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黒人差別に抗う~NYのストリートアート


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ジョージ・フロイドさん
今、アメリカでこの男性を知らない人はほとんどいないと思う。


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「ジョージ・フロイドに正義を」


彼がミネソタ州のミネアポリスで、白人警察官に首を圧迫された後に亡くなったのは5月25日。

その非道な行為を捉えた映像がSNSで拡散されると、黒人差別への抗議デモは瞬く間に全米に広がった。

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事件から6日後の5月31日。抗議デモの混乱に乗じた一部の身勝手な人たちによって、ニューヨークは大規模な略奪に襲われた。

本来の抗議行動の意味を覆い隠してしまう姑息な略奪行為は、概ね4夜にわたって続いた。


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略奪に遭った店も、これから遭う可能性がある店も、軒並み店先をベニヤ板で覆った。

ビルごとベニヤで覆った店まであった。

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ニューヨークは新型コロナウイルスによって、世界でも有数の過酷な状況に追い込まれた。折しも自粛生活は3か月に迫ろうとしていた。ようやく出口の光が見え始めてきたのに、略奪によって再開はいつになるのだろうか・・・。ベニヤ板が打ち付けられた街を見る度に気持ちは消沈した。


数日後、休みの日にSOHOを歩いた。若者や観光客に人気の地区。

ベニヤに花が描かれているのが目に入った。

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ふわっと温かいものを感じた。なるほど、こんな方法があるのかと感心した。

路地に歩を進めると、辺りは黒人差別の是正を求めるストリートアートで溢れていた。

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「Black Lives Matter 黒人の命は大切」


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略奪行為に抗うために設置されたベニヤを、黒人差別に抗うための手段として利用するアーティストのたくましさに驚いた。


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「No Justice No Peace 正義なくして平和はない」


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「Stop Killing Unarmed Black People 武器を持たない黒人を殺すのをやめろ」


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「White Silence Equals Violence 白人の沈黙は暴力と同じ」


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「No Racism 人種差別はいらない」


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「No One Is Born To Hate 生まれつき人を憎しむ人はいない」


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「Enough Hate ヘイトはもうたくさんだ」


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「Say Their Name 彼ら彼女らの名前を叫ぼう」

今、ニューヨークは、新型コロナウイルスからの再開に歩を進めている。わずかの間 店先を借りたストリートアートは、瞬く間に剥がされ始めた。

・・・と思ったら、新作が描かれていた。


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「Our Lives Begin To End The Day Become Silent About Things That Matter 大切なことについて声をあげなくなった日、私たちの命は終わりに向かう(キング牧師)」



深井さんトリミング

ニューヨーク支局 深井 慎一郎 

2005年TBS入社。報道局政治部、小泉総理番・第一次安倍総理番、幹事長番などの後、夕方の報道番組「Nスタ」、情報制作局「情報7days ニュースキャスター」、再び政治部、外務省担当・官邸クラブ担当・与党平河キャップを経て、2019年からニューヨーク支局。

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