ベジタリアンにとってのタバスキ犠牲祭in セネガル

私はベジタリアンだ。肉と魚を食べない。
胃に合わないからベジタリアンになれたが、心が繊細なのか動物の殺傷は好きじゃない。

2022年は7月に行われたタバスキとは犠牲祭だ。イスラム教徒の友人から聞いた話だが、神が、神の言葉の伝承者である、イブラヒマに、どこまで彼が神に忠実にならるかをテストするため、かなり歳をとってから苦労して生まれたたった一人の息子を殺すよう夢で告げた。
神に忠実なイブラヒマは、妻と息子の了承を得て、息子を殺そうとしてナイフを刺したところ、切れず、3回目に刺したら息子の身体が羊と入れ替わってた。
そこからこの日は神のためへの犠牲祭として羊を死止め、セネガルでは一年の中でも1番大きい祭りとなる。

タバスキの日の一週間前くらいから道路にいる羊の量が増える。タバスキ前日にはどの家の前にも羊が何匹がいる状態になる。男性は頑張って稼いだお金で高い羊を買う。羊の金額はピンからキリまであるが、数万円で買えるものもあれば、20万以上するものもある。

タバスキには1番高い洋服を作るので、1ヶ月くらい前から布を買い、洋服を仕立てる。女性は家族全員分の新しい布と洋服を仕立てるのに大忙しだ。

タバスキ当日は、お祈りから始まり、朝9時以降に家族の男性がひつじをしとめる。その後その羊を調理するのは女性の仕事だ。
大量の羊肉を切って、いろんな料理を昼食分と夕飯分作る。
その間、お金を稼いで羊や洋服代を用意した男性の責任は終わり、部屋でご飯かできるのをまーったり待っている。

夕方17時ごろ、お昼ご飯の準備が出来る。
家によって多少ご飯は異なるが、私がお邪魔したお家では大量の焼かれた羊肉。そしてアメリカや日本に住んだ経験の多い家柄なのでサラダやグラタン、コロッケなどが出された。

ご飯を食べた後、女性は綺麗な洋服を着て、お化粧を始める。綺麗に着飾ったら写真やTiktok祭り(今セネガルで流行ってるSNSで、短い動画)を撮りまくる。流行りの音楽をバックにしっかりSNS用のライトを照らして、カメラ目線で満面の笑みを浮かべ踊って口パクする動画を撮りまくるのだ。
夜22時くらいに昼の残りを夕飯として食べて、解散だ。

セネガル人はこの日を神に自分の忠誠心を誓うとても楽しいハッピーなお祭りの日だ。

だが私にとってはとても辛かった。
日に日に増えていく道端にいる羊達。
その子達が一気に大量に殺傷される日。
それを思うだけでもとても気分が悪くなった。
実際に殺されるのを見たわけではないが、殺す直前羊を引きずっているシーンや、殺傷された後、家の前に穴を掘ってそこに血を入れるんだがそれはちょっとでも外に出ると見ざるを得ない。
家の一階を覗くと大量の生肉。
何にもしないで美味しいご飯をいただき可愛い洋服まで貸してもらった日だったが、ドッと疲れてぐったりした一日だった。


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