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《転がる母に苔は生えないvol. 55》小さな「日本人ちゃん」
前回の記事に、映画を観てみたい!
興味あるー、と様々な立場の方から
反応をたくさんいただきました。
なんだかその後もずっと考えてしまって、
週末も夫に話しながら
あーだこーだ、話していました。
この映画では、子どもの成長と共に訪れる
自分らしさとは何か、
も同時に描かれていて、
それは1年生の自分らしさと、
6年生の自分らしさは当然レベルが違っていて、
そんなところも見どころの一つかな、と思います。
監督がこの映画を作ろうとしたきっかけが、
NYで仕事をしていた時、
責任感あるよね、とか
時間通りに来るよね、とか言われたこと。
自分は普通にしているだけなのに、
そう言われる理由がわからなかったという。
自分の中の強みは、日本人として
あの小学校6年間で作られたものなんじゃないか、
と仮説を立てたそう。
海外にいると、
日本人らしさは武器となり、信頼となる
(場合がある)。
日本人だから無条件で信頼してもらえたり。
一方で、
私が日本人だから好きなのかな、とか、
あの真面目な日本人たちに
任せておけばいいよ、とか
悪い人に利用されたりもする。笑
住んでいる国で、大きな差があると思うけど、
タイに住んでいる時は、
日本人であることはメリットでしかなかった。
親日国だったのもあって。
当然だけど、
日本に帰ってきたら、そんなメリットはなく、
日本人のように振る舞えない方が
問題視されたりする。
さて、
日本人らしさって、なんだろう。
前も書いたかな。
海外で子育てする親と話すと、
日本人らしさを持ちつつ、
グローバルな視点を持って欲しい、
という人はとても多い。
これ、親からの期待と希望は
すごーーーくよくわかるけど、
子どもにとったら
めーーーっちゃ難しいよね。
このセリフは、
日本という母文化をしっかり持っている人が
言えるセリフだと思ってる。
今の私は、息子や娘に、
これは言えないな・・・
そもそも母文化が揺らいでいるのに、
グローバルな視点って無理。
再び、
日本人らしさって、なんだろう。
誰のこと?
どこにいるの?
すごくふわふわしたものだよね。
だけどなんとなく
みんなが共通してイメージする
日本人らしさってある気もする。
でも見えない、架空の
「日本人ちゃん」を追い求めているような気もする。
モヤモヤ漠然としているんだけど、
やっぱり思うのは、
自分らしさの一部には、
日本人らしい一面もあるってこと。
群れることで、思いがけない力を発揮できたり、
ちょっと所属があって嬉しかったり、
空気読んで、円滑に進むように促したり、
言いにくいことは察してみたり、
靴は揃えてないと気持ちが悪かったり、
はみ出たりしていたら気になったり etc
でも、これは私の小さな「日本人ちゃん」。
他の人には、他の人の
小さな「日本人ちゃん」がいるはず。
ましてや、海外で育った
我が子たちにとっての「日本人ちゃん」、
本当に小さそう。笑
だけど、その小さな彼らの
「日本人ちゃん」を見つけた時、
私は無性に嬉しくなるのです。
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《プロフィール》
子安 芙美
東京出身
夫、長男11歳、長女5歳の4人家族
東京外国語大学大学院 日本語教育修士
2013〜2024 タイ駐在帯同
2024.07〜 日本(数年後再び渡航予定あり)
帯同中に2人出産し、初めての子育てが海外でスタート
自分が育った環境や感覚、世界観が違う子どもたちを
海外でどのように育てていけば良いのか悩み、
2018年にサードカルチャーキッズという概念に出会う
子どもの視点から見る、海外で育つということ、子どもたちの苦労、
そこに必要な親からのサポートについて学ぶ
近年、日本語教育については複数言語を話す子どもの
言語教育に興味がシフト
タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会から学び直す
主な活動:
・臨床心理士によるTCK Podcast ナビゲーター
・OVER THE BORDER -読む聴く知る 世界の教育-
ボーダレスライター
・帰国受験の情報サイト Edu-more plusコラムニスト
・海外子育て(TCK)講座講師
・『ジャーナル「移動する子どもたち」
ーことばの教育を創発する』第14号
特集:「子どものことば」を育むとは一親子の視点から
エッセイ部門に掲載
所属学会、研究会:
・タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会
(JMHERAT) 会員、オンラインWSメンバー
・母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会会員
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