叡啓⼤学の学生さんに「新規事業の戦略」を考えてもらったら、予想外の事業戦略が!?
こんにちは!東洋電装の坂本です。
叡啓⼤学の早田教授にご招待いただき、外部講師として講義に参加いたしました。「地域活性論」の授業では、企業を分析し、戦略を考えるというワークショップ型の授業を取り入れており、様々な企業の発展を通して地域活性化を考えるというカリキュラムです。CVCA(Customer Value Chain Analysis)を学生が駆使してビジネスを考えるハイレベルな講義でした。
https://otepipi.hatenablog.com/entry/2019/05/06/232009
画像参照:ビジネスモデル図解とCVCA(Customer Value Chain Analysis)を比較する
90分の講義の内容は?
今回は1コマ90分間で東洋電装グループの株式会社ZIPCAREの経営戦略について学生に考えていただきました。
講義の流れとしては、まず私が簡単な企業説明とサービス説明をした上で、
介護業界の課題とトレンドをお伝えし「介護事業において、どうすれば、より付加価値の⾼いサービスを実施できるか」について考えてもらいました。
グループワーク4チームの発表
全員で20名の学生が、4チーム(5名)に分かれて発表してもらいました。
チームA 介護施設内における移乗介助ロボットとの連携
介護福祉士までもロボットになることを想定したときに、常に施設内をロボットが巡回をしているがデマンド方式で呼ぶこともできるサービスを考えられました。
単純に「まもる~の」と「ロボット」を組み合わせて使うだけでなく、それを新サービス「みまもルーノ」として展開する。
坂本コメント
デマンドというのが面白い視点ですね!ロボットといえば常に効率化を考えがちですが、あえてデマンド方式(ご利用者から呼ばれたら向かう)という人間らしさを残したユニークな発想ですね!
チームB 製品が世の中に浸透していないので、まずお客さんへの理解と安心を届ける
プロダクトの説明を聞き、触ってみると良さや価値が十分に伝わるが、世の中ではまだ理解されていないので、価格に対する付加価値をもっと表現したほうがよい。
導入することによって、介護の市場=大変という固定概念を覆すとシェアを取れると。
データの可視化が良さを伝えるために有効。
坂本コメント
非常に鋭い視点ですね、まさに私達もサービスの価値を理解してもらうために試行錯誤しているところです。介護施設の見守りロボットは、全国の介護施設にまだ13%ほどの施設にしか導入されていません。これからの市場ですね!
チームC ベッドメーカーと組んで『ベッド内蔵型まもる~の』を作る
製品を内蔵したベッドであれば、より多くの人に届くのではないか。
もっと世の中に広めるためには、「使用イメージの訴求」と、「データの可視化」が重要だと考えている。ヘルパー=ZIPCAREくらいのイメージをもってもらうことが目標。
働き手にとっては、負担が減り「介護=大変」のイメージを覆すことで雇用機会の創出にもつながる。
坂本コメント
ベッドメーカーと組むのはいいですね!様々な企業と共創することで、新しい価値を生み出すことができます。頭を柔らかくして事業を伸ばす発想が大切ですね。
チームD 自宅介護者へ向けたサブスクリプション
高齢者や重度障害者などが、「まもる~の」を短期での利用が可能になる。
サブスクリプションの短期での利用は、ハードルを下げられると思う。
データ活用で病院との連携もできて在宅介護のケアに活かせる。
坂本コメント
情報としてお伝えしていなかったですが、実はサブスクリプションは実施しています!わたしたちはユーザーのニーズに答えるために積極的に取り組んでいます。データ連携はどのようなデータをどう連携するのか深掘りしたいですね!
40分間で経営戦略を考えるのは非常に難しかったと思いますが、
予想を超えたアウトプットがでてきて驚きました!
こちらの講義では、ビジネスを通して地域活性化をするカリキュラムをされているので、社会的な意識だけではなくビジネス視点での発想も豊かなのだと感じました。
今回のワークショップを通して、私も大きな気づきがありました。
最後のフィードバックは、大学生の頃の自分に対して伝えるようにお話させていただきました。
10001回目は何か変わるかもしれない
ビジネスの世界では、1,000件の戦略が企画されて100件の戦略が実行され1件の戦略のだけが上手くいくかもしれない・・・という感覚です。
そのプロセスにおいては、たとえ1,000回を挑戦して失敗しても「あともう1回、あともう1回」を繰り返せるかどうかが大事だと考えています。
まず「戦略を描けるようになること」が必要で、次に戦略を実行・達成できるまで「あきらめずやり切ること」の2つが重要で、ビジネスにおいては後者がより重要だと考えています。
「答えがない問題」に対して常に「仮説→実行→検証」を高速で繰り返しつづけられるか、時間と工数をかけて実施した仮説が間違ったとわかったときに躊躇なく切り替えられるかなど、事業戦略はイメージとは裏腹にとても泥臭いものです。だからこそ面白いと思える人は向いてるかもしれませんね!
今回の授業で学生の方々の強力なポテンシャルを感じました!
早田教授コメント
地域活性論にて事例を共有して頂きありがとうございました。業界における新規事業開発の実態を知ることができ、学生にとって有意義な時間になったようです。改めて地域課題解決ビジネスの可能性を感じました!
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