イヤリング
この1,2年でイヤリングが好きになったことに、ひょんなことから気がついた。
それはムスメのひとことが、きっかけ。
「あれ、おかあさん!お耳つけてないじゃん!」
そう言って、ダイニングテーブルに置きっぱなしのイヤリングを手渡してくれた。貝殻のような、モザイク柄にも見える、まんまるのイヤリング。夏らしくて最近よくつけていた。
あとよくつけるのは、キラキラした刺しゅう糸で作られているものや、ハリオのガラスシリーズ、スズランモチーフ。このシリーズはどれも可愛くてうつくしくてたまらない。
10〜20代の頃、イヤリングはおろかネックレスや指輪などのアクセサリーをつけることもあまりなかった。一時期は、キラキラふりふりの「ザ・女子」なものも、意識的に避けていた。
もっと遡れば、小学校で使うランドセルは当時ほとんど見なかった「こげちゃ色」を選んだ。女の子は赤かピンクの方がいいと家族は反対したけれど、絶対にこれと譲らなかったらしい。とても気に入っていた、こげちゃ。
でも、すれ違いざまに「え?!男の子?!」なんて言われることもあり、そのたびに胸がちくっとしたなぁ。
「男でも女でも、こげちゃ色が好きなんだからそれでいいじゃん。ケッ。」
なんて思いながら、すこーし早く思春期の入り口に立ち、見えない敵と戦っていた6歳くらいの私。ナイスファイト。
歳を重ねて当たり前にさまざまな感覚が変わってきたけれど、ファッションは見た目にも顕著に表れているからわかりやすい。雑誌でいうと、10代はZipperやCUTiE、20代はminiやnon-noあたりをウロウロしながらリンネルに落ち着き、30代に入ってからは特集内容や付録によってリンネル・FUDGEあたりを選んでいる。
三十路なんて別名もあるし、なんとなく成人(20歳)の次の30歳は「区切り」のような意識があるけれど、もれなく30歳を節目に大きな変化が起こりまくっている。
ファッションでいうと、これまでずっと避けていた黒という色を「なんかいいかも」と感じて身につけるようになった。さらにイヤリングまで好んでつけるようになったのだから、昔の自分からは想像もつかない仕上がりになっているだろう。
想定の範囲で、予想の通りに進んでいくことを「うまくいく」ということも多いかもしれないけど、思ってもみなかった方向に進むのもけっこう楽しいし、悪くないな、と思う。