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LINE研究パート1 ~LINEこそ、Cookie規制に対する武器になる~

こんにちは、TCOのミカミ・リョーです。ここ2年ぐらいでしょうか、Cookie規制に関するニュースをよく目にしますよね。企業のデジタル活用において無視できない問題であり、私のいる広告業界、とくにデジタル領域では、このCookie規制をふまえた提案が求められています。
 
いつになくマジメにスタートしました。ミカミ的にも重要なテーマだと思っているからです。先に書いてしまいますが、現状のミカミ的結論として、このCookie規制に対して、大きな武器となるのはLINEだと考えています。そこで、今回からシリーズで「この先のLINE活用」についてまとめていきます。まずは、Cookie規制を入り口に、アレやコレや考えてみましょう。

Cookie規制の基礎知識

そもそも、Cookieって何でしょうか。簡単に説明するなら、Webサイトが、みなさんの使っているブラウザに保存した情報です。Cookieには、サイト訪問の日時や回数なども記録されています。

基礎をおさらい。Cookieの基本構造

Cookieのおかげで、アクセスや操作が快適になったり、例えばECサイトからログアウトしても入り直したらカートに商品が残っていたり、なにかと便利なんです。一方、みなさんがWebサイトを使ったときデータや、買い物履歴、興味関心などもわかるため、企業もそれを活用するわけです。
 
最近、買い物しようとECサイトを開くと、「Cookieを有効にしてください」と表示されてドキッとした。なんてことありませんか? いろんなWebサイトでもポップアップしてきますよね。これは2020年6月に公布された改正個人情報保護法に基づくもの。法律の詳細は端折りますが、それだけ個人情報の取り扱いが厳密になり、その一環としてネット上でもCookieの活用が規制されたということです。
 
あと、Cookieの種類として、ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieがあるのですが、わかりやすい記事があったシェアします。こういう情報は専門的なメディアでチェックしておきたいですね。

企業データの重要性

ざっくりCookie規制の基礎知識を確認しましたが、次はCookieを使う側、企業の立場で考えてみましょう。わかりやすいのが、リターゲティング広告、通称リタゲですね。Cookieを使ってサイトに訪れたユーザーに広告配信するもの。リタゲは「効く」と言われていて、活用している企業も少なくありません。これが制限されています。リタゲだけではないですが、これまで企業のCookieに依存したマーケティング活動が難しくなっているわけです。日々のニュースを見ていて、だいたい皆さんご存じのことだと思いますが。
 
では、Cookie規制に対して企業はどうすればいいのか。ここで大事になってくるのが、企業が持っているデータ(=ファ―ストパーティ・データ)です。端的に言えば「会員情報」です。企業が持っている顧客IDですね。
 
では、そのIDをどうするか。もちろん、これまで通りのメルマガやDMといった施策もいいでしょうが、デジタルでよりお客さまと密接なコミュニケーションをはかるために活用すべきです。リタゲ広告は、ユーザーの閲覧履歴にあわせて配信されましたが、これからはもっとピンポイントで、一人ひとりのお客さまにあわせたアプローチが活きてくる時代です。そのキーとなるのが、企業データなのです。
 
ところで、「CDP」という言葉を聞いたことありますか? ミカミ的にアルファベット3文字とか、世の中にあふれていて大変だと思いますが、このCDPは重要なので覚えたほうがいいです。カスタマー・データ・プラットフォームの頭文字です。企業が独自に蓄積した顧客に関するデータを管理するプラットフォームです。このCDPを統合データ基盤として活用するのが、これからは重要になってきます。

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の活用イメージ

例えば、先ほどの企業データ。自社のお客さまIDは持っているわけです。しかし、お客さまは、ほかにもさまざまなIDをもっています。その代表例がSNSです。自社で把握しているお客さまのIDと、お客さまがお持ちのSNSのIDを紐づけられたら、チャネルやサービスを横断して、お客さまと最適なコミュニケーションを設計できるはず。もちろん、お客さま同意のもとにですが。
 
実際、IDの紐づけができて、お客さまがどんな人なのか把握できれば、会話もスムーズになるはずです。となると、次に大事なのが、でお客さまの紐づけるIDは、いま何が有効なのかという点。ミカミ的には、ずばり「LINE」です。

ユーザーはどこで会話するか

お客さまは、普段何をつかって会話しているのか。どこのプラットフォームで、友だちの投稿をチェックしたり、企業アカウントをのぞいたりしているのか。LINEじゃないですかね?
 
こんなデータがあります。

詳細はリンク先を読んでもらうとして、ミカミ的にピックアップしたいのは、「スマホ・ケータイ所有者のうちLINE利用率が81.1%」で、「全世代でLINEの利用率は他のSNSよりも高く、10~30代で9割が利用」である点。

若者のLINE離れとか言われていますが、日本全国で考えた場合、これだけのアクティブで日常使いのプラットフォームって、LINEだけだと思うんです。
 
なので、ミカミ的には、CDPで企業データ(ファ―スト・パーティ・データ=顧客ID)とLINEのID(=LINE User ID)が紐づけできれば、Cookie規制で制限された企業のデジタル活動を補い、いやそれを上回るコミュニケーションが実現できるのでないかと思っています。いろんな切り口が考えられるんじゃないかと。 

時代とともに進化したコミュニケーションプラットフォーム「LINE」

先ほどのデータからも、LINEが数の上で大きな存在なのは、明白ですね。あと、ミカミ的におさえておきたいのが、LINEが他のSNSよりも時代の変化とともに、企業とユーザーのOne to Oneのコミュニケーションに適したプラットフォームとして進化してきた点です。これは見逃せません。

LINEの変遷

ミカミ的には、これまでのLINEの変遷は大きく3つのフェーズに分けられると考えています。では、順番に確認していきましょう。
 
まずは、マスマーケティング的展開のフェーズ。LINEで友だち獲得&スタンプ活用の時代ですね。この時代は、ブランドを育てるために大手広告代理店と組んで大企業の広告媒体として成長していたタイミングでもあります。うっかり忘れていましたが、実はLINEって東日本大震災の年に誕生したコミュニケーションツールだったんですね。
 
その次が、企業のマーケティング活動の基盤になっていった時期です。大企業だけでなく、中小企業も含めて、企業アカウント展開のすそ野を広げていったフェーズ。企業の持っているお客さまIDとLINE User IDの紐づけの導入期でもあります。その背景に、企業がLTVを指標とし始めたことも大きく影響しています。
 
そして現在、LINEを活用したOne to OneコミュニケーションによるLTV向上が、企業にとって(もちろん、EC事業者やD2Cブランドにとっても)重要視されるフェーズにきています。なぜか。それは、冒頭に説明したCookie制限、そしてアドブロックも影響しています。従来型のネット広告が機能しにくくなっています。だからこそ、ミカミ的には、企業は、LINEを活用するのがいいのではないか、と考えているのです。
 
先ほども書きましたが、「若者のLINE離れ」なんて情報も目に入ってきます。ミカミも、以前TikTokをテーマにしたnoteで、「まだ、LINE聞いてます?」と書いていましたが(笑)、あれはTikTok「ブーム」の勢いを伝えたかったから。ブームは落ち着くと消えるものもありますが、スタイルとして「当たり前」になるものもあるのです。LINEが、まさにそうです。
 
若者のライフスタイルにおいて、LINEのプライオリティが下がった側面はあるのかもしれません。しかし、先ほど引用したデータにあるように、8割の人が使っているコミュニケーションプラットフォームでもあるわけです。一人一台の携帯電話が普及したときのように、インターネットへのアクセスが日常的になったときのように、音楽をストリーミングで聴くことが普通になったときのように、LINEはコミュニケーションの手段として「当たり前」になった。だからこそ、価値があると考えています。


ミカミ的まとめ

さ、1回まとめましょう。今回の内容をサマると……

  • Cookieが規制されたことで、これまでのネット広告が機能しなくなってきた。

  • そこで企業データ(顧客ID)が重要になってくる。

  • 企業データと、ユーザーが使うSNSのIDを紐づけられれば、企業はユーザーとコミュニケーションが図りやすくなる。

  • そのOne to Oneのコミュニケーションのため、紐づけるべきIDは8割がつかっているLINEである。

ということでした。ミカミも考えながら書いているのでロジックはもっと磨きたいと思います。このあたりのコミュニケーションのつくり方は、D2Cブランドにも欠かせなくなってくるのではないでしょうか。
 
次回のLINE研究は、今回注目したようなCDPを活用したLINE事例をピックアップして、考察したいと思います。では、また!
 
ミカミ・リョー@LINE絶賛研究中

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