米ロサンゼルス 1か月で感染者倍増
世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。世界で最も多い死者と感染者が出ているアメリカでは、1月16日にロサンゼルス郡の累計の感染者数が100万人を超えました。ロサンゼルスの新型コロナ対策は、どうなっているのでしょうか。
■1か月で50万人増加 ひっ迫する医療体制
驚くべきは感染拡大の速さです。累計の感染者数が50万人を超えたのは先月(2020年12月)11日、つまり1か月あまりで感染者が50万人も増加、倍増したことになります。そしてロサンゼルス郡の人口は約1000万人。約10人に1人が感染した計算になります。保健当局は、感染率などのデータをもとに、実際の感染者はこの3倍で、3人に1人の割合になる、との推計結果を発表しています。
また、ICU(集中治療室)の空きが0%の状態が続くなど、医療体制はひっ迫しています。このため、高齢者や基礎疾患のある人と一緒に住んでいる人には、自宅でもマスクを付けるよう呼び掛けられています。
さらに当局は、救急隊員らに生存の可能性が極めて低い患者を病院に運ばないよう通知しています。蘇生措置は現場で最低でも20分は続けるとしながらも、外傷があって心肺停止状態など助かる見込みの極めて低い成人の救急患者については、病院に運ばないと定めています。
■人気スポットもワクチン接種会場に
保健当局は、大規模な接種会場の運用を始めるなどして、ワクチン接種のスピードアップを図っています。医療従事者へのワクチン接種は先月始まりましたが、去年3月から休園している「ディズニーランド・リゾート」では、1月13日からは駐車場にテントを設置し、一日に最大8000人が接種を受けられるようにしました。
また、メジャーリーグのドジャースの本拠地「ドジャースタジアム」の駐車場では、1月15日からドライブスルー形式の接種会場の運用が始まりました。一日に1万2000人が接種できるアメリカ最大のワクチン接種会場になるということです。
■「怖かった」接種会場には日本人看護師の姿も
ロサンゼルスでは公園にもワクチンの接種会場が設置されています。1月8日、接種を待つ列に、地元のクリニックに勤める日本人の看護師が並んでいました。副作用への不安から迷った末の1回目の接種でした。
看護師 大山のりこさん:「とてもドキドキしました。緊張しました。いろいろ副作用とか聞いていたので怖かったです」「(現場は)怖いですね。私自身も怖いですけれど、それと闘っていかないと医療現場はうまくいきませんので、そのためにも私がワクチンを打って改善に向かうように、きょう来ました」
保健当局はワクチンの接種会場のさらなる設置や対象を広げることで、感染拡大に歯止めをかけたい考えです。