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【登壇情報】「最先端DXセミナー ~VR業界の最新動向とDX手法~」にて弊社顧問の濱﨑先生が登壇!

こんにちは!広報担当の天野です。

9月6日(金)に、イノベーションハブひろしまCampsにて開催された、
経済産業省中国経済産業局株式会社ビーライズが共同主催の講演会に
弊社のDX推進部顧問である濱﨑が登壇させていただきました。


プロフィールと経歴

株式会社TD Holdings DX推進部顧問 濱﨑俊彦

東芝総合研究所での「3次元IC技術」プロジェクトを皮切りに、Burr-BrownやTexas Instrumentsでの経験を経て、広島工業大学で約14年間「第一次産業DX、低消費電力、IoTシステム」の分野で教授を務めた。
現在は、広島工業大学の名誉教授、メイドインひろしまIoT協議会の顧問、その他の研究会に参加するなど、多岐にわたる取組みを行っている。

イベント概要

中国地域から最先端デジタルテクノロジー等を活用して、新しい未来を創るための「仲間」を集めたオープンイノベーション組織「デジタルアメーバ」の取り組みの一環として実施された、経済産業省中国経済産業局と株式会社ビーライズの共同主催のセミナーイベントです。

このセミナーの目的は、VRを活用したDXや省力化投資のきっかけづくり、VR事業者とのマッチングを支援することです。また、参加者がVR技術の最新トレンドやビジネス活用方法を深く理解し、その価値を実感することを目指しています。

今回、5名の講演者のうちの一人として、弊社DX推進部の濱﨑顧問が登壇することとなりました。

当日は、リアル33名、オンライン94名の計127名の方が参加されました。

登壇者5名(左から)
経済産業省   津田 通隆様
Meta Reality Labs マラカド・ガレル様
株式会社日立製作所 沼田 崇志様
株式会社ビーライズ 波多間 俊之様
株式会社TD Holdings DX推進部顧問 濱﨑 利彦様

本セミナーは2部形式になっており、第1部でセミナーを行い、第2部でVR体験会・名刺交換会を行いました。

第1部 セミナー

①空間コンピューティングによる知覚のパラダイムシフト-XR技術の産業実装に向けた戦略仮説の検討

経済産業省商務情報政策局 情報経済課 アーキテクチャ戦略企画室 室長補佐 津田 通隆様

まず、経済産業省 商務情報政策局 情報経済課の津田様が「空間コンピューティングによる知覚のパラダイムシフト-XR技術の産業実装に向けた戦略仮説の検討」について講演しました。

ビジネス向けXRソリューション売上高は伸長する見込みだが、デバイス出荷量は既に頭打ちしており、この業界は2030年に予測された市場成長のギャップを埋めるための分水嶺に位置している。

本来、付加価値によって潜在需要が掘り起こされる(A)需要創出のサイクル、流通量増加による供給原価へのボリュームディスカウント及びそれに伴う消費者余剰を生じる(B)供給コスト改善のサイクルで市場規模が拡大するメカニズムが生ずるべきところ、コンシューマー向けVR市場においては、ハードとソフトの鶏卵問題(キラーコンテンツが無いとハードウェアが売れない、いいハードウェアがないと良いコンテンツが作れない)を甘受しながら顕在需要を消費する「焼き畑農業」に陥っている。デバイス出荷量の頭打ちは、これを継続したことによって顕在需要が枯渇し、(A)(B)のサイクルが止まるグリッドロックが構造的に発生している証左だと考えられる。

焼き畑農業戦略により麻痺したサイクルを正常化するためには、コンシューマー向けVR市場から、現実を基盤としているためサービスの供給コストが低く、かつ購買力余力のある産業用途向けAR/MR市場にセグメントを転換し、収益を上げながら業界全体の基礎体力を向上することで、その利益をVR市場に還元する戦略が有効と考える。

その際には、将来的に需要が枯渇しない市場の選定が重要であり、人間中心社会からの逆算で、人間の業務が機械に奪われない「最後の聖域」(医療や製造業の職人技などの高付加価値領域)をXR/空間コンピューティング業界における持続可能な付加価値の源泉とすることが考えられる。また、新たな市場における「共有地の悲劇」を回避するためには、エコシステム内で共通のコストを分担し、それにより生まれた投資余力で得た利益を競争領域で健全に分配し、循環させることが重要。

輸送用/生産用機械、鉄鋼、半導体等の重厚長大系産業が集積する中国地方には、このようなエコシステムの先行モデルを作り、全国や全世界に展開しながら、持続可能な市場拡大を目指すことが求められているのではないだろうか。

津田様より

②MR/VRでビジネスがどう変革するか

Meta Reality Labs B2B 日本事業統括 マラカド・ガレル様

次に、Meta Reality Labs B2B 日本事業統括のマラカド・ガレル様が「MR/VRでビジネスがどう変革するか」について講演しました。

VR市場は多くのユースケースがあり、その効果の大きさからビジネスで広く使われている。Metaは「人と人をより身近にすること」を目指し、VR製品を提供している。その歴史としては、2014年にOculusを買収し、2016年に初めて製品を市場に出した。Quest2を日本で初めて発売し、PCに繋がなくても単独で使えるようになった。2023年にはQuest3を発売し、AR・MRを包括的に楽しめる状態になった。
VR製品のユースケースとして特に注目されているのは、学習・トレーニングデザインである。例えば、危険物を扱う企業での、ガス漏れのリアルなトレーニングや、大学での実験の補完などがある。また、建築業界では、VRで完成イメージを確認し、工事前に修正を行うことが可能になった。
Metaは、「ハードウェア、ソフトウェア、成長するエコシステム」を通じて「ビジネスのありかたの進化」に貢献する企業だ。他社と協力してメタバースを構築し、日本の技術を取り入れたハードウェア開発や、企業向けのセキュリティとデバイス管理も行っている。今後も進化が期待される分野だが、現在でも楽しく使える技術のため、ぜひ試してみて欲しい。

③XRをドライブする半導体技術の着実な進展

株式会社TD Holdings  濱﨑 利彦 顧問

次に、株式会社TD Holdingsの濱﨑顧問が「XRをドライブする半導体技術の着実な進展」について講演しました。

テクノロジのハイプサイクルでは、2022年メタバースは黎明期を迎え、2023年には幻滅期を迎えると唱えられた。しかし、これは次のフェーズに進むための良い兆候と私は考えている。これを基に、CESではメタバースやXR技術の活用が議論され、デジタルツインユースケースインダストリー4.0が注目された。
VRヘッドセットには約9つのセンサーが搭載され、電気信号を処理し、加速度センサーなどを使って空間を認識することで、現実世界と仮想世界を融合させる。ユースケースを広げ、技術を効果的に活用することが求められており、ワイヤレス化が進むことで、より自由な体験が可能になる。

真剣に話を聞いている方々

予測技術は80年代や90年代から信号処理によって発展し、現在ではAIがエッジコンピューティングに組み込まれている。AIの進化により、膨大なデータから正確な予測が可能となり、特に自動車産業では2030年までに大きな成長が見込まれている。
半導体技術は消費電力の低下とともに進化し、エネルギー効率が向上している。2037年までの技術ロードマップも確立されており、今後の投資が重要。
半導体技術はアナログとデジタルの境界を超え、新たなXR体験を生み出す鍵となり、DXにおけるイノベーションを促進するだろう。

④XR技術を駆使して作業の『お手本』を見せる技術

株式会社日立製作所 研究開発グループ デジタルサービス研究統括本部
計測インテグレーションイノベーションセンタ 沼田 崇志様

続いて、株式会社日立製作所の沼田様が「XR技術を駆使して作業の『お手本』を見せる技術」について講演しました。

日本では人口減少に伴い労働者が不足している。熟練者が複数の現場に行くのは難しいため、XR技術を使った遠隔作業支援システムを考案した。このシステムを用いることで、従来のOJTに代わり、XRを使って仮想的に現場に出入りし、遠隔でお手本を見せることが出来る。これにより、熟練者が複数の現場に行く必要がなくなる。また、指導を受ける人は、熟練者がいなくても視覚的に指導を受けることができるため、安心して作業ができると考えた。
このシステムの重要な点は「現地の状況を把握できること」と「現場の人にお手本を見せること」である。そして、「現場で自由に動き回りたい」「あらる角度から現場を見たい」「お手本を自由な位置で見せたい」という3つの現場の思いから考えられた。
このシステムは、リアルタイムで熟練者と現場をつなげるだけでなく、仮想空間に蓄積されたデータを使って指導も可能。まだ改善の余地があるため、現場の方を支援するために今後も取り組みを続けていきたい。

⑤DXの課題とVR技術による未来の社員教育

株式会社ビーライズ代表取締役CEO 波多間 俊之様

最後は、主催者である株式会社ビーライズ代表取締役CEOの波多間様です。
ここでは、「DXの課題とVR技術による未来の社員教育」について講演しました。

現在のDXの課題は、人に焦点が当たっていないこと。技術導入にばかり目が向けられ、導入後の将来像がイメージできていない現状がある。
そこで、VRを活用することで、イメージ共有に革命を起こすことが出来る。VRを使うことで、説明が2Dから3Dに変わり、言葉だけでは伝わらなかったことが視覚的に共有できるようになる。これにより、同じイメージを共有することが可能になる。
さらに、教育の方法もVRを用いることでより効率的に行えるようになるかもしれない。
技術の力を借りて、人間はもっと楽になれるのではないか。
それこそがDXの本質ではないだろうか。

第2部 VR体験会・名刺交換会

VR体験中

セミナー後にはVR体験会と名刺交換会が行われました。
私も先日、弊社の可部事業所で同じ体験をしましたが、その時の新鮮な驚きを体験者を見て思い出しました。
👇体験の様子はこちらのnoteでご覧ください👇

おわりに

今回のセミナーはとても有意義な時間であり、最新のDXやXRのトレンドについて多くのことを学ぶことができました。講演者の皆様の話は非常に高度で、自分の知識不足を痛感しましたが、それだけにこれからの学びへの意欲が高まりました。

参加者のみなさま

また、セミナー後には参加者の皆様と交流する機会もあり、多くの刺激を受けました。今後もトレンドに敏感になり、さらなる知識の習得に努めてまいります。

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