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リターンシップと市民開発者 ニューノーマルな働き方
(Disclaimer:Tokyo Creators' Projectの事業パートナーとなっていただいております株式会社ソントレーゾの藤野様によるゲスト投稿です。ソントレーゾ様のSNSでもご覧いただけます。)
リターンシップでキャリアアップ
株式会社ソントレーゾの藤野澄子です。
福岡市で市民開発者としてMicrosoft の Power Platform を活用した業務アプリケーション開発や教育支援の仕事と小学3年生と2歳の男の子の母を両立しております。
業務アプリケーションの開発は全くの初心者でしたが、2019年に福岡市で開催された「ママドラフト会議」という、再就職を希望する女性たちと、女性の活躍に期待して求人をする企業のマッチングイベントに参加したことがきっかけで、最初はインターンとして就業をスタートしました。現在はフルリモート&フルクレックスで時短正社員として勤務しています。
元々Web制作やWebマーケティング関連の仕事をしていましたので、全くの未経験からこの仕事を始めました。
最初は「ママインターン」として週3回1日5時間勤務で就業をスタートしました。
いきなりフルタイムで仕事に復帰することが難しい方もたくさんいると思いますが、勤務時間帯が柔軟だった事でチャレンジが可能になりました。
企業にとっても、諸事情により仕事のブランクがあったり、フルタイムや出勤しての仕事が難しいなど、仕事をしたくてもできなかった人材の活用に繋がると思います。
特に女性の場合、妊娠・出産・不妊治療・子育てとの両立・家族の転勤・介護など、キャリアが中断してしまうライフイベントが多く、働きたくても働けない環境の方は多いと思います。私自身も家族の転勤などで仕事を辞めざるを得ないことが何回もありました。職場でもたくさん女性が悩んでいる姿を見てきました。
リターンシップは悩んでる女性たちに新しいチャレンジの機会を提供出来る取組です。これからリターンシップを活用する企業がどんどん増えていってほしいと感じます。
キャリアをリセットせずに新しいチャレンジする
業務については知らなかったことばかりだったのですが、気がついたのは、業務では実際に現場で使えるアプリ開発が求められるため、実際の業務フローや現場のニーズを把握していることが非常にアドバンテージになる点でした。
人生100年時代と言われるようになった今、仕事をする期間も増えていきます。
そして新たなチャレンジは、何歳になっても求められます。
リターンシップを活用すると、今までの経験をリセットせずに、他の業種、他の職種(人事、経理、販売など)の経験を最大限に活かす形で新しいチャレンジが可能です。
キャリアを中断する期間があってもすぐに仕事に戻ることができる受け皿がもっと増えると、眠っている人材の活用が進むと思います。
リターンシップを支えた#ニューノーマルな働き方2020
変化が激しかった2020年の働き方を支えたのは、ニューノーマルな就業スタイルでした。ここでは私の具体例を紹介します。
入社1ヶ月半でニューノーマルな働き方へ移行
インターンが始まって1ヶ月半が経った2月の中旬、会社が新型コロナウイルスの影響を考えて出勤するスタイルから全面テレワークに移行しました。
新型コロナへの対応は非常に早かったと実感しています。
一度しか会ったことがない上司、一度も会ったことがない同僚
もうすぐ入社して1年が経とうとしていますが、直属の上司と同じチームの同僚は東京在住です。
上司にリアルに会ったのは最初の一度だけ、同じチームの同僚はリアルに会ったことは一度もありません。
最初は「大丈夫かな?」と思いましたが予想以上に早く慣れました。Microsoft Teamsのチャットやオンラインミーティングでコミュニケーションを取っており、特に支障は感じていません。
社内のキックオフイベントや新卒の内定式も、オンラインで開催されました。
家事と仕事を同時進行で進める働き方
今までは、家事と仕事の時間は分断されている方が多かったと思います。そのため、私もこの2つの両立に悩み、バランスをとりながらなんとか仕事を続けてきました。
ニューノーマルな働き方に変わった現在、フルリモート&フルクレックスの時短正社員として勤務しています。1時間単位で有給が取得できるのと勤務時間の調整が可能なため、勤務時間の間に子供の行事に参加する事ができています。
午前と午後の勤務時間を調整し、用事や家事をできるだけすませて、夕方以降の時間帯に慌てて家事をしなくてもいいように工夫しています。
仕事時間と家族との時間を同時進行する形で仕事を続けることができています。
場所・時間の制約がなくなる働き方
特に福岡という地方都市に住んでいる私にとっては、場所の制約がなくなるリモートワークが普及する事で、地方在住の人がチャンスをつかむ機会が増えることに期待しています。
これから日本は就労人口は減っていきます。ライフステージによってはフルタイムで勤務することが難しく、思う存分仕事ができなくなる期間も出てきます。
実はめいいっぱい働くことができる期間は意外と短いのかもしれません。
ですが、ニューノーマルな働き方が浸透することで特に女性が抱える仕事の悩みは解消される方向へ動くのでは?と感じています。
一人ひとりの事情に合わせて、就業スタイルのバリエーションがさらに増え、全員が違った就業スタイルでひとつの会社で働くことが当たり前になる時代が来るのではと思っています。
違うバックグラウンドを持つ人が集まる組織ほど、シナジー効果が出て進化する、それをかなえるのがニューノーマルな働き方だと思います。
フルリモートで求められる働き方
何より、主体的に動くこと、仕事のアウトプットを周りの人に見せることが求められていると感じます。
同じ場所で仕事をしなくなった今、様子を察して声をかけたり、自然発生的に雑談する機会はうんと減りました。
自分がやっている仕事について、自分から積極的に働きかけて、発信していくことの大切さを日々感じています。
コミュニケーションの取り方についても、リアルに会う回数が少なくなり、代わりにテキストでのコミュニケーション能力、読解力が求められていると感じます。
国語力が低いとますますどんな仕事をしていても今後は苦労するでしょう。モニター上での振る舞いにも慣れてきました。
小学3年生になる私の息子も、習い事がリアルからオンラインに変わりましたが、Zoomでの振る舞いもすぐに慣れていました。
子供の適応力はすごいです。5年後〜10年後にはオンライン授業やコミュニケーションに長けた人たちと一緒に仕事をすることになると思うと楽しみです。
最後に
リターンシップと市民開発者についてご紹介させていただきました。
ニューノーマルな働き方を考える上で大切なことは、
・変化することに抵抗を感じない自分になる
・変化に対して無知になることは避ける
・自分のキャリアプランニングは会社任せにせず、主体的に考える
ことだと思います。
リターンシップと市民開発者が増えていくことで、キャリアアップの開拓が進み、一人一人の活躍の場が増えていって欲しいと思います。