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《転がる母に苔は生えないvol. 18》否定されない場所

3日ぶりに息子が学校に行った。
お休み中の3日間、
何をしていたかというと、
特に何もしなかった。

たまたま私が個別セッションウィーク
開催中だったこともあり、
家でゆっくりしていた。
ドラマを観たり、アニメを観たり、
ゲームをしたり、YouTubeを観たり。

二日目には、
私と夫で担任に話しに行った。
今、息子はどんなことを感じていて、
どんなことを不安に思っていて、
その原因はこういうことでって。
だから、こんな解決法をしてくださいね、って。
それから、この海外移動する子たちの
チャレンジの話、喪失の話、
どういう状態で、
新生活という名の異文化に入るのか、
それがどれだけ負担であるのかを
もう一度伝えてきた。

三日目、
先生が送ってくれた黒板の写メや、
時間割を見て、
明日は行ってみるけど、
最後の授業は嫌だという。
傷つけられた他学年の先生がいるからだと。
ならば、早退すればいい。
私が迎えに行くと言った。


そして今朝、
私はずっと学校にいてもいい、
登下校も一緒に行くよ、
と散々行ったのだが、
年頃の息子からはお断り。
ただ、朝はとてもドキドキ
そわそわしているようだった。
それを誤魔化すように、
朝からテレビを観ていた。

「変わるかな、辞めてくれるかな」
という息子に、

「残念ながら人を変えることはできない。
 でも、キミが感じていることや
 キミの気持ちを伝えることに意味がある。
 少なくとも、先生ひとりはわかってくれている。
 そして、相手が変わるか、やめるか、
 変わらないかはその人のチョイス。
 キミだって、何かによって
 変えさせられるのは嫌でしょう。
 だけど、キミがどうするのかは
 自分で決められる。
 一つでいいから、これは楽しかった、
 ということを見つけて、帰りに教えて。」


そう言って送り出した。

早退のお迎えに行ったら、
笑顔で教室にいる姿があった。

帰り道、どうだった?と聞いたら、
「Okay。
 思っていたより悪くはなかったけど、
 最高ではないかな。」

それでもテンション高く
おしゃべりする姿をみて、
「本当に悪くはなかったんだな」と思った。


3日間、私はいろんなことを考えた。
そして、私には相談できる人たちが
複数いることをとても心強く思った。
TCKを一緒に考える人たち。
私にも、私の声を聞いてくれる人が必要だから。


トランジションの時期はとても難しい。
特に子どもにとっては、
家庭にある3つの要素が大事になるという。
(参考:https://www.tcktraining.com/home)

一つ目は、
子どもの感情が開けていること。
どんな感情でも言っても大丈夫、という安心感。

二つ目は、
精神的にも、身体的にも
家が安全な場所であるということ。
(子どもによっては、家が安全であると感じられないことがある)

三つ目は、
大変な時期には、ケアしてくれて、
サポートし続けてくれる人がいると理解している
こと。


3日間、息子もいろんなことを考えたと思う。
でも、彼が言ったこの一言は、
私たち親子にとって、宝物。

「家だけは否定されない安全な場所だから」

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fumi @ 海外転勤する家族の子どもnote
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