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0302 Barco TLD+0.37 L字レンズ

今日紹介する機材は特に最近お勧めしている機材。

Barco社製のTLD+レンズ 写真にある通りL字に曲がっている、それだけで超絶な光学性能を持っていることがうかがえる。
このレンズを使うことによるメリットは大きく2つある。

①超短焦点である。
とっても短い距離でとっても大きな映像が投影できるという事である。
それがレンズ倍率にもある「0.37」という数字である。
これはざっくり言うと投影したい幅x0.37が引き距離である。
例えば4mワイドの映像を投影したい場合はたったの約1.6m距離を取れば投影できることになる。
これを20000lm以上の大型プロジェクター対応レンズで可能にしてきたのは画期的である。

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どれぐらい近いのかのイメージは写真を見てもらえばわかると思うが、これはリアスクリーンに投影している時の写真だが、こんなにスクリーンに近づいていいのかと思うくらい近い。
この引き距離の問題というのは、ステージングの世界では非常に問題視されていた事であり、演出としてプロジェクションを使いたいが、引き距離がとれないが故に大きく投影することができない問題は長年あたりまえのようにあった。
舞台図面を送ってもらって検証してみて、これは投影できないですねーと何度NGを出したか数え切れないぐらいある。
その当然無理であろうところに颯爽と現れたL字0.37レンズ、この驚くべき引き距離の短さの需要は他分野で必要とされているはず!

②脅威のVシフト
さらに圧巻なのが、V方向のシフト量である。スペック上は+-150%と書いてあるが、この至近距離での150%という量はえげつない。

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これは倉庫でテストした時の写真だが、床においてあるのがプロジェクターである。その投影した光が壁に映っているが丸の下端が映像下端である。
プロジェクターと投影されている映像の位置関係に違和感を感じるほどだ。
これが出来ると何がすごいのかと言うと、設置の自由度が高まるわけである。
映像がお客さんから見えていてもプロジェクターは隠れた場所に設置することができるようになる。こんな至近距離なのに。。。
普通こんなに映像の四隅に距離差が発生するとフォーカスが全部合わないことが普通だが、それもこのレンズ独自のフォーカス調整により合わせてくる。ミノルタの光学設計やばすぎるだろ。

以上のようなメリットが大きいがまだまだこのレンズには魅力があるので追って書きたいと思う。
ちなみにお値段もびっくりする額で他の倍率のレンズ数本分の値段がする。

たとえ光学だったとしても、このレンズじゃなきゃ出来ないという演出をすることができるのがこのレンズの魅力である。ニッチ界の更にニッチなレンズである。
海外ではいろんな使われ方をしているので、日本でももっともっとメジャーに出来るよう提案して現場に落とし込んでいきたい。

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