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人流データってどうやって計測するの?~Wi-Fiシグナルを活用した仕組みについて~
はじめまして、静岡市人流データ運営チーム(株式会社TOKAIケーブルネットワーク)です。
記事に足を運んでいただきありがとうございます。
昨年度の大河ドラマ「どうする家康」を目当てに静岡市に観光に来られた方は多かったのでは?
でも、実際静岡市に観光客ってどのくらい来ているの?
どんな観光ルートでどこを巡っているの?
関係者である私たちもなんとなく観光客は増えてるはず?と思いつつも、裏付けするデータは存在しません。そこで、今まで私たちがなんとなく感じている、人が増えた、減ったなど人流データを可視化し、そのデータを活用することで、静岡市に観光客を増やしていきたい!と考え実証実験を静岡市内で行っています。
今後、私たちが取得したデータがどのように活用できたのか活用事例を中心にnoteへ記事を残していきたいと思います。
今回は、私たちが取得及び活用している「人流データ」の紹介を少しさせていただきます。
人流データとは
人流データとは、文字通り人の流れをデータ化したものを指します。人がいつ、どこからどこへ移動したのか、どれくらい滞在したのかを数値やグラフなどでデータを可視化します。
人流データの取得方法はAIカメラやスマートフォンのGPSなど様々な方法があります。私たちは「Wi-Fiシグナル」を利用して人流データを取得しています。
Wi-Fiシグナルを活用したデータの取得
Wi-FiシグナルとはスマートフォンがWi-Fiの電波を探す仕組みのことです。皆さんがお使いのスマートフォンが自動的に自宅のWi-Fiや過去に接続したことのあるWi-Fiに接続されるのは、スマートフォンがSSIDの接続履歴を持っておりその履歴を基にスマートフォンがWi-Fiの電波を探すからです。
その仕組みを利用して、各地に設置したセンサーがWi-Fiシグナルの情報をキャッチしてスマートフォンからSSIDの接続履歴の情報を取得します。取得した情報はクラウドサーバー上に上げられそこでデータ化、分析がされます。
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SSIDの接続履歴から人流データへ
ここでポイントとなってくるのが「SSIDの接続履歴」です。SSIDとは、簡単に言うとWi-Fiの名称のことを指します。スマートフォンが持っているSSIDの接続履歴は個人ごと異なる履歴を持っています。また、SSIDの中には都市の
フリーWi-Fiや大手コーヒーチェーン等特定の名称が入ったものが存在したりと、「個人」を特定するのは難しくてもスマートフォンの持ち主がどこを移動して、どこら辺が生活範囲なのかくらいまでは分析することができてしまいます。そこに着目をして、次の人流データを取得しています。
①SSIDの履歴⇒ユニークID化して拠点間の移動分析
②名称で場所が特定できるSSID履歴⇒カテゴリ化し属性分析
また、属性分析では海外の携帯キャリア(日本で言う、docomoやau等)が
独自に持つSSIDから国籍分析まで行っています。
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最後に
現在、主要観光施設を中心に市内67箇所にセンサーを設置し日々データを取得しています。
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データを取得するだけではなく、取得したデータを分析しそれを次に活かすことが重要になってきます。その一歩として、私たちチームがデータの活用方法について日々模索しております!
しかし、静岡市を知っているからこそ、見えないものが多くあります。
「こんな活用方法は?」「こんなことについてデータ取得できる?」そんなご意見大歓迎です!
少しでもこの活動に興味を持っていいただけたら、応援をよろしくお願いします。
ライター
株式会社TOKAIケーブルネットワーク
企画部