2019/10/27 風をよむ「~ 即位の礼 ~」
10月22日、この日、海外メディアが大きく報じたのは―
韓国YTN「日本では徳仁天皇の即位を内外に知らせる行事が行われました」
中国CCTV「180か国の政府要人および関係者が式典に参加します」
天皇陛下が国の内外に即位を宣言される「即位礼正殿の儀」。
イギリスのチャールズ皇太子や、スペイン国王フェリペ6世はじめ、海外の国王や元首ら、世界191の国と機関などの代表、およそ2000人が参列しました。
宮殿には平安絵巻さながらの光景が広がりました。
皇嗣の秋篠宮さまをはじめ、紀子さまや長女・眞子さまら、古式ゆかしい伝統装束に身を包んだ皇族方が入られます。
さらに平安時代の武者姿をした宮内庁の職員らが雨のため、建物の中で控えます。
そして午後1時すぎ・・・
天皇の玉座「高御座」と、皇后の「御帳台」の帳が開かれました。
天皇にだけ許された「黄櫨染御袍」を着用された陛下。
皇后さまは十二単姿です。
そして…
「“即位礼正殿の儀”を行い、即位を内外に宣明いたします」「ここに国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」
その後、安倍首相は・・・
安倍首相「ご即位を祝し、天皇陛下、万歳、万歳、万歳」
今回、陛下はお言葉の中で、「国民の幸せと世界の平和」という言葉を2回使い、さらに「憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめ」を果たすとの誓いを改めて述べられました。
この模様を、韓国のYTNは生中継で伝えました。
韓国YTN「憲法にのっとり、日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓うと述べたが、現在、憲法改正を強く求めている安倍首相とは対照的だ」
その一方、今回の儀式に参列された皇族の方々を見ると、改めて男性皇族の数の少なさが目につきます。
現在皇位継承資格者は、秋篠宮さまと、天皇陛下の叔父に当たる常陸宮さま、そして悠仁さまの3人のみです。
イギリスのメディアからはこんな指摘もありました。
英ガーディアン紙「今回の儀式で皇位継承の危機についても注目が集まった。日本の皇室典範は女性天皇を認めていないのが現状だ」
即位の礼を終えられた両陛下。祝宴にあたる「饗宴の儀」は、この日の夜を含め、あわせて4回行われ、また台風被害で延期されたパレードは来月10日の予定です。
「我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望致します」
憲法にのっとり、日本国民の象徴として即位を宣言された陛下。新たな令和の時代、どんな象徴としてのお姿を築かれていくのでしょうか。