都合のいい男と都合のいい女
「青い花ちゃん、お誕生日いつだっけ?」
私の好いひとの言葉に呆れて崩れ落ちそうになる
・・・あのね、一昨年のお誕生日はお祝いしてくれたの。でも、去年のお誕生日は忘れ去られたままなの。50なのにお祝いしてもらってないのっ!だから私は永遠の49歳なのよ。
半年分の恨み節。
実は去年も同じ質問をされたのです。
「青い花ちゃん、お誕生日いつだっけ?」
で、私は。ふんっ、教えない。と、答えたの。
だから私が悪いっちゃ悪い。
前年お祝いしてくれたんだから、考えればわかるでしょ。と思うのだが、わからないのがこの人なんだ。そして、悪びれる事なくまた聞く。
この人に、試すとか期待するとか。そういう小賢しいことをしたところで何もないもんはない。
できない約束もしないが、その代わりに私がお願いした事は、できる範囲で叶えてくれる。
だから契約更改時(この人間関係を続けるか確認)に私のやりたい事リストを提出する。
どれなら叶えてくれるの?
「全部」
チョイス制にしたのに、全部叶えてくれるというが、全部叶った試しはない。それに、私の理想とはうんとかけ離れている。
こう見えて私の妄想は乙女チックなんだ。
これをやります、いつにしますか?予約しました。体とお金だけ持ってきてね、って私が全てお膳立てしないと、何ひとつ進まない。
甘い妄想や変な期待でもしたら、無駄なエネルギーを使う羽目になってしまう。(羽目になってた)
叶えてあげようって、その気持ちがあるだけで充分よ。今年のやりたい事リストも、私主導で私の願いを叶えてもらう♪
私はこの人のことを好いている。
でもこれは恋愛ではない。
こんないい歳した大人の色恋が全然わからないし、どこに向かっているのかも不明。
ひとりでできないことを、一緒に楽しんでくれる人が欲しいというのが、出会った時の私の希望。
関係性に名前をつけたくないというのが、好い人の希望。
程よく恋愛ごっこをしたい利害が一致した。
私が血迷ってこれを恋愛にしたくなっただけで。
結局私たちはお互いに、
都合のいい男で都合のいい女なんだ。
行先を失った、大量な私の恋心はあちらこちらに飛ばしておく❤︎
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