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《転がる母に苔は生えないvol. 35 》私の持ち歩けるホーム

私の大好きだったタイ、
単に大好き、ということ以上に、
タイは家族と家族の友達の思い出が詰まった、
大切な場所。

タイを去る時は、
とっても寂しかったけど、
たくさんの思い出が詰まった
あの家を失うことも
とても寂しかった。

タイをホームだと感じていたし、
タイの家は私の憩いの場所だった。


日本に帰ってきてすぐ、
タイからずっと仲良くしていた
友達が遊びにきてくれたし、
夏休みには
我が家の仲良し家族も
遊びにきてくれた。

いつメンで集まれば、
すぐに楽しかったタイの時間に戻れる。

物理的に、育った場所をホームという人もいるし、
今、住んでいる家をホームと呼ぶ人もいる、
実家をホームという人もいるし、
親のいる場所がホームという人もいる。

私は、幼い頃を過ごした
好きだった家を親が手放してから、
宙ぶらりんな気持ちがしている。
手放した頃はもうタイにいたので、
お別れをいうこともできなかった。

親が新しく住んだ家は、
私にとってホームと感じなかった。

「私のホーム、なくなっちゃった。
 私のホームはどこなんだろう。」
そんな風に感じ始めたのは、
日本を離れて10年以上たった頃。


引っ越したばかりの夏休みに過ごした、
友達や友達家族との束の間のひと時。

そっか、
私のホームは持ち歩けるの。
大好きな人たちと集まって、
飲んで食べておしゃべりしていたら、
そこが私のホームになるんだ!

何をホームと感じでもいい。
人にホームを感じる人も、
場所にホーム感を感じる人もいるんだから、
私は時間をホームと感じる。

そんな風に、
ふわっと思い付いたら
すごーーーく落ち着いた。

明日もそんな友達家族と
飲んで食べておしゃべりする会。
大人も子どもも大満足する会。

あーぁ、パジャマで行き来できる
距離だったらいいのになぁ。笑

Where is your home?

あなたのホームはどこですか?


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《プロフィール》
子安 芙美
東京出身
夫、長男11歳、長女5歳の4人家族
東京外国語大学大学院 日本語教育修士

2013〜2024 タイ駐在帯同
2024.07〜 日本(数年後再び渡航予定あり)

帯同中に2人出産し、初めての子育てが海外でスタート
自分が育った環境や感覚、世界観が違う子どもたちを
海外でどのように育てていけば良いのか悩み、
2018年にサードカルチャーキッズという概念に出会う
子どもの視点から見る、海外で育つということ、子どもたちの苦労、
そこに必要な親からのサポートについて学ぶ

近年、日本語教育については複数言語を話す子どもの
言語教育に興味がシフト
タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会から学び直す

主な活動:
・臨床心理士によるTCK Podcast ナビゲーター
・OVER THE BORDER -読む聴く知る 世界の教育- 
 ボーダレスライター
・海外子育て(TCK)講座講師
・『ジャーナル「移動する子どもたち」
  ーことばの教育を創発する』第14号
  特集:「子どものことば」を育むとは一親子の視点から
  エッセイ部門に掲載

所属学会、研究会:
・タイにおける母語・継承語としての日本語教育研究会   
 (JMHERAT) 会員、オンラインWSメンバー
・母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会会員

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fumi @ 海外転勤する家族の子どもnote
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