《転がる母に苔は生えないvol. 25》両端から削られたえんぴつ
小学生の頃、
両方から削られたえんぴつが苦手だった。
青と赤が両端に付いているえんぴつとか。
両方から削ったら、
命が削られるとか言わなかった?笑
信じていたのか、
今ではよくわからないけど、
なんか怖い感じがしていた。
我が家には
両端が削られているえんぴつが
よく転がっている。
最初にやりだしたのは息子の方。
タイで通っていたインターは
ペンを使用していたから
(ボールペン推奨、試験はボールペンなので。)
えんぴつはあまり使わなかったのだけど、
何本かは持っていて、
両方から削ってある方が、
片方が折れた時に便利だから
「ほら、タイのえんぴつってよく折れるじゃん」
ということらしい。
なるほど。
続いて、娘も両方削り出した。
彼女の場合は
絵を描いたり、字を書いたりしていて、
すぐ折れる、書けなくなるのが
嫌なんだと思われる。
よくイライラしてるから。
両方削りだす子どもたちに、
「片側から使うのよ」と言いかけて飲み込んだ。
なぜ?
別に決まりはない。
片側から使っても、
両側から使っても、
短くなれば使いづらくなるし、
別に命は削られない。
それは私が刷り込まれてきた
価値観ではなかろうか。
私は海外での子育てを通して、
自分の中にガチガチにあった
「こうすべき」価値観の
多くを削ぎ落とした。
海外生活で身につけた
柔軟性は気に入っている。
あぁ、そういえば。
「こうすべき」価値観の中に、
アイスは夏の暑い時に食べるもの!
というものもあった。
真冬でも毎日帰宅途中に
アイスを食べる同級生がいて、
「え、寒くない?」と思っていた。
彼は、10歳までアメリカにいた人で、
授業中、先生をよく困らせていた。笑
先日、すごく寒かった週末の夜。
夜ご飯は鍋にした。
さっぱりお鍋を食べたら、
食後にガツンとしたデザートが食べたくなった。
「わーーー、ティラミスとか食べたい。
アイス食べたい!チョコモナカ食べたい!
誰か買ってきてーー!」
と騒いだら、夫と子どもたちが買ってきてくれた。
寒い日に、アイス食べちゃってるよ。
ぬくぬくの部屋で食べるアイスは美味しいよね。
ひとつずつ、
「こうすべき」価値観を削ぎ落としていったら、
もっともっと楽しいことに出会える。
日本で食べるチョコモナカはね、
最中が信じられないくらいパリパリだったよ。