ハーフ・オブ・ミー
2023/12/14
棒アイスを食べた。残った木の棒を念入りに見て、「あたり」の文字がないことを確認する。よかった、ない。このアイスははずれだ。
僕は木の棒に、マッキーで自分の名前を書く。できるだけ丁寧に、綺麗に書く。なかなかいい出来だ。
近所の公園に出掛ける。かなりでかい公園で、中に森がある。僕はそこに分け入り、人目に付かない場所にしゃがみ込んだ。土を集めて盛る。小さな丘ができた。それに、さっきの棒を刺す。
僕はここに、僕の片割れを埋めていくことにした。いわゆる「弱い自分」をだ。そう、これは僕の墓。
手を合わせて、祈る。今はただ必死に生きていて、具体的に祈ることなんて何もない。でも僕は祈った。何に祈るのか、何を祈るのか、何のために祈るのか。そんなことはどうだっていい。漠然とでも幸せを願えるのならば、今はそれでいい。
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