YouTuberから学ぶ「クリックしたくさせる○○」 ~タイトルとサムネイルを徹底分析~
こんにちは、TCOのミカミ・リョーです。みなさん、時間あるとき、スマホで何を見ていますか? ミカミは、YouTubeをよく見ています。多ジャンルの動画を見まくっています。デジタルにかかわる仕事柄、YouTubeのトレンドは常にチェックしておかないと。
で、YouTubeを見ていて思ったわけです、「このタイトルはヤバイな」とか、「これは釣られるな」とか。いわゆる釣りタイトルってヤツですね。「グレーゾーンかな?」って思う表現も目につきますが、「重大発表があります」や「ガチギレしました」なんてのは、ついクリックしたくなるわけです。「釣り」がいいわけではありませんが、人を動かす(=クリックさせる)ための「何か」が、そこにはあるはず。デジタルの広告やコミュニケーションの切り口や訴求軸の参考になるかも。
そこで、YouTubeの再生回数の多い動画を調べて、タイトルで何を言っているのか、サムネイルで何を見せているのか、そして、そこにYouTuberがどんな「クリックしたくさせる○○」を仕込んだのか、ゆるーく分類して考察してみました。ミカミnote初の1万字超え、ご覧ください!
なお、各動画のデータは調査時点(2022年3月20日頃)のものです。
王道How To系
まずは、王道のパターンを見てみましょう。YouTuberが手がける王道というと、ゲーム実況系とか、やってみた系とか、料理系とか、いろいろ思い浮かびますが、ミカミ的に着目したのは、「王道How To系」です。How To(=やり方)は、どうすればいいのか、具体的に見せられる動画に適したテーマ。でも、それだけ投稿数も多いといえます。だからこそ、爆発的に再生回数を稼いでいる動画は、クリックさせたくなる何かがある、というのがミカミの仮説です。4つピックアップしました。
(1)一生使える!朝礼スピーチの秘訣「超本質的対策と実践のコツ」
再生回数:628,363 回
鴨頭嘉人のビジネス YouTube(登録者数:非公開)
タイトルの「一生使える!」「超本質的」が、なんかすごそうで目を引きます。ビジネスHow to本にも通じる言葉選びですね。またサムネイルは、語り手(鴨頭さん)の顔が見えている点がポイントでしょう。そして「経営者必見」の文字、ターゲットが明確です。
(2)【中学生でも分かる!】FXの始め方を初心者のためにやさしく解説
再生回数:1,199,624 回
元メガバンク為替 ディーラーが教えるFX講座(登録者数:9.87万人)
タイトルの「初心者のためにやさしく解説」を形容するのが、頭にある「中学生でも分かる!」です。ビギナー向けのHow toを想像できるレベルで表現しているのが上手いですね。サムネイルでは、さらに「4ステップ」とHow toを具体化して、ハードルの低さを感じさせます。
(3)【就寝用】睡眠の質を高める寝たままストレッチ(むくみ解消・全身リセット)
再生回数:628,866 回
のがちゃんねる/nogachannel(登録者数:90.1万人)
タイトルは、メリット「睡眠の質を高める」とゴール「むくみ解消・全身リセット」でサンドイッチされています。サムネイルは、動画と同じビジュアルに、「全身リセットしてぐっすり快眠」の文字が。訴求要素に無駄がないですね。
(4)【ボイストレーナーが歌う】うっせぇわ / Ado【with misono】※歌い方解説付き
再生回数:4,622,139 回
シアーミュージック(登録者数:24.4万人)
タイトルのポイントは、頭の「ボイストレーナーが歌う」と最後の「※歌い方解説付き」。お手本動画であることが明確です。サムネイルは、動画のイメージをそのままにしていますが、「with misono」はタイトルよりもこちらのほうが目に残りますね。
王道How To系まとめ
どれも「やり方」や「コツ」、そして結果として得られる「ゴール」や「メリット」をタイトルでうまく訴求しています。サムネイルは、一目でわかるように情報を絞り込んだイメージですね。しかし、おもしろいことに肝心な動画の方向性はバラバラ。(1)は講演会の記録、(2)はスライドを投影型、(3)はそのままストレッチ動画(後半に枕の紹介)、(4)は歌い手(ボイストレーナー)たちが切り替わりながらのMV。当たり前っちゃ当たり前ですが、タイトルやサムネイルには、なんとなく王道タイプ的「最大公約数らしきもの」を感じたから不思議です。
おもろゲーム系
YouTuberの企画物で、チャレンジやゲームも、これまた王道ですね。中にはシリーズ化されたものもあります。そんな動画を「おもろゲーム系」としてくくってみます。このおもろゲーム系、視聴者としては、若年層から20代、30代まで幅広いイメージがあります。引きになっているタイトルに注目しながら、3つの事例を見てみましょう。そう言えば、○○ゲームの第3回っていうのを見たけど、それ以前の回を見たことがない…… そんな経験ありませんか? ミカミだけでしょうか?
(1)『あえて話を盛りまくる伝言ゲーム』をしたら何故か家族が増えた
再生回数:419,794 回
オモコロチャンネル(登録者数:25.3万人)
ネットでネタ系と言えば、オモコロですね。タイトルの「何故か家族が増えた」が、オチでもあり、フックでもあるわけです。「え?どういうこと?」と思わせるのが上手いですね。でも、冷静に読めば、「何故か」の理由は、「あえて話を盛りまくる伝言ゲーム」だからなんですけどね。サムネイルは、逆に言葉をそぎ落としています。
(2)【じゃんけんが全て】第1回 サバイバルしりとり晩御飯!
再生回数:30,753,112 回
東海オンエア(登録者数:634万人)
東海オンエア、すごいですね。634万人。タイトルで注目は、シンプルに「第1回 サバイバルしりとり晩御飯!」というゲーム名につきます。そして、サムネイルで「じゃんけんで負けたやつ全部食います」と、ゲームのペナルティが紹介されるというパターンです。
(3)難問謎解きに挑戦!アンサーキューブ withふくらP
再生回数:1,170,929 回
佐藤 健 / Satoh Takeru(登録者数:224万人)
人気俳優・佐藤健のYouTubeチャンネルです。タイトルはずばり(2)と同じで、ゲーム名「難問謎解きに挑戦!アンサーキューブ」に集約されています。サムネイルは、もしかして制作会社のトーン&マナーかもしれませんが、文字情報はタイトルとほぼ同内容。ここまで紹介したものは、タイトルとサムネイルに差異があって、お互い補って相乗効果みたいなものを感じていました。しかし、この例はテレビ番組みたいな統一感があります。そんな中でも佐藤健の「ガチなんで」がスパイスになってますが。
おもろゲーム系まとめ
人気ネットメディアの(1)、人気YouTuberの(2)は、さすがネットのお作法というか、YouTubeでの訴求方法が計算されている感じがします。これは、もうちょっと研究して、「本質」を見抜きたいものです。(3)は、あとで別の事例とセットで考察します。
(いい意味で)思わせぶり系
「重大発表があります」や「ガチギレしました」など、思わせぶり系のタイトルも再生回数は多いですが、やっぱりタイトルと中身のギャップがあって、「ザ・釣りタイトル」という感じがしてしまいます。とは言え、そのインパクトは無視できません。「まじか!」となる思わせぶりなパワーに注目します。ここでは、「いい意味」で思わせぶりなタイトルをチョイスしました。
(1)【エアガン】スナイパー白石誕生!?【シューティング】#26
再生回数:1,054,479 回
my channel【白石麻衣 公式】(登録者数:140万人)
このタイトルの思わせぶりポイントは、「スナイパー白石誕生!?」の「!?」です。「誕生したの? してないの?」とどっちともとれる効果がありますね。で、サムネイルでは本人のビジュアルに加えて「スナイパー白石麻衣 才能開花」が目立ちます。タイトルとサムネイルがセットで、ある程度、結論が見えていますね。ミカミ的には動画を見て、そのスナイパーさ加減に、いい意味での思わせぶり感をおぼえましたw
(2)【青汁劇場】この水を1万円で売ってみろ!三崎優太の営業力が鬼エグい
再生回数:818,724 回
西崎康平 ブラックな社長(登録者数:13.9万人)
「青汁劇場」「この水を1万円で売ってみろ!」「営業力が鬼エグい」というタイトルの並びが、ミカミ的に秀逸だと思います。「青汁劇場」とぶち上げつつ、出てくるのは「水」です。「売ってみろ」という命令口調を、営業力を評価する「鬼エグい」が受ける。サムネイルも青汁王子を大フィーチャーしています。ミカミ的に、こちらも動画を見て、なるほどと思わされました。青汁王子の危険な香りが、いい意味での思わせぶり感につながっています。
(いい意味で)思わせぶり系まとめ
思わせぶり系で、過剰な表現やウソはダメです。今回、「いい意味で」としたのは、見ている人が許容してくれる(あるいは気づかないぐらいの)程よい思わせぶり感があったから。しかも、動画にウソはない。でも、ちょっと肩の抜けた感じはある。その正体はギャップです。(1)はタレントイメージとスナイパーの、(2)は青汁王子イメージと営業力(アイデアや切り口)のギャップが、うまく効いているパターンだと思います。このギャップをうまく見つけられたら、D2Cブランドのコミュニケーションや広告にも応用できそうです。
マネー&儲かる系
How To系からの派生、というか「お金に絡むHow To系」。かなり煽ってくるタイプです。とは言え、この手の動画を見てみると意外と訴求内容は「奇をてらった感じ」がしません。むしろ堅実? そんな感じです。ゆえにファーストコンタクトとしてのタイトルとサムネイルが、ほどよく「知りたい」を刺激する仕組みになっているわけですね。では、3つ事例を見てみましょう。
(1)【完全版】会社を辞めたあとの手続き5選【見たら100万円を得する】
再生回数:318,701 回
マナブ(登録者数:56万人)
タイトルの「完全版」と「見たら100万円を得する」は、これでOKという感じがして、クリックを誘いますね。タイトルにある「手続き5選」をサムネイルでは、「やるべきこと5選」と言い換えているのもうまいです。タイトルとサムネイルで、意識づけをしている点は秀逸だと思います。中身は、フリーランスにとって基本的なHow toでもあります。つまり、見方によっては当たり前のことを(もちろん大事なことですが)得をするという文脈で語っているのが、企画としておもしろいところ。
(2)【お金持ちはしない】いつまでも貧乏な人の特徴TOP3
再生回数:426,417 回
視聴時給900円ママから年商5000万起業 コンサルタント小桧山美由紀(登録者数:2.91万人)
こちらも得する系です。タイトルの「お金持ちはしない」が効いてますね。富裕層がしないTOP3。それをサムネイルでは、「貧乏な人の特徴TOP3」と言い切ってます。また、本人が「私もやっていました…」と書いている点、さりげなく共感を呼びますよね。富裕層の上から目線な文脈ではなく、ついやりがちだった実体験をふまえてのアドバイスになっている。タイトルとサムネイルのちょっとした表現の差異が見たくさせるポイントかもしれません。
(3)【誰でもできる】やれば必ず得する小さな節約法20連発【最大で年間約50万円の節約】【貯める編】:(アニメ動画)第135回
再生回数:1,175,726 回
両学長 リベラルアーツ大学(登録者数:191万人)
アニメでわかりやすく節約方法を見せた動画ですが、タイトルで注目したいのは、「誰でもできる」「小さな節約法20連発」「年間約50万円の節約」という並びです。ハードルさげて、効果を具体的にうたっています。サムネイルでは、「必ず得する節約法20連発」とコンパクトに要点を表現しています。このタイトルとサムネイルのバランス、すごくいいですね。
マネー&儲かる系まとめ
How To系の中でもお金に絡むものは、すごく引きが強いと思います。取り上げた3つの共通するポイントは、「数字の使い方」ですね。「5選」「TOP3」「20連発」など、得するためのやり方の数が明確です。こうした数字を使ったコミュニケーションはセールスの現場ではよく見かけますよね。D2Cブランドでも、商品のメリットや商品が提案する価値などを、こうして数字で見せる点は、参考になるのではないでしょうか。
勉強・知識系
これもHow To系とも言えますが、もう少し情報特化型というか、お勉強や自己啓発なども含むカテゴリーです。ここもマネー&儲かる系に通じる点がありますね。さっそく事例を見てみましょう。まずは、オリラジ敦ちゃんの動画から。
(1)【天才たちのルーティン①】後世に名を残す偉人には共通の習慣がいくつもあった!
再生回数 764,480 回
(2)タイトル:【新型コロナとワクチン②】新世代ワクチンの革新性と日本の未来(Coronavirus Vaccinations in Japan)
再生回数:1,321,962 回
中田敦彦のYouTube大学 -NAKATA UNIVERSITY(登録者数:453万人)
(1)はタイトルで、「後世に名を残す偉人には共通の習慣がいくつもあった!」と動画のポイントを端的に表現しています。一方、サムネイルでは、その偉人の顔と名前を列記することで、どんな人物がフィーチャーされるか視覚的に訴求しています。
(2)はタイトルで、「新世代ワクチンの革新性と日本の未来」とテーマをうたい、サムネイルでは、「集団免疫」と「副反応」という、動画のキーワードを見せています。どちらも、よく計算されていて、タイトル=読ませて興味を持たせる、サムネイル=見て中身を想像させる、そんな構造になっています。
(3)【徹底紹介】おすすめの書籍・マンガ50選!
再生回数:233,649 回視聴
Ikehaya Web3 Univ.(登録者数:22.8万人)
こちらはイケハヤ氏の読書案内動画ですが、マネー&儲かる系同様、タイトルとサムネイルともに「50選」という数字が効いています。50冊、もしくは50作品と考えると、かなりの情報量ですね。で、サムネイルでは、さらにそれを「本を読め」と命令調でアジテートしています。読書のススメなので、読んだほうがいいよってことなんですが、強い命令調にしたのは自己啓発的な味付けですよね。「まだ○○してんの?」やビジネス書でよく目にする「○○しなさい」にも通じますね。
勉強・知識系まとめ
勉強・知識系から学べるのは、読ませることで要点を理解させ(=タイトル)、視覚的に内容を想像させる(=サムネイル)、それぞれの役割分担ですね。D2Cブランドの背景やストーリーを見せるには、参考になるかもしれません。ちなみに、ここで紹介した3本は、偶然ですが「大学」というフレームを採用しています。これは勉強・知識系を象徴的なネーミングですね。
衝撃映像系
衝撃映像、YouTubeでよくありますね。見てみるとそうでもないのがありますが。古くは東スポの1面見出しからあるような、煽り系テクニックのスタンダードかもしれません。とは言え、YouTubeでのタイトルとサムネイルを見ていくと、動画ならではのテクニックを感じさせるものがあります。
(1)【衝撃】フェリー乗り場の隣で信じられない生物が・・・
再生回数:30,656,897 回
釣りよかでしょう。(登録者数:162万人)
タイトルの冒頭、「衝撃」とストレートに書いていて、「生物が・・・」と含みをもたせた余韻が興味をそそります。一方、サムネイルでは、「衝撃映像」の4文字と赤い丸でその生物が示されています。サムネイルでは、情報を絞り込んでいますね。しかも、生物の正体はよくわからない。含みを持たせたタイトルと潔く情報をしぼったサムネイルの組み合わせが秀逸です。
(2)【修羅場】お店の客が全員ラファエルの元カノドッキリ【ラファエル】
再生回数:9,354,789 回
ラファエル Raphael(登録者数:186万人)
タイトルの「修羅場」が興味を引きますね。そして「元カノドッキリ」と中身を語っています。サムネイルでは、ビジュアルで元カノたちを見せつつ、「放送事故」というスキャンダラスなコピーが光っています。スタイルとしては、オリラジ敦ちゃんがタイトルとサムネイルで見せた方法論に通じます。
(3)【ドッキリ】相方の愛車レクサスを勝手に金ピカに塗ってみた
再生回数:2,598,308 回
さらば青春の光 Official YouTube Channel(登録者数:64.2万人)
タイトルの頭にあるストレートな「ドッキリ」が目を引きますね。続けて「レクサスを金ピカに塗ってみた」という内容を語っています。サムネイルでは、その金ピカレクサスをモザイクで見せています。モザイクって外してみたくなりますよね(笑)そして「金色ドッキリ」とタイトルの内容を端的に言い換えています。見たくさせるテクニックがすばらしい。
(4)【#15】ナスDの大冒険YouTube版!南米アマゾン 獲った電気ウナギその場で喰らう編/Crazy Director 's Gigantic Electrical eel Caught
再生回数:6,152,898 回
ナスDの大冒険YouTube版(登録者数:116万人)
テレビで人気のナスDによるYouTube版の動画ですが、これが他の衝撃映像系とちょっと違う点に気づきましたか? 実はタイトルとサムネイルの情報が一緒なのです。「合っている」という言い方もできます。これはミカミの仮説ですが、テレビの作り方が背景にあるのでないかと思っています。おもろゲーム系で別に考察すると紹介した(3)佐藤健の動画もこれに近い作り方をしていますよね。テレビ局や制作会社など、作り手の作法が影響しているかもしれませんね。
衝撃映像系まとめ
衝撃映像は、動画の衝撃具合をどう隠して、興味をそそるかがポイント。ナスDのケースのように、タイトルとサムネイルの訴求要素に差がないものよりは、タイトルで煽り、サムネイルで見たくさせる組み合わせがベターな気がします。ナスDはその人気とテレビとの連動感で、ひねる必要がなかったケースかもしれません。D2Cブランドのコミュニケーション上、衝撃映像的な煽りは参考にするのが難しいですが、ほかのケースと同様、タイトルとサムネイルの使い分け・役割分担を分析すると、ヒントが見つかるかもしれません。
暴露系
さあ、一番暴力的なコミュニケーションの極み、暴露系を見てみましょう。D2Cブランドに限らず、企業のコミュニケーションを考える際、衝撃映像系と同じく直接的に活用するのは難があるかもw しかし、知りたい欲求を刺激するテクニックとはどういうものか、チェックしておく価値はあると思います。
(1)【超神回】てんちむを騙すふざけた通販会社の闇を暴露します
再生回数:1,838,742 回
三崎優太 青汁王子(登録者数:74.2万人)
先ほども登場した青汁王子本人の動画です。タイトルで「超神回」と宣言する力強さ、すごいですね。「闇を暴露する」というデンジャラスな言葉に引き付けられます。そして、サムネイルは、もう週刊誌の中吊り広告スタイルです。ある意味でゴシップの伝統的な訴求テクニックでしょう。
(2)当たりはなかった?祭りくじで悪事を働く一部始終をban覚悟で完全公開します
再生回数:47,857,991 回
ヒカル(Hikaru)(登録者数:473万人)
人気YouTuberひかるの暴露系動画です。タイトルで「ban覚悟で完全公開」という命がけ感が刺激的ですね。お祭りの露店にあるくじをお金をつぎ込んで開けまくるというものですが、サムネイルのドキュメンタリー感,、生々しさはハンパないですね。「ブチ切れ口論」というパンチラインが強烈です。
(3)【緊急配信】城〇優と綾〇剛のヤバい話
再生回数:2,159,383 回
東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】(登録者数:58.4万人)
最後は、噂のガーシーです。タイトルは文字通りヤバいです。「緊急配信」という煽りと、ほぼ伏字になっていないタレント名。見ているこちらが怖いです。サムネイルは、黒バックにタイトルをあしらっていますが、配色も写真の使い方も、アングラ系ゴシップ雑誌の見せ方を思い起こさせます。「危険」を感じる要素を戦略的につかっているのでは?
暴露系まとめ
思わせぶり系を振り切ったようなタイトルとサムネイルは、暴露系の特徴です。ザ・ゴシップ。ヤバさがすべてです。しかし、冷静にタイトルとサムネイルを見ていくと、やはりここでもタイトルでの「読ませる」煽り方、サムネイルでの「見せる」興味の引き方は、すごく計算されているのがわかります。
ミカミ的まとめ
長文にお付き合い、ありがとうございます。
今回は再生回数の多いYouTubeを分類して、タイトルとサムネイルに着目して考察してきました。普段はひとりのユーザーとして興味本位で見ていた動画もありますが、全体を俯瞰すると見られている動画の傾向が浮き彫りになってきたように思います。デジタル上のコミュニケーションを考える視点で整理すると、一本の動画に対して、タイトルの役割は中身を端的に読ませるもの、サムネイルの役割はタイトルの要素を視覚的訴求するものだということが、わかります。もちろん、中には無理やりな煽りやウソをかましてくるのもあるので、すべてが当てはまるわけでないですが。
「タイトルの付け方」「サムネの作り方」みたいな記事もよくあります。でも、表面的なテクニックをマネする前に、自分の目で人気動画を構成する用を確認して、考えるステップがあったほうがいいとミカミ的には思うのです。今回、動画を一つずつ確認する中でYouTubeのタイトルとサムネイルの関係は、リスティング広告とLP(ランディングページ)の関係にニアリーではないか? とミカミ的には考えました。そう思うと、D2Cブランドのコミュニケーション設計をするうえで、人気YouTuberから学ぶ「クリックさせたくなるヒント」「離脱を防ぐテクニック」は、まだまだ研究の余地があると思います。
みなさんも、楽しく見ている動画、いつもチェックしているチャンネル、ついクリックしてしまった動画などがあれば、少し引いた視点で、客観的に何が仕込まれているか研究してみてはいかがでしょうか。
ミカミ・リョー@スマホ利用の4割はYouTube視聴です