か」を、これからデザインを学ぶ人、デザイン初心者はもっと良く知るべきだと筆者は考えます。
PCから離れ、他人に与えられた課題をこなすのではなく、自分の意志で表現する練習を繰り返して、「表現するという事」がどういうことなのかを学んでいきましょう。